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タスマニア島で原生林を歩く、クレイドル山(マウンテン)国立公園(オーストラリア)

2022 3/10
目次

クレイドル山国立公園とは

オーストラリア南東に浮かぶリンゴのような形の島、タスマニアにある国立公園のことです。正式名称はクレイドル山-セント・クレア湖国立公園といい、1982年にこの広大な地域一帯が「タスマニア原生地域」としてユネスコの世界遺産に登録されました。その面積は約1,614平方キロメートル、東京23区の約3倍もの広さです。
“クレイドル”とは赤ちゃんのゆりかごという意味。標高1,545mのクレイドル山の頂上と、その横にある標高1,353mのリトルホーンを繋ぐ部分がまさしくゆりかごのように見えますね。
約200万年の歳月をかけ、氷河が少しずつ溶けて形成されたこの地域には、3,000を超える湖や池があります。原生林と湖が織りなす大自然が非常に魅力的な場所です。

クレイドル山国立公園(撮影:ユーラシア旅行社)
ダブ湖よりクレイドルマウンテンを望む(撮影:ユーラシア旅行社)

クレイドル山国立公園への行き方、アクセス

クレイドル山国立公園までは、飛行場や鉄道はないため車もしくはバスのみです。タスマニアの南方にある州都ホバートからは車で4~5時間程かかります。タスマニア北部のロンセストンからは2時間半程度、南部のクイーンズタウンからは2時間程度で到着します。尚、ロンセストンからは各社長距離バスも出ていますが、週3~4日の便、要事前予約のため注意が必要です。
また、国立公園内はシャトルバスが走っており、チケットの種類によって乗れる回数が異なるため目的にあったチケットを購入するようにしましょう。チケットは国立公園のビジターセンターで購入できます。タスマニアを周遊する場合は、島内のすべての国立公園に入園できるチケット等も販売されているため活用するのも良いでしょう。

クレイドル山国立公園のみどころ、おすすめ観光

自然、植物

クレイドル山国立公園の魅力は、やはり圧倒的な大自然です。タスマニア島の総面積の内、約2割にあたる地域が太古の時代の自然がそのまま残っていると言われていますが、クレイドル山国立公園ではそれを間近に感じることができます。
かつて南半球に広がっていたと考えられるゴンドワナ大陸から、徐々に陸地が移動・分裂したことを証明するかのように、大陸に見られる南極ブナ等が分布しています。
太古の原生林、ワイルドフラワー、神秘の湖、高らかにそびえる山岳。そんな美しい景観に触れようと、世界中からクレイドル山国立公園には自然を愛する観光客が訪れています。

固有種のタスマニアン・ワラタ(撮影:ユーラシア旅行社)

動物

タスマニアには、オーストラリアの固有種であるコアラやカンガルーなどの動物をはじめ、様々な野生動物が生息し、保護されています。野生動物なのでかならず会える確証はありませんが、クレイドル山国立公園のように自然豊かな場所では出会うチャンスがたくさんあります。
クレイドル山国立公園に宿泊すれば、一度は見かけるかもしれないワラビー。よく知られるカンガルーと同じ有袋類で、若干小ぶりなサイズです。

かわいらしいワラビー(撮影:ユーラシア旅行社)

同じくよく見かけるのはウォンバット。カンガルーやコアラと同じように袋の中で赤ちゃんを育てる有袋類です。基本的には夜行性ですが、明るいうちでもお腹をすかせたウォンバットが草むらを歩いていることもあります。

ウォンバット(撮影:ユーラシア旅行社)

公園内を歩いているときには足元に注意。ハリモグラが地面を掘っているかもしれません。ハリネズミのようですが、カモノハシと同じように哺乳類なのに卵を産む動物です。

ハリモグラ(撮影:ユーラシア旅行社)

運が良ければ、野生のタスマニアデビルにも会えるかもしれません。彼らは一時期は害獣として駆除されていましたが、伝染病により生体数が激減し今は国によって保護されています。確実に会いたいのであれば、タスマニアデビル保護施設を訪れてみるのがよいでしょう。

タスマニアンデビル(撮影:ユーラシア旅行社)

