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世界一、古代ローマモザイクの殿堂バルドー博物館(チュニジア)

2023 9/26
目次

バルドー博物館とは

バルドー博物館(撮影:ユーラシア旅行社)

バルドー博物館は、北アフリカのチュニジア首都チュニスに位置する博物館。現在のチュニジアはフェニキア人がポエニ戦争でローマに滅ぼされた後はローマの北アフリカ属州の中心地として栄え、ローマモザイクの傑作も多数誕生しました。他の彫像や生活用品等の出土品と合わせてローマモザイクの傑作が多数バルドー博物館で展示されており、チュニジアの旅では外せない観光ポイントになっています。不幸な事故によって一時閉鎖され、再会館直後に今度は業務上の都合で長らく閉館していましたが、この夏ついに再開館し、古代ローマ芸術の至宝を見学する事ができます。

バルドー博物館(撮影:ユーラシア旅行社)

二千年前の芸術、古代ローマのモザイクとは

『アレクサンドロス大王(左中央部の人物)とイッソスの戦い』(ポンペイ出土/ナポリ考古学博物館所蔵)(撮影:ユーラシア旅行社)

顔料の入手や耐久性が十分でなかった古代世界において細かい石を並べて絵的表現をする事は古代ギリシャやフェニキア、ペルシャ等でも行われていましたが、古代ローマはその技術を芸術まで昇華させ、富裕層の邸宅を中心にモザイク装飾が流行しました。特に有名なのは、アレクサンドロス大王の肖像としても教科書に登場するポンペイ出土の『イッソスの戦い』ですが、その他にも多くの傑作が誕生しました。

ローマのモザイクは下部エルコラーノの『ネプチューンとアンフィトリテ』に見られるように、サイコロの形状に近い石を組み合わせて絵柄を構成しています。その技術は時代と共に進歩し、写実的な表現も可能になりました。

鮮やかな色合いの『ネプチューンとアンフィトリテ』(エルコラーノ遺跡)(撮影:ユーラシア旅行社)

バルドー博物館で見られる古代ローマの傑作モザイク

オデュッセウスとセイレーン

『オデュッセウスとセイレーン』(撮影:ユーラシア旅行社)

バルドー博物館を代表的展示でもあるこの作品は、ホメロスの『オデュッセイア』の中でオデュッセウス(やや左寄りの白い服の人物)が船を難破させるセイレーン(右側の半人半鳥の怪物)の誘惑の歌を聴いてもあらぬ方向に向かわぬよう、船の帆柱に自身を括り付けている場面です。

ネプチューンと四季の女神

ネプチューンと四季の女神(撮影:ユーラシア旅行社)

ネプチューンはギリシャ神話におけるい海の神ポセイドンと同一の神。4つ角には花や収穫等のモチーフに春夏秋冬の女神が描かれています。

ネプチューンの勝利

『ネプチューンの勝利』(撮影:ユーラシア旅行社)

上にネプチューンの顔とヒゲがあり、下にネプチューンがシンボルである三つ又の槍と共に妻のアンフィトリテと戦車に乗って凱旋する模様が描かれています。

ヴィーナスとケンタウロス

『ヴィーナスとケンタウロス』(撮影:ユーラシア旅行社)

美の女神ヴィーナスを祝福する半人半馬のケンタウロス族。

ウェルギリウスと詩神

『ウェルギリウスと詩神』(撮影:ユーラシア旅行社)

ウェルギリウスは共和制ローマの末期から帝政初期の時代に活躍した大詩人。歴史や悲劇のジャンルで多くの作品を送り出し、中世にはダンテに師と仰がれる等文学界にその名を刻みました。ここでは向かって左に歴史の神、右に悲劇の神を立たせてウェルギリウスの功績を称賛しています。

ライオンとウサギ、植物

『ライオンとウサギ、植物』(撮影:ユーラシア旅行社)

神話や人物と並んで動物も頻繁に用いられたモチーフでした。特に円形闘技場でも最も人気があり、力の象徴でもあるライオンは、モザイクや彫刻によく登場しました。左側のライオンの左後脚には明暗法を用いた遠近感も感じられます。

クマ

クマの格闘(撮影:ユーラシア旅行社)

アフリカにはかつてクマも生息しており、その場所はアフリカ属州西部のアトラス山脈地域(モロッコ、アルジェリア、チュニジア)でした。(残念ながら19世紀末ごろに絶滅)
円形闘技場でもクマ対クマ、クマ対ヒト等様々な戦いに駆り出されました。

魚のモザイク

魚のモザイク(撮影:ユーラシア旅行社)

様々な魚の姿に加えて一部に鳥や軟体動物も描かれていてコミカルにも見えます。古代ローマ時代には、魚も食べられており、特別なごちそうになる事もあったので食事をする場所の装飾に用いられる事もありました。

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