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思わず波乗りしたくなる?!巨大な奇岩、ウェーブロック(オーストラリア)

2022 6/03
目次

ウェーブロックとは

ウェーブロック(撮影:ユーラシア旅行社)

ウェーブロック(Wave Rock)は、西オーストラリア州の州都、パースから東へ350kmの場所にある、海の波のような形の岩山です。約26億3000万年前という気が遠くなるほど昔にできた花崗岩が、長い年月の雨、風によって侵食されてできました。昔からここに住んでいたというアボリジニのあいだでは、虹色の蛇が陸上の水を全て飲み尽くし、巨大な体を地面に擦り付けてできた、と語り継がれています。

ウェーブロック(撮影:ユーラシア旅行社)

駐車場から遊歩道を歩いていくと木々の間から突然15mほどの岩の波が現れます。海で発生した巨大な波が今にも砕けてザッパーンと覆いかぶさってきそうな迫力もあります。見れば確かに花崗岩の岩山なのですが、その形状は波そのもの。周辺に海がないのが不思議に感じるほどです。ここでは巨大な岩の波の前に立って、是非、お決まりのサーフィンのポーズで写真を撮りましょう。その巨大な岩の波は約110mにも渡って続いています。実は、この一枚岩の波には階段があって上に登ることもできます。上からは、ウェーブロックを活用したダムや、周辺の乾燥した大地など雄大な自然を360度見渡すことができます。

ヒッポーズヤーン(撮影:ユーラシア旅行社)

ウェーブロックがあるエリアは自然保護区、ハイデン・ワイルドライフパークとなっています。近くにはレイクマジックと呼ばれる天然塩湖やコアラやカンガルーなどに出会える施設もあります。また、アボリジニの生活の跡が多く残されている場所もあります。カバが大きなあくびをしているような形の奇岩(ヒッポーズヤーン/かばのあくび岩)は、昔、お産の時に使われていたという神聖な場所。また、ムルカの洞窟(ムルカスケーブ)はハンドペイントや壁画がありますが、ムルカが子供を食べ、母親殺しを起こしたという恐ろしい伝説も残っています。

ムルカスケーブの壁画(撮影:ユーラシア旅行社)

ウェーブロックへの行き方、アクセス

日本から西オーストラリア州の州都パースまでは直行便で10時間。シンガポール経由やシドニー経由など、経由便を利用すると13~16時間ほどのフライトです。その後、車で延々と走ること4時間ほどで到着します。鉄道や路線バスなどはなく、あまり便利な場所とは言えません。
※航空機の運航スケジュールは、各航空会社のホームページをご確認ください。

パースからのウェーブロックとともに立ち寄りたい場所3選

白鳥のいる町、ノーザム

パースからハイウェイを東にドライブして1時間半。蛇行したエイボン川に囲まれたノーザムという町があります。エイボン川はパースを流れるスワン川の支流で、西オーストラリアのウィートベルト地域を、水源から河口まで240㎞に渡って流れています。西オーストラリアで唯一の白鳥コロニーがある緑豊かな町です。

ここでは牧草地を飛ぶ熱気球飛行や開拓時代の旧駅舎博物館が人気です。ノーザムは1886年に鉄道が引かれ、ゴールドラッシュを通じて繁栄、成長しました。開拓時代を感じさせる旧駅舎を利用した博物館には1000を越えるコレクションがあり、鉄道とノーザムの歴史を学ぶことができます。
また、2人のアーティストによって色鮮やかにペイントされた穀物サイロも、最近の“映え”スポットとして人気です。

開拓で栄えた最古の町、ヨーク

ヨークの街並み(撮影:ユーラシア旅行社)

ノーザムから南にドライブすると次にたどり着くのが、古い歴史を残した町、ヨークです。1871年にイギリス人が入植して開拓が始まった町ですが、今でも当時の建築物や街並みが残っていてノスタルジックな雰囲気が漂います。

他の周辺の都市は高層ビルなどで大都市化しているため、この懐かしい街並みはオールドタウンやカントリータウンと呼ばれ人々に愛されています。中世のヨーロッパスタイルの駅のような公会堂や古いレースカーが並ぶヨーク自動車博物館、伝統的なスタイルのパンやさんなど。街並みを眺めていると映画のセットの中に入り込んだような錯覚をおこします。

ヨークの街並み(撮影:ユーラシア旅行社)

ドックセメタリー

ドックセメタリー(撮影:ユーラシア旅行社)

さらに内陸(東)にドライブしていくと、次第に町や家、人は少なくなり、羊やエミューがいる農場や小麦畑などオーストラリアらしい景色が続きます。そして、コリギンという町の手前で突然目に入るのが大きな犬の像。

1974年に設立された、その名も「ドッグセメタリー」。この近くの農場で牧羊犬として活躍した犬達のお墓を作ったのが始まりで、次第に「自分の愛犬も仲間と一緒に眠らせてあげたい」という愛犬家が増え、お墓の数も増えて行きました。どのお墓も生前の可愛い写真や綺麗なお花が飾られていて、人々が愛犬を偲んで頻繁にここに来ていることがわかります。

ここは事務局に申請すれば国外の人でも愛犬を埋葬することができるそうです。今では愛犬家の人だけでなく、ウェーブロックや東に向かう沢山の人たちが途中で立ち寄るポイントとなっています。

乾燥した大地で出会う色鮮やかなワイルドフラワー

オーストラリアの面積の大半を占める内陸部は砂漠や乾燥した草原で、世界で最も乾燥した大陸と言われています。オーストラリアには元々広大な砂漠が存在していましたが、近年は人的要因により砂漠化が進行し問題となっています。資源の確保や気温上昇の抑制など乾燥化対策を実施し、砂漠化を食い止めるための措置が急がれています。

リース・レシュノルティア(撮影:ユーラシア旅行社)

そんな人にとっても植物にとっても過酷な土地であるにも関わらず、ここ西オーストラリアはワイルドフラワーの宝庫でもあるのです。日本では秋の気配が感じられる9月頃からオーストラリアは春になり、沢山のワイルドフラワーが咲きはじめます。自生する12,000種もの珍しいワイルドフラワーのうち、8割は西オーストラリアでしか見られません。約6500万年前にゴンドワナ大陸から分裂し、オーストラリアが他の地域から隔絶されてから、植物も独自の進化を遂げてきました。

エナメル・オーキッド(撮影:ユーラシア旅行社)

艶々のマニュキアを塗ったかのように光る「エナメルオーキッド」や地面にクリスマスリースのように放射線状に茎を伸ばしピンク色の花を咲かせる「リースレシュノルティア(リースフラワー)」、山火事をきっかけに発芽して成長する「バンクシア」など。車の中からは乾燥した荒れた大地にしか見えないような場所でも、下りて地面を良く見てみると、とっても可愛い花に出会えることがあります。

バンクシア(撮影:ユーラシア旅行社)

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