彼らは野生動物であり、厳重に保護されているため、触ったり餌をやったりすることは禁止されています。彼らの姿を見かけたら、どうぞ静かに見守ってあげてくださいね。

クレイドル山国立公園のハイキング

ダブ湖ハイキング

約6km、2.5時間~3時間ほどかけてダブ湖を一周します。
高低差があまりないコースなので、ハイキング初心者の方でも比較的楽に歩くことができます。ダブ湖とクレイドル山を眺めたり、太古の森林の中を歩いたりと一つのコースの中でも様々な景色を楽しむことができおすすめです。

ダブ湖とクレイドル山(撮影:ユーラシア旅行社)

クレーター湖展望ハイキング

約7km、一周約3時間~3.5時間で標高1,035mのクレーター湖を目指しハイキングするコースです。
道中は清流に沿って進み、森の中や岩場も進んでいくコースです。高低差もありますが、歩き慣れている方なら問題ないでしょう。山を登った先に、3つの湖を展望するポイントがあります。さらに景色を楽しみたい方は、マリオンズ・ルックアウトという展望台まで上ることもできます。岩場を上り下りするので、体力に自信があればぜひ挑戦してみてください。

クレーター湖(撮影:ユーラシア旅行社)

クレイドル・バレー・ボードウォーク

約7km、一周約3時間~3.5時間で標高1,035mのクレーター湖を目指しハイキングするコースです。
道中は清流に沿って進み、森の中や岩場も進んでいくコースです。高低差もありますが、歩き慣れている方なら問題ないでしょう。
山を登った先に、3つの湖を展望するポイントがあります。さらに景色を楽しみたい方は、マリオンズ・ルックアウトという展望台まで上ることもできます。岩場を上り下りするので、体力に自信があればぜひ挑戦してみてください。

クレイドル・バレー・ボードウォーク(撮影:ユーラシア旅行社)

お手軽キングビリーハイキング

推定樹齢1,500年、高さが40m以上もある杉の仲間、キングビリー・パインを見に行くハイキングコースです。
その木は針葉樹や南極ブナが立ち並び苔むす深い森の中にあります。解放感のある山のハイキングとはまた一味違う、冷温帯の降雨林です。一周1時間ほどの短い時間で歩くことができるので気軽に出かけることができますね。

苔生す森を行く、キングビリーハイキング(撮影:ユーラシア旅行社)

クレイドル山国立公園のホテル、宿泊

クレイドル山国立公園を訪れるときは、公園周辺のロッジに宿泊するのが良いでしょう。シャトルバスの停車場所のすぐ近くにある、クレイドル・マウンテンロッジには快適なお部屋があり、ハイキングで疲れた体を癒すのに最適です。敷地内にはワラビーやウォンバット等もよく現れ、食事にも定評があります。国立公園内とは思えない設備の整ったロッジで、ぜひクレイドル山国立公園を満喫してみてください。

クレイドルマウンテンロッジ(撮影:ユーラシア旅行社)
クレイドルマウンテンロッジのスパキャビン(利用一例)(撮影:ユーラシア旅行社)
敷地内にはウォンバット、ワラビーもよく現れます(撮影:ユーラシア旅行社)
食事にも定評があります。(メニュー一例)(撮影:ユーラシア旅行社)

ハイキングのおすすめ季節と注意点

タスマニアには日本と同じように4つの季節がありますが、南半球に位置しているため日本と季節は真逆です。クレイドル山のハイキングを楽しむのであれば、降雨量も少なくなる夏のシーズン11月~2月がベストシーズンです。内陸の気温は、夏にあたる11月~2月の間で摂氏17度~24度と非常に涼しいです。日中は半袖でも大丈夫ですが、最低気温が10度前後のこともありますので、防寒用の上着等は必須です。冬は山間部で雪が降るため、ウィンタースポーツを楽しむ人々も。

<ハイキングの注意点>
タスマニアは非常に日差しが強く紫外線の量も年間を通して多いです。帽子、サングラス、日焼け止めなどのUV対策は必須です。また、山岳部は雨が降りやすいため折り畳み傘や防水の上着、レインコート等があれば安心です。
専用のトレッキングシューズが必要なほどハードなコースではありませんが、長い時間歩きたい方は履き慣れたものがあれば安心でしょう。多少岩場もありますので、底が厚めの靴がおすすめです。

名前だけは聞いたことがある「タスマニア」。自然を愛する人々にとっては楽園のような島です。ハイキングと聞くと敬遠する方もいるかもしれませんが、初心者の方でも気軽に楽しむことができるコースが多いです。クレイドル山の美しい景色を眺めながらぜひハイキングに挑戦してみてくださいね。

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