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南アフリカの絶景、世界遺産ドラケンスバーグ山脈へ!天空の王国レソトへの道・・・

2022 8/12
目次

ドラケンスバーグ山脈とは

ドラケンスバーグ山脈(撮影:ユーラシア旅行社)

南アフリカ共和国の地図をご覧になってみてください。東部に目を凝らしてみると・・・国内にぽっかり穴が開いたように、別の国が存在します。レソト王国です。このレソト王国東部と南アフリカ共和国の国境を形成しているのが、ドラケンスバーグ山脈。山脈はさらに北へと伸びており、全長は約1,000kmにもなります。南部アフリカ大断崖と呼ばれる台地の東の縁にあたることから、絶壁が聳え立つような山の連なりが特徴的。その見た目から、ズールー語では“槍の障壁”、アフリカーンス語では“竜の山々“と呼ばれてきました。見所の中心となるのは、マロティ – ドラケンスバーグ公園があるエリア。ここは、南アフリカ共和国とレソト王国共有のユネスコ世界複合遺産です。南アフリカ共和国側にあるのがウクハランバ/ドラケンスバーグ公園、レソト側にあるのがセサバテーベ国立公園。断崖絶壁が続く壮大な山並みを楽しめるのは、主に南アフリカ側です。

◆ズールー語とアフリカーンス語
南アフリカ共和国の公用語は11あります。地方ごとに様々な言語があるので、異なる地域の人が会話をするときには、公用語のひとつである英語が便利なようです。ズールー語とアフリカーンス語も、公用語のひとつ。ズールー語は、南アフリカ共和国の東部を中心に定住してきたズールー族の言語。古くからのこの土地の言葉です。現在、その土地は、クワズールー・ナタール州やフリーステート州となっています。一方、アフリカーンス語は移民の言語で、17世紀の移民者が使用していたオランダ語に、フランス語、ドイツ語、英語、さらには東南アジアの言語も混ざっているとされます。

ドラケンスバーグ山脈への行き方

全長1,000kmを越えるドラケンスバーグ山脈ですが、多くの見所は、世界遺産エリアの一部であるウクハランバ/ドラケンスバーグ公園に集中しており、その場所は南アフリカ共和国のクワズールー・ナタール州です。玄関口は、港町ダーバン。ヨハネスブルグ、ケープタウンに並ぶ大都市で、国の東部に位置するクワズールー・ナタール州の最大都市でもあります。ダーバンにはエミレーツ航空やカタール航空が就航しており、日本からの渡航はそれほど複雑ではありません。もちろん、ヨハネスブルグやケープタウンからの国内線も多数ありますので、各地とあわせて訪問することもできます。ダーバンから先は、公共交通機関は殆どなく、車での移動が主です。所要時間は、南部(サウス バーグ)のアンダーバーグや中部(セントラル バーグ)のジャイアンツキャッスル自然保護区へは約3時間~3時間半。北部(ノース バーグ)のロイヤル・ナタール国立公園へは、ダーバンからでもヨハネスブルグからでも約4時間です。なお、慣れない土地でのレンタカー運転はハードルが高いので、旅を安心安全に満喫する為にもツアーへの参加がお勧めです。現地ツアーも多数あります。
※航空機の運航スケジュールは、各航空会社のホームページをご確認ください。

ドラケンスバーグ山脈のおすすめ観光地

ウクハランバ/ドラケンスバーグ公園は、複数の国立公園や自然保護区で構成されています。ここでは、エリアごとのおすすめ観光地をご紹介します。

【南部】サニパス峠を越えてレソト王国へ、絶景ドライブ(ムクホマジ原生自然地域)

アフリカ最高地点のパブ(撮影:ユーラシア旅行社)

ドラケンスバーグ山脈の雄大な景色を手軽に楽しめるのが、サニパス峠へのドライブです。その道のりは、麓のアンダーバーグから約40㎞、その半分が未舗装路です。走行中の揺れは、現地ガイドいわく“アフリカン・マッサージ”!うかうか眠っていられませんので、その分、刻々と変化する景色を見落とすこともありません。標高2,400m付近にビューポイントがあり、ここから眺める景色はまさに天空の絶景。さらに上っていく道中でも、車窓に絶景が広がります。そして、標高2,873mにあるのがサニパス峠で、レソト王国との国境。出入国事務所でパスポートを見せれば、レソト王国に入国です。休憩は、近くにあるサニ・マウンテンロッジがおすすめ。併設されている「アフリカ最高地点のパブ」で、レソト産のマロティビールをどうぞ。時間が許せば、レソト内をさらに15分程ドライブ。そこには、「3,240m」の看板。レソト国内の道路最高地点です。

