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台湾の旅で絶対訪れたいおすすめ都市、台中市(後編)

2022 5/09
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台中から一足のばして

彰化

台湾中西部の市で、彰化県の県政府所在地であります。1723年清朝が「顕彰皇化」の意を込めて改称し、県が置かれました。台湾海峡に面する西部海岸平野を流れる大肚渓の南岸にあり、米の集散と製糖が盛んで、貿易の要衝である鹿港が近いことから古くから商業の中心地となりました。また台鉄の台湾縦貫線(海線)と台中線(山線)との分岐点をなしており、交通の要衝でもあります。
★アクセス:台中駅から台鉄で彰化駅まで(所要時間22分)

八卦山大仏

八卦山大仏(撮影:ユーラシア旅行社)

市内の八卦山の中腹に位置するのが1961年に完成した八卦山大仏でありますが、奈良と鎌倉の大仏を模して造られた釈迦牟尼仏の坐像で、全高約24m(像高20m、台座4m)、鉄筋コンクリート造りであります。なお大仏の内部に入ることができ、中には釈迦物語の像があります。また大仏のあたりから彰化の町を一望できます。

大仏あたりから見た彰化の町並み(撮影:ユーラシア旅行社)

扇形車庫

扇形車庫(撮影:ユーラシア旅行社)

1922年に造られ、転車台を中心に12本の車庫線路が放射状に配置され、その先に半円形弧状の車庫がありますが、これも日本統治時代の産業遺産の一つであります。元々台湾には5箇所に扇形車庫がありましたが、他の4箇所は1994年までに解体されました。彰化も1995年に撤去される予定でしたが、地元民や鉄道ファン達が保存運動を行った結果残す事が決定されました。今も現役で使われておりますが、自由に見学することも可能です。そして車庫の中に停車中の蒸気機関車やディーゼル機関車を見ることができ、運が良ければ転車台が動くところを見ることも可能です。ただし現役の車庫のため、パフォーマンスで動かすことはありませんので、何時何分に見られるのかはわかりません。予めご了承ください。

転車台が動くのを見られるか見られないかは運次第(撮影:ユーラシア旅行社)

鹿港

鹿港は台湾西岸の中間に位置しますが、「鹿港」の名が文献上に現れるのは清代の1784年のことであり、この年に鹿港と大陸の福建省泉州との間で航路が開かれ、鹿港の黄金時代が始まりました。19世紀中盤までが鹿港の全盛期であり、人口は約10万人と当時の台湾において第二の都市となっていき、「一府(台南府)、二鹿(鹿港)、三艋舺(台北の萬華地区)」と称されていました。
しかし時代が経つにつれ、港湾に河川の堆積物が堆積することで沿岸部が遠浅となっていったため漁ができなくなり、また日本統治時代に彰化平原の物産の輸送に主眼を置いたため、縦貫線は彰化駅、員林駅を経由することとなり、そのため鉄道輸送網から外れた鹿港の経済的繁栄は終止符を打ち、次第に衰退していきました。現在は昔の趣きを残す古き良き街並みや史跡などを生かした観光や、遠浅となった海を埋め立て新たな工業団地が建設されています。
★アクセス:台中駅からバスで所要時間1時間15分ほど。彰化駅からバスで所要時間45分ほど。

龍山寺

龍山寺の山門(撮影:ユーラシア旅行社)

実は台湾には「龍山寺」と名の付くお寺が5箇所あり、いずれも観音菩薩が祀られています。そのうちの1つが鹿港にあり、1653年に創建され、1786年に現在の場所に移されました。広さは約1600坪。幅は三間で35m、奥行きは四間で約110m、三進二院(全体が「日」の字型になっている合院式建築)という建築様式で、前から山門、五門殿、正殿、後殿の順に並んでいます。五門殿の中央にある戲台の上方には、1831年の改修工事の際に建造された「八卦藻井」と呼ばれる天井があり、演劇の際に音が共鳴する効果があると言われています。また台湾のこのような天井の中では保存状態が一番良い最古の作品だとされています。なお「八卦」の意味は、邪気を鎮め、平安であることの意味があります。

八卦藻井(撮影:ユーラシア旅行社)

九曲巷

九曲巷(撮影:ユーラシア旅行社)

龍山寺の北のエリアにある「九曲巷」はその名の通りくねくねと家の間をぬうように曲がりくねった小径であり、タイムスリップしたかのような情緒にあふれた路地であります。なお迷路のように曲がりくねっているのには訳があり、1.北東からの季節風から強い風(寒さ)や砂の被害を受けないようにするため、2.泥棒や強盗に入られないようにするため、3.魔除け(幽霊はまっすぐにしか歩くことができない)の3つの理由があげられます。

天后宮

天后宮(撮影:ユーラシア旅行社)

