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世界三大運河のひとつ、パナマ運河

2022 3/07
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パナマ運河とは

世界三大運河のひとつ、パナマ運河(撮影:ユーラシア旅行社)

世界の三大運河の一つであるパナマ運河は、太平洋と大西洋(カリブ海)を結ぶ全長80㎞の運河。パナマ運河が造られる以前は、アメリカの東海岸から西海岸に行くために、南アメリカの南端をまわらなければならず、約13,000㎞も遠回りをしていました。そのため、パナマ運河は海上貿易において、重要な航路となっています。スエズ運河を造ったフランス人セレップスが1880年に着工し、途中で建設を断念。しかし、経済・軍事的理由から運河を必要としていたアメリカが1904年から建設を始め、1914年8月15日開通に至り、1999年12月31日にアメリカからパナマに完全返還されました。
太平洋側からミラフローレス閘門、ペトロミゲル閘門、ガトゥン閘門と3つの閘門があり、これらが水のエレベーターの役割を果たし、船舶を海面から海抜26mの位置まで引き上げ、カリブ海側と太平洋側の間の船舶の通行を可能にしています。パナマ運河の通航料は、船種や船舶の積載量、船の長さなどに基づきパナマ運河庁が定めています。平均して一隻600万円ほどです。最低金額は1928年に泳いで渡った人物36セントだったようです。

【パナマ運河拡張プロジェクト】
2007年、コンテナ船の大型化、そして処理能力が許容範囲を超える懸念から、ミラフローレス閘門の南西側(ココリー閘門)とガトゥン閘門の東側(アグア・クララ閘門)に新たな第3閘門をそれぞれ建設する計画がスタートしました。2016年にこの拡張パナマ運河は通行可能となり、パナマ運河を通過できる船舶の範囲が大幅に拡大しました。パナマ運河通過可能な最大のサイズを『パナマックスサイズ』と呼びます。閘門のサイズにより、通過する船舶のサイズは、全長:294.1メートル、全幅:32.3メートル、喫水:12メートル、最大高:57.91メートル以下に制限されていましたが、2016年6月26日の拡張工事完成後は、それぞれ最大全長:366メートル、全幅:49メートル、喫水:15.2メートルまでの航行が可能となりました。
※喫水とは、船の最下面から水面までの距離のこと。

パナマ運河の場所は?

パナマ運河は北アメリカ大陸と南アメリカ大陸を結ぶ、パナマ共和国のほぼ中央に位置しています。見どころが充実しているミラフローレス閘門へは、首都のパナマ・シティから市内バスまたは地下鉄を使って、約30分前後で行くことができます。クルーズに参加したい場合は、パナマ・シティのバルボア港へ行くのが良いでしょう。

パナマ運河クルーズ

パナマ運河クルーズ(撮影:ユーラシア旅行社)

パナマ・シティのバルボア港から終日又は半日のパナマ運河クルーズがでています。それぞれの閘門に到着すると、鋼鉄の水門の開閉や水が徐々に溜まっていき、船ごと持ち上げられ、視線が高くなっていく様子など、閘門の構造を実際に体感できます。

【終日クルーズ】所要時間は約10~11時間。太平洋から大西洋まで、3つのすべての閘門を訪れます。
【半日クルーズ】所要時間は約5~6時間。太平洋側のミラフローレス閘門、ペドロ・ミゲル閘門のみ訪れます。
両ツアーともにパンアメリカンハイウェイの一部である全長1800mのアメリカ橋や日本人も建設に参加した斜張橋のセンテナリオ橋など、閘門以外にも見どころが多くあります。

ミラフローレス閘門

ミラフローレス閘門(撮影:ユーラシア旅行社)

2段階の水門があり、閘門内の水量を増やすことにより、1回で約8分で8m上昇します。閘門にはビジターセンターが設けられ、展望テラスもあるので、船からではなく、閘門からも水位の変化がよく見え、閘門の仕組みがよくわかります。まるで博物館のようなパナマ運河についての基本的な展示もあるので、観光客から人気のスポットです。

新アグア・クララ閘門

新アグアクララ閘門(撮影:ユーラシア旅行社)

2016年6月26日に完成式典が行われ、運用開始。この閘門は長さ427m、幅55m、深さ18.3mの大プールが3連あり、大西洋とガトゥン湖の高低差26mを克服しました。水門は高さ26m~33mのスライド式で、貯水槽を設けて、水の再利用を可能にしました。ビジターセンターもあり、シアタールームでパナマ運河に関する映像をみることができます。またカフェでくつろぐことも可能で、運が良ければ展望台から、船が通行する様子も見ることができます。

ガトゥン閘門

ガトゥン閘門(撮影:ユーラシア旅行社)

大きなビジターセンターではないですが、展望エリアが通過する船と近いので、じっくりと観察したい方には向いています。そしてこの閘門は唯一日本人で運河建設に関わった青山士さんが設計に携わっています。彼は1904年に末端の測量士として、運河建設に従事し、技術と勤勉さが評価され、ガトゥン工区の副技術師長にまで昇進しました。

ガトゥン閘門を眺める展望所から(撮影:ユーラシア旅行社)
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