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~平和への祈りとともに~歴史と文化と自然が調和する国ベラルーシ

2021 8/17
目次

ベラルーシとは

汚染した土地を有効活用する菜の花(撮影:ユーラシア旅行社)

東欧の内陸、ポーランドやウクライナ、リトアニアなど5か国と国境を接するベラルーシ共和国は、日本の約半分の国土面積を持ち人口はおよそ940万人。氷河期により形成された広い平地が特徴で、多くの湖と豊かな原生林が今もなお残っています。また、スターリン時代の建築物や壮大な要塞などでも知られています。 9世紀のキエフ・ルーシの一部だったポロツク公国が始まりとされ、バルト海と黒海を結ぶ通商路として繁栄しました。その反面、有史以来モンゴルの侵攻にはじまり13世紀には隣国リトアニアによる併合、ポーランドやロシア帝国による支配などもありました。また、第二次世界大戦下ではナチス・ドイツとソ連による戦闘の激戦地となり、一時首都ミンスクは壊滅状態となりました。戦後はソ連主導のもと復興が行われたため、広い通りに重厚な建物が立ち並び「ソビエトのテーマパーク」と呼ばれたことも。旧ソ連の崩壊後1991年遂に独立を宣言し、現在のベラルーシ共和国が誕生します。近年では空港で出入国をすれば30日間ビザが免除されるなど、渡航しやすい環境が整いつつあり、日本からの注目もさらに高まっています。

ベラルーシへのアクセス、行き方

日本からベラルーシへは直行便がないため、パリやフランクフルト、ワルシャワなどのヨーロッパ各都市で一度乗り継ぐ必要があります。飛行時間は航空会社と乗り継ぎ時間により異なりますが、約12~14時間。なお、ロシア経由ベラルーシ行きの便はロシアで出入国審査を受ける必要があり、事前にロシアの通過査証の取得が必要です。

※最新情報は在ベラルーシ日本国大使館の情報をご確認ください。

ミンスク国際空港は中国の資本をもとに建設され、案内に中国語も表記されているため、馴染みのある漢字がわかりやすく感じるかもしれません。空港からミンスクの市街まではバスで1時間ほど、ミンスク駅の隣にある中央バスターミナルに到着します。

首都ミンスクのおすすめ観光スポット5選

聖霊大聖堂

聖霊大聖堂

ミンスクには現在およそ190万人の人々が暮らし、ヨーロッパで最も美しい都市のひとつと称されています。白亜のバロック様式のこの教会は、1642年にカトリックのベルナルディン修道院の教会として建てられましたが、ミンスクが帝政ロシア領になった後の1852年にロシア正教の教会になりました。内部には数々のイコンが飾られており、その中で最も有名なものが祭壇向かって左側にかけられた『ミンスクの聖母』です。1482年に現キエフがモンゴルに襲われた際、このイコンは川に投げ捨てられたのですが、なぜか上流のミンスクへ流れ着いたとか。以来、奇跡を起こすイコンとして信じられているそうです。スヴィスラチ川を見下ろす小高い丘にたつ壮麗な大聖堂は、それだけでも一見の価値があります。

勝利広場

勝利広場

独立通りとザカラウ通りが交差する位置にある1947年に建設された勝利広場は、ミンスク市の中心部にあり重要なランドマークとして市民の憩いの場となっています。広場には花崗岩でできた高さ40メートルの、旧ソ連時代の第二次世界大戦の勝利を記念して設けられたオベリスク(記念碑)が立ち、その台座部分には金属製のモザイクリリーフがついています。台座の4つの側面には、1945年5月9日の「大祖国戦争中のソビエト軍」「ベラルーシのパルチザン」「解放のために命を捧げた英雄への名誉」の内容が記され、侵略者から国を開放するべくベラルーシ軍の勇壮な戦いの歴程が表現されています。また、オベリスクの周りの4つの青銅の花輪は、4つの戦線を意味します。タイミングが合えば、ベラルーシ陸軍士官学校の士官候補生による、取り付け式も見ることができます。

