知床国立公園とは

北海道東部、道東の東端に位置する知床半島の名前は「地の果て」を意味するアイヌ語の「シリエトク」に由来しています。地の果て故、歴史を通じて人間があまり入り込むこともなく、現代においても「日本最後の秘境」と呼ばれるほどです。知床の大自然は陸海双方で豊かな生態系を育み、2005年には世界自然遺産にも登録されました。春の新緑と花々、夏のヒグマ、秋の紅葉、冬の流氷と季節ごとの見どころがあり、何度も足を運びたくなる観光地です。
知床国立公園への行き方、アクセス
空路の場合、女満別空港が最寄りとなります。陸路移動の手段は、自家用車やレンタカー、タクシーでの移動が便利です。公共交通機関を利用する場合は、知床の観光拠点となる宿泊ホテルが集中する地域まで鉄道が伸びていませんので、JR知床斜里駅まで移動し、そこから路線バスに乗り換え、ウトロ温泉バスターミナルまで向かう必要があります。
知床国立公園の見どころ7選
知床五湖

知床半島のウトロ側、森のなかに点在する5つの湖を見てまわれる遊歩道が整備されています。5つの湖すべてを巡る約3時間のルートから約40分~1時間30分のルートがあります。また、バリアフリー対応の高架木道(約800ⅿ)が一湖までいくことができるよう設置されています。

透明度の高い水を湛えた湖面は周囲の木々や山々を映し、鳥や昆虫などの生き物を見ることができます。
けもの道ウォーキング

手つかずの自然が残る森を通り抜け、オホーツク海を望む断崖まで歩きます。途中、知床の豊かな植生を楽しみつつ、運が良ければエゾシカに遭遇します。海からそそりたつ断崖から、北東に伸びる知床半島を見渡すことができます。
手つかずの大自然が広がる知床半島は、日本最大の陸上生物であるヒグマが生活圏を守られ、のんびりと暮らしています。そのため、知床五湖やけもの道ウォーキングなど遊歩道沿いにヒグマが出現し、遊歩道が閉鎖してしまうこともあります。ヒグマの出現情報は主要観光地等で手に入れることができます。
知床岬クルーズとヒグマウォッチング

知床半島の先端である知床岬までは陸路で行く道がありません。そのため、原始の自然景観が残る知床岬付近を見るには往復約4時間の知床岬クルーズに乗船する必要があります。運が良ければ、知床岬まで向かうまでの海岸線にヒグマが姿を現したり、イルカやクジラが海面に浮かび上がってくることがあります。
オシンコシンの滝

日本の滝100選にも選ばれているオシンコシンの滝。滝が二つに分かれているので「双美の滝」とも呼ばれています。展望台からは迫力がある滝を間近で見ることができ、マイナスイオンをたっぷり浴びることができます。
羅臼湖・三の沼トレッキング

知床半島の南側に広がる羅臼地域。羅臼岳(1660m)が後方に聳える羅臼湖一帯にも魅力的な自然風景が広がっています。羅臼湖に至るルートには、4つの沼を通過するルートがあります。

気象条件が良ければ羅臼岳が水面に映る三の沼までは、往復2.5時間ほどのトレッキングとなります。道の状況によっては、くるぶし上まで水に浸かる箇所があり、長靴を履いていく必要がありますので、事前にルートや道の状況の確認、ハイキング装備の前準備が必要です。
秋の紅葉に染まる知床

例年10月上旬頃に一足早い紅葉を迎える知床。木々が黄金色や紅色に染まり、夏とはまと異なる美しさを醸し出します。特に知床五湖周辺や羅臼岳付近がおすすめ紅葉スポットです。運が良ければ、冬眠前の熊に出会える可能性もあります。
冬の知床名物、流氷

ロシアのアムール川で生まれた流氷は、オホーツク海を徐々に南下し、1月頃知床に達します。流氷が海を埋め尽くす絶景を眺め、条件が良ければ実際に自分の足でも歩くことが出来る流氷ウォーキング、さらにウトロから砕氷船に乗ってのクルーズツアー等、様々な形で冬の風物詩である知床の流氷を楽しむことができます。