台湾には海の守り神である媽祖を祀る廟が数多くありますが、なかでも鹿港天后宮は400年以上の歴史を持つ台湾で最も古い媽祖廟と言われています。1683年に中国福建省から媽祖像を迎え入れられましたが、大陸から媽祖像を直接迎え入れたのはここだけであります。そのため毎日国内外から多くの人たちがお参りに訪れています。建築構造が美しく立派で、古色蒼然とし、彫り物や彩色を施した天井(八卦藻井)は大変独創的です。彩色や木石彫刻はいずれも極めて精密で凝っており、芸術の殿堂とも呼ばれています。

龍山寺同様、天后宮でも八卦藻井を見ることができます(撮影:ユーラシア旅行社)

おすすめスイーツ&グルメ

宮原眼科(台中)

日本統治時代の建物をそのままリノベーションしたスイーツショップ「宮原眼科」(撮影:ユーラシア旅行社)

鹿児島県出身の宮原武熊氏が1927年、台中駅近くに煉瓦建て洋館の宮原眼科医院を開業。収容人員100人、24の病室を構え、市内最大級の医療機関でありました。1945年に中華民国政府に接収され、その後民間人の手に渡り、その間地震や豪雨で被災しましたが、2010年に台中市の人気菓子店「日出」が建物を買い取り、ボロボロだった建物をリノベーションしておしゃれなスイーツショップとなりました。なお、お店の名前はそのまま「宮原眼科」と名付けられ、今では台中の人気観光スポットの1つとなりました。お店の中をのぞいてみると、図書館のような洒落た空間になっていますが、お土産用のパイナップルケーキ、チーズケーキ、クッキー、チョコレートなどが売られています。

図書館風の洒落た店内(撮影:ユーラシア旅行社)
パイナップルケーキ(左)とチーズケーキ(右)はお土産に喜ばれます(撮影:ユーラシア旅行社)

そしてもう1つ人気なのが建物の外にあるアイスクリームショップで、様々なフレーバーがあるのはもちろんのこと、なんと店内で売られているパイナップルケーキ、チーズケーキ、クッキーなどがトッピングできてしまいます。なお日本語のメニュー表もありますので、言葉がわからず悩む心配もありません。

宮原眼科の姉妹店「第四信用合作社」(撮影:ユーラシア旅行社)

また宮原眼科から徒歩5分ほどのところに同じ「日出グループ」の姉妹店で、かつての信用金庫の建物をそのまま用いた「第四信用合作社」があります。こちらにもアイスクリームショップがあり、さらに店内には宮原眼科にはない椅子とテーブルがありますので、ゆっくりと座っておいしいアイスクリームを堪能できます。

第四信用合作社の店内の様子(撮影:ユーラシア旅行社)
台中に来たらぜひ宮原眼科(もしくは第四信用合作社)のアイスクリームをご賞味ください(撮影:ユーラシア旅行社)

天后宮近くの屋台(鹿港)

屋台で売られているエビやカニの唐揚げ(撮影:ユーラシア旅行社)

鹿港の天后宮に行くと必ず目を奪われるのが周辺にある屋台の数々で、とりわけ海も近くにあることからエビ、カニ、カキなどのシーフードの揚げ物を売る店が軒を連ねています。なので鹿港にお出かけの際はお腹を空っぽにして訪れることをおすすめします。屋台で買ったものを食べ歩きながら鹿港をぶらぶらするのもいいですが、椅子に座ってゆっくり食べたい場合は屋台近くに食堂もありますのでご安心ください。

食堂にて、オムレツ(左上)、お好み焼き(右上)、スープ(下)のカキづくし(撮影:ユーラシア旅行社)

阿振肉包(鹿港)

阿振肉包(撮影:ユーラシア旅行社)

そして鹿港のグルメではずせないのが、行列必至の大人気店「阿振肉包」です。肉包とは簡単に言えば「肉まん」のことであります。そしていろいろな種類の肉包が売られていますが、一番人気なのが「原味肉包(豚肉とシイタケの肉まん)」で皮から具まですべて無添加、無香料の完全な手作りのため、素朴ながらも素材の味がしっかりと生きています。

1個からでも購入することができます(撮影:ユーラシア旅行社)

八角排骨便當(台湾の駅弁)

八角排骨便當(撮影:ユーラシア旅行社)

鉄道旅とグルメから連想するもの、それは日本人の私たちからすればおそらく「駅弁」を思い出す人が多いのではないでしょうか。その駅弁は何と台湾にも普通に存在しますが、これも日本統治時代の名残であります。ただ日本の駅弁と異なるのは、台湾の場合は温かい状態で販売されるので、買ってからすぐであればホカホカ状態で食べることができます。そんな台湾の駅弁の中でも1、2位を争うのが「八角排骨便當」で、ご飯の上に大きなタレ付きの豚肉、煮卵、野菜、干豆腐などが乗っています。なお上の写真は台鉄特急「自強号」の車内のものですが、古い車両であったためテーブルがなく、自分の膝の上に乗せて食べました(昔の日本の列車も皆そうでしたね)。もちろん高鉄(新幹線)や台鉄の新型特急車両にはテーブルがついています。

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