トラエツカヤ旧市街区

トラエツカヤ旧市街区(撮影:ユーラシア旅行社)

聖霊大聖堂から北方へ進み、スヴィスラチ川にかかる橋を渡ると、トラエツカヤ旧市街区が見えてきます。この地域も戦争で焼け野原になりましたが、1980年代に学生ボランティアらの手によって戦前の商家など古いベラルーシの街並みがそっくり復元されました。「トラエツカヤ」とは、「聖三位一体」の意味で、かつてここにあった教会に由来した名称です。現在はカフェや土産物屋が並び、三角屋根の家々と石畳の小路がつづくかわいらしい街並みが楽しめ、夜になっても地元の人々や観光客で賑わいをみせています。近くにはソ連時代のアフガニスタンの戦争で亡くなった人々を悼む「涙の島」の慰霊碑も立っているので、そちらにもぜひ足を運んでみて下さい。

聖シモン・聖エレーナ教会

 聖シモン・聖エレーナ教会(撮影:ユーラシア旅行社)

ミンスク駅を北へ200mほど歩くと、国会議事堂などがある独立広場が見えてきます。そこに隣接しているローマ・カトリック教会が聖シモン・聖エレーナ教会。「赤い教会」とも呼ばれています。著名なポーランドの地主、市民活動家でもあったエドヴァルド・ヴォイニロヴィッチ(1847-1928)によって1910年に建てられ、彼の亡くなった二人の子供たち、シモンとエレーナを追悼して名付けられ献堂されました。 教会の外には戦争によって亡くなった方々への慰霊の証として長崎の浦上天主堂から贈られた「長崎の鐘」があります。鐘の下には記念碑と共にカプセルが置かれ、その中に被爆地である広島・長崎、そして東日本大震災の被災地の福島の土がそれぞれ眠っています。

【ベラルーシと日本の関係】1986年に隣国ウクライナで起きたチェルノブイリ原発事故は、ベラルーシにも大きな汚染被害をもたらしました。ミンスク市と仙台市は姉妹都市関係を結んでおり、東日本大震災及び福島原発事故以降、仙台や福島の子どもたちのベラルーシ訪問など、民間交流が活発化しています。

大祖国戦争史博物館

ベラルーシに甚大な被害をもたらした第二次世界大戦(ソ連では大祖国戦争と呼ばれた)に関する博物館。戦時中の1943年に創設されました。戦況の経過に沿って、10か所の展示コーナーを順に見学していきます。2014年に勝利広場に移設され、一部の展示も一新されました。博物館の規模は大きく、当時使用された戦車やヘリコプター、爆撃機など展示されている兵器ほとんどが実物です。国内だけで300万人もの命が失われ、その中にはナチス・ドイツに立ち向かった5万人以上のパルチザンや地下組織の人が含まれているそうです。ミンスク郊外にあった、規模的には4番目に大きかったと言われるトロステネッツ強制収容所の写真などもあり、ユダヤ人のホロコーストについてなど展示は多岐にわたります。戦争を追体験するような残虐さを伝える写真も多く、思わず目をそむけてしまうかもしれませんが、最後まで見学することで平和の大切さをあらためて実感し、そして戦争や歴史について様々な角度で考えるきっかけになるかもしれません。

ポーランドとの国境の町ブレスト

ブレスト要塞 100mのオベリスク(撮影:ユーラシア旅行社)
ブレスト要塞 巨大な兵士のモニュメント(撮影:ユーラシア旅行社)

