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壮大な自然のスケールを実感!ペリト・モレノ氷河(パタゴニア/アルゼンチン)

2022 3/07
目次

ペリト・モレノ氷河とは

大迫力!ぺリト・モレノ氷河(撮影:ユーラシア旅行社)

ぺリト・モレノ氷河とは

ぺリト・モレノ氷河は南米最南端のパタゴニア地方、ロス・グラシアレス国立公園に位置する大氷河です。標高約200mにありながら後退せず、1日あたり最大2mの速度で動いている氷河です。全長約35㎞、高さ60~80m、水深100m超、先端幅5.5m、総面積257㎢です。1877年に周辺の調査協力に尽力したアルゼンチン人学者、フランシス・モレノ氏を称えて命名されました。

パタゴニア地方とは

アルゼンチンとチリに跨る、コロラド河以南、フエゴ島南端までの全域を示し、南緯38~55度にいたる1800㎞の南北間のエリアをいいます。面積は78万8千㎢でアルゼンチン全土の30%を占め、日本の約3倍の広さを持ちます。

1520年、大航海時代の冒険家・マゼランが現在のサンタクルスに上陸し、初めてパタゴニアに足跡を残したヨーロッパ人となっています。そのマゼランがこの付近に住んでいた先住民を見て、パタゴン(大足)族と名付け、パタゴン族の住む土地ということからパタゴニアという名が付きました。雄大なアンデス山脈をはじめ、数々の特有の動植物みることができ、地下には石油や天然ガスなど豊かな資源が眠る希望の大地です。

ロス・グラシアレス国立公園とは

1937年最初に国立公園に制定され、その後、何度か拡張していき、1981年にユネスコ世界自然遺産に登録されました。面積は7269㎢(東京と千葉県を合わせたくらい)でそのうち2600㎢は氷に覆われています。大西洋に注ぎ込む13の氷河を含む、47の大きい氷河と200の小さい氷河を持ちます。南極、グリーンランドに次ぐ氷河面積で、比較的冬の最低気温が高いので、より活発な氷河を見ることができます。この国立公園を代表する氷河がペリト・モレノ氷河です。

※豆知識コラム
・氷河ができるまで
まず大西洋から吹く偏西風がアンデス山脈にあたって、雪を降らせます。この辺りでは夏でも気温が低く乾燥しているので、冬に降った雪が夏になっても解けずに残り、この繰り返しで雪は上に積もる雪の重みで押しつぶされて、密度や高度を増していきます。さらに融解と再氷結を繰り返すと氷河氷の結晶となって固まります。そしてこの氷が谷を埋め、両側の山を少しずつ削りながら動き、降り積もった雪の層は幾重にも重なり、何千、何万と気の遠くなるような歳月が年齢のように刻まれていくのです。

・氷河が青いのはなぜ
雪の結晶は空気をたくさん含み、光を通して白色に見えます。圧縮されて少し空気が抜けると雪になったり、普通の水に戻るがまだ空気を含んだものは白色です。そして更に圧縮、空気が抜けると氷河になります。これは空気を含まないため、光を通さず湖の青色を照り返し、青色に見えるのです。

ペリト・モレノ氷河への行き方、アクセス

まずは拠点となるエルカラファテの町に行く必要があります。日本からは、アメリカ、ヨーロッパ、中東経由でアルゼンチンのブエノスアイレスへ、そしてエルカラファテ空港へ空路で向かうのが一般的です。エルカラファテの空港からは市内までは車で20分ほどで、シャトルバスも出ていますが倍ほど時間がかかります。市内からはツアーに参加する、あるいはレンタカー又はタクシーで行く、バスターミナルより公共のバスで行くなどの方法があります。車の場合、2時間弱ほどで到着です。

カラファテとは?
町の名前にも使われているカラファテはメギ科のブルーベリーのような実をつける植物です。アイスやジャムにも加工されており、至る所でその姿を見ることができます。「カラファテの実を食べると、再びパタゴニアに戻ってくる」といわれており、再訪したい方は是非見つけてほしい植物の1つです。

ペリト・モレノ氷河観光の必見スポット

展望台

展望台からの眺め(撮影:ユーラシア旅行社)

