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レバノン杉とは
レバノン杉とは、東地中海地域の海抜1200-3000mの地域に自生する杉の木を指します。強度に優れ、香りは芳醇、樹脂はミイラ作りに最適で船の建材としても優秀。レバノン杉は古代より聖なる木としてフェニキア(レバノン)だけでなく、メソポタミアやエジプトでも珍重されて来ました。高さは35-40mまで伸び、樹齢は千年を越える事もあります。
しかしながら有用である故に乱伐されてしまって本数が極端に減り、現代に至ってはわずかばかりしか残っていません。その貴重なレバノン杉が密集している唯一の地域がレバノン中部のカディーシャ渓谷とブシャーレの森です。
レバノン杉を見るには?カディーシャ渓谷とブシャーレのレバノン杉保護区への行き方、アクセス
レバノン杉はレバノン山脈の山麓の標高が高いところでしか育たない為、カディーシャ渓谷とレバノン杉の森へのアクセスはよくなく、個人で車を手配するか、団体バスツアーを利用する事をお勧めします。ベイルートからは片道2時間前後です。
レバノン杉の特徴と見学
カディーシャ渓谷の奥に佇むブシャーレのレバノン杉保護区は、道路からも遠くないので、車から降りて歩いて中に入る事ができます。若い木から樹齢数千年とも言われる大木までが同居する森はつんとした空気が張っていて神の森と呼ばれるのにも納得が行きます。
新緑の季節も良いですが、雪を被った冬の姿もレバノン杉らしく、絵になります。
レバノン杉は幹が太い物の、地上から2m程度ですぐ複数の太い枝に分岐して上に伸びていくのが特徴です。街中の巨木にはその特徴がよく表れています。
レバノン杉保護区で伐採はもちろんできませんが、落ちた枝から加工したレバノン杉製のお土産が売られています。
レバノンの国旗の中央にはレバノン杉が描かれ、人々の心に占める木の存在感の大きさが伝わってきます。