ミンスクから列車で3~5時間ほどで行くことができるブレストは、ポーランドとの国境付近にある町です。第一次世界大戦時にロシア(旧ソ連)とドイツが結んだ、ブレスト・リトフスク条約でその名を歴史に刻んでいます。19世紀にブ―ク川の中州にある中世の城を改築し造られた星形のブレスト要塞は町のシンボル的な存在。1941年6月に始まったナチス・ドイツによるソ連侵攻(バルバロッサ作戦)の際、国境付近にあるブレストは戦火に飲み込まれましたが、ブレスト要塞では孤立しながらも守備軍がドイツ軍を苦しめました。それによりブレストは「英雄都市」の称号を受け、今なお第二次世界大戦における勝利の聖地として知られています。ホルムスク門には、ドイツ軍による銃弾の生々しい跡がそのまま残っています。市内には国境付近にある町ならではの、税関で押収された美術品を集めた税関押収品博物館もあり、秘密裏に持ち出すため切断されたイコンの展示など、興味深い品が並びます。観光の対象となる中心部は、徒歩とトロリーバスを使用すればコンパクトに見学することが可能です。

ベラルーシの世界遺産

ミール城

ミール城(撮影:ユーラシア旅行社)

ベラルーシには計4つの世界遺産があり、そのうちの1つに2000年に文化遺産として登録されたミール城があげられます。ミンスクの南西約90kmにあるニャースヴィシュの町からさらに北西約30kmの場所にある、5つの塔を持ちレンガの褐色が美しいこの城は、16世紀前半に地元の有力者であるユーリ・イリイーニチにより築かれましたが、彼の死により未完のままでした。その後1579年にルネサンス様式の要素を加え改築されました。その際、もとの城壁の高さは13mで厚さも3mありましたが、北側と東側の壁は内側に建てられた3階建ての宮殿の外壁に吸収されてしまいます。正面中央の建物と右側の塔のみ、もともとのゴシック様式の特徴が残りました。17~18世紀の戦火で破壊され、1812年に再建されましたが、第二世界大戦でも被害を受けています。現在は修復され博物館として公開されています。

ネスヴィジ城

ネスヴィジ城(撮影:ユーラシア旅行社)

ベラルーシの中西部ネスヴィジの町にあるネスヴィジ城(宮殿)は、16世紀~1939年までリトアニアやポーランドで勢力を振るったラジヴィウ家の本拠地でした。ヨーロッパの歴史や文化において重要な役割を果たしたことを評価され、2005年に世界文化遺産に登録された「ラジヴィウ家の建築的・居住的・文化的複合体」に含まれ、ベラルーシを代表する観光スポットの一つです。1582年にもとからあった中世の城をルネサンス様式やバロック様式に改築し、1604年に完成しました。10の建造物で構成された城郭建築物であり、それぞれが内部で繋がり全体が1つの建物として、6面の中庭を取り囲むように設計されていて、そのスケール感には圧倒されます。また美しいイギリス式庭園も見逃せません。ミンスクからは本数は少ないもののバスが出ていて、1時間半~3時間ほどで向かうことができます。

ベラヴェジの森

ミンスクから約340km、ベラルーシ西部のブレスト州に位置し、ポーランドとまたがる約1万7000ヘクタールの自然保護区であるベラヴェジの森は「ヨーロッパ最後の原始の森」と呼ばれ、1992年にユネスコ世界自然遺産に登録されました。広大な森林地帯には手つかずの自然がそのまま残っていて、決められた散策ルートを歩けばまるでファンタジー映画の中にいるような錯覚を覚えます。野生では一度絶滅したヨーロッパバイソンを、ここでは野外飼育を行い現在では300頭近くにまで数を回復させました。他にもオオカミやオオヤマネコ、鹿をはじめ実に500種以上の動物が生息し、その貴重な姿を間近で観察することができます。レストランやホテルもあるので宿泊滞在が可能で、敷地内にはマロースじいさん(ロシア版のサンタクロース)の家もあり、クリスマスシーズンには多くの子どもたちが訪れ、大人には子どもの頃のロマンがよみがえってくることうけあいです。

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