アズレージョとは?
アズレージョの歴史
ポルトガル各地で幅広く見られる青いタイル。表面に絵柄が描かれているものが多く、芸術としても確立されています。その歴史は古く、中世にアフリカ大陸からイベリア半島に渡ってきたイスラム教徒たちが持ち込んだ装飾タイルに起源を持ちます。初期のアズレージョはアラベスクなど抽象的な線形美術で装飾されました。しかし、17-18世紀にかけて技術の進展とポルトガル独自のアズレージョの発展により、徐々に人物や風景などの絵が描かれたアズレージョが増えていき、今日に至っています。
今でも地元の人は好んでアズレージョを外壁を中心に家の装飾に用い、また、ポルトガルを訪れる観光客にとってもみどころの一つ、お土産の一つとして人気を博しています。
アズレージョの作り方(製法)
伝統的なアズレージョの作り方は、まず初めに素焼きのタイルに下書き(下絵)を施します。具体的には、トレーシングペーパーに鉛筆で下絵を描き、それをタイルの上に載せて線に沿って穴を開け、炭などをその穴に通してタイルに下絵を反映させます。その下絵に沿って釉薬を塗っていき、約1000度の窯で焼き上げて完成です。
もちろん近代に入ってから工場で大量生産されているアズレージョもありますが、ポルトガルを訪れた時に見たり、買ったりするものは職人手作りのものが良いですね。
ポルトガルで是非見たい、アズレージョ5選
ポルトのサンベント駅
ポルト歴史地区の中心部に位置するサン・ベント駅は、約100年前に建てられた駅です。ポルトガル北部の地方路線が多く発着する駅ですが、ポルトガルを代表する美しいアズレージョ・スポットとして知られ、”世界一美しい駅”と言われる事も。駅に一歩踏み入れれば、そこには鮮やかなアズレージョが壁面いっぱいに広がっています。描かれている絵柄はポルトガルの歴史に纏わるものが多く、列車に乗らずとも訪れる価値のある駅です。
ピニャオン駅
歴史的ワイン生産地域として、世界遺産にも登録されたアルト・ドウロ地方。その中に位置するピニャオン駅には、青と黄を組み合わせ、アルト・ドウロ地方の象徴であるワイン生産(ブドウ栽培から収穫、醸造)をテーマにしたアズレージョが駅舎いっぱいに飾られています。
オビドスのポルタ・ダ・ヴィラ
城壁に囲まれたオビドスの町のメイン・ゲートでもあるポルタ・ダ・ヴィラ。一歩踏み入れると、キリストをモチーフにした鮮やかなアズレージョが迎えてくれます。
ポルトのアルマス教会
サンベント駅と同じくポルトの歴史地区に位置するアルマス教会は、18世紀に建造された教会(礼拝堂)で、聖女カテリーナに捧げられています。目を引くのが、外壁一面を覆うアズレージョで合計16,000枚ものタイルで360度覆われています。アッシジの聖フランチェスコと聖女カテリーナの物語が描かれています。
アヴェイロ駅
運河の町として知られるポルトガル中部のアヴェイロ。白亜の駅舎の外壁に鮮やかな対比を描く青のアズレージョが飾られています。アヴェイロならではの運河の町としての風景や歴史をテーマにしたアズレージョは必見です。