ドブロブニクとは
ドブロブニクは、7世紀にスラヴ人の侵入によってドブロブニクから南26kmほどの場所にあるツァヴタット(当時はエピダウロス)の住民たちが移り住んできたことが起源の街。のちにラテン語で潟の意味するラグーサと呼ばれる島の街と本土のスラヴ人街が一つになりました。現在のドブロブニクという街の名は、スラヴ語での〝潟〟を意味する言葉です。1181年には自由都市コムーネになり、ベネチア共和国・ハンガリー王国・オスマントルコなどの周辺強国に税金を払いながら19世紀まで自治を守り続けました。1667年に街を大地震が襲い、再建の際にバロック様式の建物が建てられました。1979年にドブロブニク旧市街はユネスコ世界遺産に認定されるも、1991年の内戦時に爆撃を受け、一時は危機遺産となりましたが、現在は修復によって美しい旧市街の街並みを見ることができます。
ドブロブニクの場所は?
ドブロブニクは、国土の北に位置している首都ザグレブより隣国モンテネグロに近い国土の南部にあります。首都ザグレブから移動する場合は、車で南下すること約600km・所要時間6時間30分(休憩なし)。そのため、首都ザグレブからクロアチア観光を始め、南下しながら各地で観光・宿泊をしながら、ドブロブニクに行くのもひとつの手段。空路からアクセスする場合は、ドブロブニク旧市街の南21km(車で約25分)の場所にあるドブロブニク国際空港から向かう手段もあります。空港から旧市街へは、バスが運行していますのでバス移動もしくはタクシーで移動することができます。日本からクロアチアまでの直行便はありませんので、欧州・中東系の航空会社の利用で行くことになります。
ドブロブニク観光、おすすめ 11選
ピレ門(西門)
ピレ門は、城壁内観光に向かうための出入り口としてのみならず、濠の上にかかる跳ね橋を渡ることで中世時代の雰囲気を味わうことができ、門のアーチ上に街の守護聖人・聖ブラホの彫刻を見ることができますので、その点もお見逃しなく。
ドブロブニク旧市街観光の見どころの多くは、城壁内にあります。城壁内への出入り口は、ピレ門を含めて3か所あり、ここピレ門の前が空港からのバス降車、市内バスの発着、タクシー乗り場であるため、多くの観光客はここの門をくぐります。
プラッツァ通り
ピレ門にて城壁内に入ると、目の前にはまっすぐに伸びた長さ300mの道が目に飛び込んできます。街が築かれた7世紀当時、この通りの場所は小島と陸地の間の海峡でした。その海峡を12世紀に埋め立てて造られたのがプラッツァ通りです。
オノフリオの大噴水
ドブロブニクの最盛期は15世紀~16世紀といわれ、行政による街の整備や発展がありました。15世紀、ナポリの建築士オノフリオにより旧市街から約10km離れたスルジ山の北側にある水源から水をひいた上水道が完成。その上水道建設のおかげで、ピレ門から城壁内に入ったすぐ右手側に見えるオノフリオの大噴水にて市民に無料で水が供給されました。
聖フランシスコ会修道院
14世紀に建てられたロマネスク様式の美しい回廊を持つ修道院。回廊には双子(2本)柱が60本あり、それぞれに美しい柱頭彫刻が施されています。なかにはダルメシアンの柱頭彫刻もありますので、見つけてみてください。回廊の奥にある博物館には、聖遺物から宗教絵画、信者から寄贈された宝飾品などが展示。そのほか1991年の内戦時に飛んできた砲弾跡も残されています。
ルジャ広場(スポンザ宮殿・聖ブラホ教会・ローラント像・時計塔)
西のピレ門から城壁内に入り、プラッツァ通りをまっすぐ進むとルジャ広場に到着します。広場の周囲にある建物はドブロブニクの歴史あるエピソードをもつものばかり!1520年建造のスポンザ宮殿は、昔の税関であり商品の検査所だった建物。現在は公文書博物館として使われています。15世紀に最初の時計塔が造られ、現在見られる時計塔は20世紀のものです。高さ31mの時計塔上部に見える鐘は16世紀に造られたもので、よーく目をこらして鐘の左右をみると鐘つき人形のマロとバヒの姿が見えます。18世紀建造の街の守護聖人ヴラホを祀るヴラホ教会。自由都市の象徴である15世紀に造られたローラント騎士像の右腕の肘から先の長さは51.2cm=1ラーカ、これがドブロブニクにおける長さの基準となり、商品取引や検査において誰でもここで長さを測ることができました。
