カナディアンロッキーとは
アメリカ合衆国からカナダにかけて延びているロッキー山脈のうち、カナダ国内アルバータ州、ブリティッシュコロンビア州、ユーコン準州を通るおよそ2万3,000km²に及ぶ部分がカナディアンロッキー。山や氷河、滝、渓谷、湖など、多くの自然が残っています。カナディアンロッキー山脈自然公園群は、アルバータ州とブリティッシュコロンビア州とにまたがる4つの国立公園と3つの州立公園で構成されています。ジャスパー、バンフ、ヨーホー、クートニィの4つのロッキー国立公園は、1985年に世界遺産に登録され、1990年にはその近隣のマウントロブソン州立公園も登録されました。
カナディアンロッキーへの行き方、アクセス
交通手段はバスと列車があります。バスはカルガリー空港からバンフ、レイクルーズに行くシャトルバスが2時間に1本運行しています。バンフまでは1時間40分程度、レイクルーズまでは2時間30分程度の道のりです。列車はバンクーバーからジャスパー国立公園までをカナディアン号というVIA鉄道が運行する列車が出ています。こちらは18時間30分という長旅にはなりますが、豪華夜行列車での旅を楽しめます。また、夏季のみロッキーマウンテニア号という観光列車も出ています。こちらは夜行列車ではなく、途中ホテル滞在を含む1泊2日の鉄道ツアーです。
カナディアンロッキーの見どころ、おすすめ観光
ジャスパー国立公園
カナディアンロッキー最大の面積を誇る国立公園で、新潟県とほぼ同じ広さです。1907年にカナダで7番目の国立公園に指定されました。南をバンフ国立公園、西をマウントロブソン州立公園と接しています。支流をいくつも持ちながら、北極海に流れ出るアサバスカ川が中央を流れています。
■ダークスカイリザーブ
ジャスパー国立公園内はカナダ王立天文学協会からダークスカイ保護区として認定されています。カナディアンロッキーからの星空を堪能いただけることでしょう。
マウントロブソン州立公園
マウントロブソン州立公園は数多くの鋭鋒や湖、氷河が点在し、その中心にカナディアンロッキーの最高峰マウントロブソン(3954m)が聳えます。バンフやジャスパーに比べて訪れる人が少ないですが、天候に恵まれればアクセスしやすいビジターセンターからでもマウントロブソンの姿を望む事ができるので、おすすめです。
クートニィ国立公園
温泉天国として知られている国立公園です。40度以上の湯が湧き上がるラジウム温泉は、かつて先住民にとって聖なる場所でした。現在ではカナダ最大の温泉プールとなっています。
クートニィ国立公園を代表する名所は、長さ600m、深さ400mのマーブル渓谷です。氷河から解け出した激しい水の浸食により出来ました。渓谷壁は石灰石と白雲石から成り、その一部が白くて大理石(marble)に似ていることからマーブル渓谷と呼ばれています。
ヨーホー国立公園
小さいながらもロッキーの見どころが凝縮されています。「ヨーホー」とは先住民の言葉で畏怖や驚きを表し、「すばらしい!」という意味です。私たちが使っている「ヤッホー」もこれが由来だといわれています。3000mを超える28もの山々に、400㎞以上に及ぶトレイルコースがあるので、トレッキングをしながら壮大な景色を楽しむことが出来ます。
ヨーホー国立公園で絶対訪れたい場所は、神秘的な水を湛えたエメラルドレイクです。湖畔には5.2㎞のトレイルコースが整備され、エメラルドグリーンに輝く神秘的な湖を様々な角度から眺めることが出来ます。カヌー体験をしながら景色を満喫するのもお勧めです。キク科の植物やタケシマラン、アツモリ草などがご覧頂けることもございます。
バンフ国立公園
総面積6641㎢にも及ぶ「バンフ国立公園」は、1885年にカナダで最初の国立公園に指定されました。アメリカのイエローストーン国立公園、オーストラリアのロイヤル国立公園に次いで世界で3番目に古い国立公園です。カナディアンロッキーに連なる名峰や雄大な氷河、美しい湖、スキーリゾートを有する観光スポットとして高い人気を得ています。また、「動植物の宝庫」としても有名です。運が良ければ、ブラックベアやエルク、アメリカンバイソン等が見られるかも?!
