張掖丹霞地貌(七彩山)とは
丹霞地貌とは、切り立った断崖などを特徴とする、赤みがかった堆積岩が隆起した地形を言います。名前の由来は広東省の丹霞山ですが、『丹』は赤や朱色、『霞』は夕焼け等で空が赤く染まることやそれに伴ってできる鮮やかな色の雲を表します。2002年に発見され、2008年により一般公開されたまだまだ新しい観光地である張掖丹霞地貌は、漢の武帝がこの地に張掖郡を置いてからシルクロードの中枢都市として栄え、また元代にはマルコポーロも滞在した張掖市より西へ約40㎞のところに位置します。2400万年前に形成された砂岩やその他の鉱物による堆積、隆起、風化、浸食作用などにより、赤に限らず様々な色や形の岩が形成され、また太陽光により色の見え方が変わることから「七彩山」とも呼ばれています。
また、2009年(日本では2011年)に公開された張芸謀(チャン・イーモウ)監督の映画『女と銃と荒野の麺屋』のロケ地として使われたことから注目が集まりました。
張掖丹霞地貌(七彩山)の行き方、アクセス
甘粛省内の河西回廊に位置する張掖市は、市内に空港がありますが、便数は多くありません。その代わりに、まず省都蘭州まで飛行機で行き(所要時間は北京から約2時間30分、上海から約3時間30分)、蘭州から張掖まで高速鉄道で行くことも可能です(所要時間は約3時間20分)。
また張掖市内から七彩山までは約30㎞離れており、路線バスがあります(所要時間は1時間弱)。なお七彩山風景区内の観光は、シャトルバスでの移動となります。
張掖丹霞地貌(七彩山)のおすすめ観光
北門より入場手続きを終えてから風景区内に入りますが、移動はすべてシャトルバスとなります。反時計回りで4か所の展望台を周りますが、それぞれの展望台で下車し、観光してからまた別のシャトルバスに乗り、次の展望台で下車し観光(各展望台間のバスの移動時間は3分~5分)。最終的に北門に戻ってきます。
七彩仙縁台
北門からバスに乗り、最初に到着するのが七彩仙縁台です。こちらの展望台は階段を上がらなくても、美しい光景をご覧いただけます。まずは『夕暉帰帆』で、夕日に照らされ港に戻って来た帆船を表しているとのことです。
また、頭を左にして眠っている美女を表しているという『睡美人』ですが、皆様にはどのように見えますか?
七彩雲海台
仙縁台からシャトルバスに乗り、数分で七彩雲海台に到着。下車後、坂道を10分ほど上がっていきます。なお甘粛省という場所柄、乾燥地域であるが故、仮に早朝に訪れてもまず雲海は見えないと思いますが、見学者の創造を掻き立てるために「雲海台」という名がついたと信じることにしましょう。上の展望台まで行くとまず目に飛び込んできたのが『七彩飛霞』という光景です。これぞまさしく七彩山を象徴するような斜めにカラフルな地層が入った光景となります。また、おそらくおわかりいただけるかと思いますが、下の写真の奥に見えているのは『赤壁長城』です。
そして『七彩飛霞』の反対側に見えるのが、大きな貝(ホタテ貝といったところでしょうか?)が並んで見えるという『大扇貝』です。
七彩錦綉台
さらにシャトルバスで移動し、七彩錦綉台へ。こちらの展望台からは尾根伝いに歩いていきます。すると遥か先に先ほど見た『赤壁長城』が大きく迫ってきているのがわかります。また360度見渡す限り斜めの地層模様が入った山々をご覧いただくことができますが、その光景は色とりどりの糸で縫い込んだタペストリーといったところでしょうか。
七彩虹霞台
ついに最後の展望台へ移動となりますが、この七彩虹霞台こそがメインの展望台と言っても過言ではありません。シャトルバスを降りた瞬間、虹色の光景が目に飛び込んできます。このままうっとり眺めていてもよろしいのですが、せっかく上の展望台まで行く階段があるので上がってみましょう!上からの景色はスケールの大きさを感じさせてくれますが、色鮮やかさから言えば下からの景色に軍配が上がるかもしれません(あくまでも個人的な意見ですが)。さらに私的意見を述べさせていただきますと、もしお手持ちのカメラにもしパノラマモードがあれば、ぜひパノラマ写真も撮ってみてください。