聖ドミニコ会修道院
13世紀にドミニコ会修道院が開かれ、修道院の建物は14世紀~16世紀建造。1667年の大地震で、ルネサンス様式の建物が多く倒壊した中で残った貴重な14世紀の回廊が残ります。聖フランシスコ会修道院と似た造りの回廊ですが、聖フランシスコ会修道院の回廊にある柱は双子(2本)柱に対し、聖ドミニコ会の回廊は1本です。
旧総督府(クネズ宮殿)
15~17世紀ルネサンス・ゴシック様式の建築。中庭に多額の寄付をし17世紀に総督を務めた名誉市民ミホ・プラツァト大富豪の胸像。共和国時代、独裁を防ぐために個人の像は禁止されていましたが総督邸内に置くことを条件に造られら唯一の個人彫像です。総督の任期は1か月で、その間は邸宅からの外出は禁止され、無給の仕事でした。内部には、18世紀の家具、総督執務室、寝室、音楽室、礼拝堂などを見ることができます。建物入り口前の柱頭彫刻も素晴らしい装飾が施され、必見。
旧港
世界に船を出した海洋国にしてはこじんまりした旧港。現在はロクルム島行きの船などの観光船が発着するために使われています。港に面する建物は、かつての造船所建物で、現在はレストランになっています。
城壁
ドブロブニク旧市街観光のハイライトのひとつ、城壁ウォーキング!13~16世紀に造られ、5つの堡塁、12角塔が備えついている全長1,940m(約2km)の城壁は、一周歩くことができます。さまざまな角度から見る旧市街は、見る場所によって見える景色が異なり、どこも絶景!城壁へあがる箇所は3か所。一番わかりやすいのは、ピレ門から城壁内に入って、左側の階段。残る2か所は東側にあり、少々わかりづらい場所にあります。
プロチェ門(東門)
旧市街の北東にあるプロチェ門から、城壁外にでると疫病を城壁内に持ち込ませないため、航海中に病にかかった船員や汚染地域からの船員に対し潜伏期間中に滞在させる隔離施設が残されています。また真っ白いビーチも見えてきます。
スルジ山展望台
旧市街のブジェ門(ドミニコ会修道院の近く)から、徒歩5~7分の場所にあるスルジ山ロープウェイ乗り場まで移動し、ロープウェイで約4分で到着する頂上にある展望台から見る旧市街を上からみる景色は、ドブロブニク観光のハイライトのひとつ!ジブリアニメ映画「魔女の宅急便」でホウキに乗ったキキが上空から見た街のモデルといわれています。
ドブロブニクのレストランとカフェ
ドブロブニク旧市街で食事や休憩をするためのレストラン、カフェ、ファストフード系は、観光していれば何かしら目にしますので、見つけられないことはありませんが、どこに行こうか迷ってしまいますね。多々あるレストランやカフェの中で、ちょっと特徴あるお店をご紹介。
修道院レストランKLARISA
元修道院の建物を改装したレストラン。回廊にセッティングされた席で、静寂に包まれた雰囲気の中でのお食事をお楽しみいただけます。夜は、薄明かりの中で更に幻想的な雰囲気が味わえます。
隠れた城壁直下にあるBuža Bar
城壁を歩いて景色をみていると、おやっと思う場所にレストランやカフェを発見しますが、一番インパクトがあるのは城壁の外側、崖にあるBuža Barでしょう。ここへのアクセスは、城壁から行くことはできずに地上からとなりますが、聖母被昇天大聖堂から迷路のような小路を歩いていかなければ辿りつけないので、マップアプリなどを駆使していかなければなりません。
アドリア海を眺望するレストラン
ライトアップした夜景を楽しむ
青い空と青い海、オレンジ色の屋根瓦と昼間にみたドブロブニクは、夜になるとまた異なる姿を見せてくれます。夜も遅くなりすぎなければ、夏の時期などは多くの観光客がいますし、治安もさほど悪くありません(人通りのない路地裏などは注意)。ライトで浮かびあがる幻想的な旧市街を楽しんでみてください。
プロチェ門をでると広がるビーチ沿いにあるレストランでは、美しいアドリア海の海を眺めなが
らのお食事を楽しむことができます。昼と夜とで雰囲気が変わりますが、どちらも素敵なひとときになること間違いなし。