特にミルキーブルーの水を湛えたモレーンレイクとペイトレイクは、バンフ国立公園の中でも一、二を争う絶景。絶対お見逃しなく!
コロンビア大氷原
コロンビア大氷原は325㎢の大きさで、名古屋市とほぼ同じ大きさの氷の原っぱです。雪が積もり、その重さで氷になります、氷原から押し出されてできたのが氷河です。コロンビア大氷原からは主に6つの氷河が流れ出ています。それぞれの氷河から流れ出た水は、アサバスカ川、マッケンジー川となって北極海に、ノース・サスカチュワン川となって大西洋に、コロンビア川となって太平洋に注ぎ込みます。
レイクルイーズ
1882年にやって来た太平洋鉄道の測量技師トーマス・ウィルソンにより発見されました背後にそびえ立つマウントビクトリア(3464m)のビクトリア氷河が流れ込む氷河湖で、長さ2.4㎞、幅300mあります。ビクトリア女王の4番目の娘で、1880年代後半のカナダの首相の妻であった、ルイーズ・キャロライン王妃にちなんで名付けられました。
カナディアンロッキーの動植物
カナディアンロッキーの植物、お花
北緯51度前後の高緯度に位置するカナディアンロッキーは高山植物の楽園。
年間を通して気温も低く湿気も少なく、日本では高山に育つとされる植物を、簡単に訪れられる低い標高のハイキング道でも観察することができるのが魅力です。
日本では紫色、北米では黄色の花が咲くグレーシャーリリー/片栗
花の直径が4cm~6cmと大きいウエスタンアネモネ
その名の通り絵筆のような形のインディアンペイントブラシ
カナディアンロッキーの野生動物
高山植物に限らず、さまざまな野生動物も生息しているところも魅力のひとつ。人里が近くにあってもすぐそばを動物が歩いていくのを見かけることも少なくないでしょう。
出会ったときには決して不用意に近寄らず、餌も与えないようにしてくださいね。
茶色の毛皮の種類もいるブラックベア。熊の中では比較的大人しく臆病な性格ですが驚いたりすると途端に狂暴に。見かけても近寄らないように。
町中でよく見かけるエルク。雄の角は約2mの長さにまで成長します。
山ヤギという意味のマウンテンゴート。実はカモシカの仲間。
カナディアンロッキーのハイキング
サンシャインメドウ
バンフ国立公園内、標高約2200mに位置するハイキングコース。サンシャインメドウとは「太陽の光があたる草原」という意味ですが、ここは天気がくずれやすい所なので、「太陽が輝きますように」という願いを込めてこの名が付けられました。初心者でも歩きやすいコースがあり、お手軽にカナディアンロッキーの大自然を体感する事ができます。
レイクアグネス
レイクアグネスは1886年にこの場所を訪れたカナダの最初の首相夫人アグネス・マクドナルドにちなんで付けられました。アグネス・マクドナルドは訪れた際、湖のその美しさに驚嘆したそうです。比較的整備されたルートで、鏡のような湖面の周囲を歩きます。
カナディアンロッキーのホテル、宿泊
フェアモント・レイクルイーズ
フェアモント レイクルイーズはレイクルイーズとロッキー山脈の眺望を堪能できます。温水プールや美容室など、ホテル内の施設も充実しており、バンフ国立公園の大自然を存分に満喫しながらも、エレガントで洗練された心安らぐ空間でくつろぐことができます。
フェアモント・バンフ・スプリングス・ホテル
バンフ・スプリングス・ホテルはスコットランドの城館を思わせる建築デザインが魅力のホテルで、1世紀以上に渡り、壮麗なロッキー山脈のシンボルとして知られてきた歴史あるホテルです。このホテルは、マリリン・モンローが映画の撮影の際に泊まったホテルとしても有名です。
ハイキングのおすすめ季節と注意点
おすすめの季節は初夏から秋にかけてです。冬眠から覚めた動物たちにも出会えることでしょう。また、秋には木々が紅葉し、素晴らしい景色をお楽しみいただけます。標高が高いこともあり、天気により体感温度は変動します。一日の中の温度差は大きく、日中は20度前後ですが、朝晩は10度を下回ることも多々あります。山の気候の為天気が変わりやすい事も多いため、調節しやすい服装が必要です。
美しい自然と壮大な景色を堪能できるカナディアンロッキー。是非挑戦してみてください。