ペリト・モレノ氷河が堪能できる一番の観光スポットです。食堂や売店、お土産屋もあり、ビジターセンターのような施設もあります。道は遊歩道になっていて、きちんと整備されているので、歩きやすいですが、横に広くなっておりいくつかのルートに分かれています。最も大きな展望台へは緩やかなスロープになっていますが、他のルートには階段もあり、少々ハードな遊歩道もあります。高さも異なっているので、どの目線から氷河を見たいか、どのくらい近くで見たいのかで選ぶルートも異なってくるかと思います。崩落が見られたらラッキーです。

氷河崩落シーンの動画
複数のルートがある展望台(撮影:ユーラシア旅行社)

・氷河の崩落を見る・撮るコツは?
時期としては夏の1~3月頃が見やすいといわれています。しかしながら夏の時期でも崩落を見ることができるかどうかは運次第です…そこで何点かポイントを紹介します。
1.小さな欠片が落ちるのを見逃さない
氷河の崩落の音が聞こえるのは、崩落が起きた後なので、音を聞こえた方向を見ても、残念ながらすでに遅いことがほとんどです…大きな崩落の前兆ともいえるパラパラッと欠片が落ちた部分では崩落が起こる可能性が高いです。
2.人が集まっているところに行ってみる
多くの人が集まっていたり、何か感じ取っているような人のところに目を向けると、効率よく崩落を見ることができるかもしれません。
3.1か所ではなく全体を見る
崩落場所の見当が全くつかない時には、全体が見える展望台のポイントから、眺めてみましょう。周りの人々の反応も含め、万遍なく眺めていると何か違いや異変に気付くことができるかもしれません。
4.カメラは連写モードに設定しておくこと
5.三脚があればポイントを絞り、ひたすら待つ

ペリト・モレノ氷河の氷上トレッキング(年齢制限あり・65歳以下)

ペリト・モレノ氷河の氷上トレッキング (撮影:ユーラシア旅行社)

世界各地で眺めることができる氷河ですが、実際歩くことができる場所はほとんどありません。圧倒的スケールの氷河の上は想像以上のもので、遠くで見る氷河とはまた違った美しさを味わうことができます。アイゼンの装着の仕方がわからなくても、ガイドさん達がアイゼンを履かせてくれますので、ご安心を。まずは歩き方の練習を行います。横歩きは危ないので、足を開いて体重をかけて歩いていきます。ザクザクっと氷河をかみしめながら、歩いていくと、点在するクレバスの真っ青な亀裂からチョロチョロと水が溶けていく音が聞こえるかもしれません。危険な部分もありますので、ガイドさんの指示に従って進みましょう。ツアーによっては最後に氷河の氷を使ったオンザロックで乾杯できるかもしれません。

アイゼン装着(撮影:ユーラシア旅行社)

アルヘンティーノ湖の氷河クルーズ

間近に迫るスペガッツィーニ氷河(撮影:ユーラシア旅行社)

アルヘンティーノ湖は、面積1560㎢、琵琶湖の約2倍のアルゼンチンで最大の湖です。ペリト・モレノ氷河はこの湖に流れ込んでおり、カラファテの町は湖の南岸に位置しています。南パタゴニア氷原にある多くの氷河から溶けた水などが湖を形成し、氷河が削った山の鉱物が水に溶け込んでいて、水の色が青白くなっています。 アルヘンティーノ湖のクルーズでは、主にウプサラ氷河、スペガッツィーニ氷河を見ることができます。ウプサラ氷河は国立公園内で最大の大きさで、氷河全体の大きさは760㎢です。陸路では近づけないくらい氷河に近づけるところや、氷河周辺の流氷を見ることができるのもクルーズの魅力です。スペガッツィーニ氷河は、先端部の高さが最も高く、最高部では135mにも達します。のんびりと船上から氷河の大きさを体感してみてください。

流氷の”青”が美しい/アルヘンティーノ湖の氷河クルーズにて(撮影:ユーラシア旅行社)

氷河博物館

氷河博物館(撮影:ユーラシア旅行社)

2011年にオープンし、パタゴニアの氷原の模型や氷河のでき方、氷河の大崩落のニュース映像などを見ることができ、氷河やパタゴニアについての知識を深めることができる場所になっています。アルゼンチンで最も有名な雪氷学の学者であるオーストリア出身のペドロ・スパルガ氏の長年における研究の展示も見どころです。また、ユニークなアイスバーもあり、コートとミトンを借りて、壁も椅子もすべて氷でできたバーでドリンクを楽しむことができます。-10度の世界を味わってみてはいかがでしょうか。

アイスバーにて(撮影:ユーラシア旅行社)

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