サニパス峠のレソトと南アフリカの入国看板(撮影:ユーラシア旅行社)

【中部】ドラケンスバーグ周辺の歴史を感じるハイキング(ジャイアンツキャッスル自然保護区)

動物(エランド?)を描いた岩絵(C)Fondazione Passaré(CC BY-SA 3.0)

ドラケンスバーグ山中の洞窟や、岩壁が覆う場所に、数多くの岩絵が残されています。その数は、マロティ – ドラケンスバーグ公園内に3万点以上。これらを描いたのはサン族で、古いものは約4,000年前にまで遡り、19世紀末まで描き続けられてきました。岩絵の歴史的価値が認められた結果、マロティ – ドラケンスバーグ公園は世界自然遺産ではなく、複合遺産となったわけです。
岩絵を見学できる場所で、おすすめのひとつが、ジャイアンツキャッスル自然保護区です。拠点となるキャンプから片道2.5km(約45分)のトレイルを歩くと洞窟があり、内部を見学することができます。岩絵が残されているほか、サン族の生活を再現した様子も見学できます(ガイド同行でないと見学できませんので、ツアーへの参加が必須です)。岩絵を見ることができる場所はここだけに限らず、公園内に点在していますが、場所によって歩く距離や高低差が異なります。訪問する場合には事前の確認が必要です。

人物の岩絵(C)Fondazione Passaré(CC BY-SA 3.0)

◆サン族とは
アフリカ南部で暮らしてきた先住民族で、狩猟採集民族。ヒトの原点にとても近い人々、とする研究もあります。現在、サン族はドラケンスバーグ山脈周辺から去り、彼らの多くは、ボツワナからナミビアにかけて広がるカラハリ砂漠に暮らしています。時代が変わる中で、農耕や牧畜を営みとして定住生活を送る人が多くなっていますが、その生活になかなか馴染めずに困惑する声も多く挙がっているとのこと。

【北部】ドラケンスバーグの名所のひとつ、“アンフィシアター”の絶景を楽しむ(ロイヤル・ナタール国立公園)

アンフィシアター

3,000mを越える山が連なるドラケンスバーグ山脈。それぞれの山には、その姿を象徴する印象的な名前が付けられています。北部のロイヤル・ナタール国立公園には、“アンフィシアター”つまり“円形劇場”と名付けられた絶景があります。アンフィシアターは約5kmにわたって続く断崖絶壁で、高さは約500m。まさしくそれは、槍の障壁で、ドラケンスバーグの名にふさわしい場所のひとつといえるでしょう。この国立公園内には1つだけロッジがあり、ここに宿泊すれば、部屋からアンフィシアターを望むことができます。足に自信がある方は、ぜひハイキングやトレッキングで間近に迫ってみてはいかがでしょうか。複数のコースがあり、3時間ほどのコースでもアンフィシアターに近づくことができ、さらなる迫力を体感できます。ロイヤル・ナタール国立公園は、他のエリアに比べるとやや訪問しにくい場所ですが、その分、圧巻の絶景が待っています。

★おまけ ドラケンスバーグ少年合唱団

ドラケンスバーグ少年合唱団(C) Morné van Rooyen(CC BY-SA 4.0)

中部エリアの町のひとつ、ウィンタートン(WINTERTON)から山の方向へ行くと、全寮制の音楽学校「ドラケンスバーグ少年合唱学校」があります。この学校の生徒たちで構成されている「ドラケンスバーグ少年合唱団」は、知る人ぞ知る合唱団でその実力は「ウィーン少年合唱団」「テルツ少年合唱団」などの世界的に知られている合唱団とも肩を並べると言われています。何度も来日しており、合唱団創立50周年の2017年にも日本ツアーが行われました。もちろん、南アフリカ国内でも積極的にコンサートを開催し、毎週水曜日と土曜日には学校のホールでもコンサートを行っています。近くまで行くのであれば、ぜひ、ドラケンスバーグに響く歌声を楽しんではいかがでしょうか。

おすすめの観光時期

気温面でも天候面でも、バランスがとれているのは4~5月。南半球ですので、季節で言えば秋といった感じです。雨季から乾季への変わり目なので雨に降られる日もあるかもしれませんが、山の緑が潤い、空気中の砂埃は洗い流されます。気温は、ゴールデンウィーク頃の東京と同じくらい。午前中は13~15度程度、日中は20~22度くらいが目安で、ハイキングもしやすい気温です。とはいえ、山の麓辺りで標高が1,000mを越えるような場所に宿泊するなら、朝晩は冷え込みます。また、サニパス峠を越えてレソトへ行く場合も、標高が高くなるにつれ気温が下がります。そのため、4~5月の訪問でも、ダウンジャケットなどの防寒着をお忘れなく。

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