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ヴラド三世(串刺し公)、ドラキュラ伝説を追ってルーマニアへ

2021 5/06
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吸血鬼ドラキュラとは?

イメージ(C)Helgi Halldórsson

元々地方の伝承としては存在していた吸血鬼伝説を世界的に広めたのが1897年に発表されたアイルランド人作家ブラム・ストーカーの小説「吸血鬼ドラキュラ」。何度も映画化され、黒いマントを羽織って、尖った犬歯で若い女性の首元に噛みつくイメージは不動のものになりました。
物語では、ドラキュラ伯爵の居城があるのがルーマニア中部のトランシルヴァニア地方です。作者のストーカーがこの舞台設定を選んだのには理由があります。怪物ドラキュラのモデルとなった15世紀の君主ヴラド三世がこの地方を治めていたからです。ヴラド三世とはどのような人物だったのか、そしてルーマニアに残るヴラド三世やドラキュラゆかりの地を紹介します。

ドラキュラのモデル、
ヴラド三世(ツェペシュ=串刺し公)

作者不詳「ヴラド三世(串刺し公)の肖像」

東から迫るオスマン帝国と対峙するヨーロッパの最前線ハンガリー王国との間で揺れる現ルーマニアの一角にあるワラキアを治めていたのがヴラド三世の父、ヴラド・ドラクル公でした。ドラクルは「竜の騎士団」に由来し、ヴラド三世はドラクルの子という意味の「ドラクラ(即ちドラキュラ)」と呼ばれるようになりました。
ヴラド三世は成人すると暗殺された父の跡を追ってワラキアの統治を目指します。その過程で時に捕縛され、治世も三回に分断されたものの、多くの戦いに身を投じ、厳しい時代を駆け抜けました。
そんなヴラド三世に「串刺し公」というあだ名がつくようになったのは、捕らえたオスマン兵(一部身内という話も)を串刺し刑で処刑し、それを並べた事に由来しています。その残虐な様が伝承とともに誇張され、歴史上でも最も残虐な人物の一人として名を残すことになりました。この辺りが「吸血鬼ドラキュラ」の作者ストーカーを刺激したのかもしれません。
尚、ルーマニアでは周囲の対外勢力に対して国の為に戦い抜いた英雄として親しまれています。もちろん人の血を吸ったという記録はありません。

テオドール・アマン作「ヴラド三世(串刺し公)とトルコ外交団」

ドラキュラ伝説残るトランシルヴァニア地方への行き方、アクセス

ドラキュラ伝説ゆかりのヴラド三世の生誕地シギショアラ、ドラキュラ城とも呼ばれるブラン城があるブラショフまでは、ルーマニアの玄関口となる首都ブカレストから鉄道かバスで向かう事が出来ます。所要時間は車でも電車でも大きな差はなく、ブラショフまで約2時間、シギショアラまで約5時間です。

ヴラド三世の生誕地、シギショアラ

ルーマニアの中央部に位置するシギショアラは歴史ある古都で、世界遺産にも登録されています。この項ではヴラド三世とドラキュラゆかりの場所をご紹介します。

ヴラド三世の生家

ヴラド三世(串刺し公)の生家(撮影:ユーラシア旅行社)

1431年にヴラド三世(串刺し公)が生まれたとされる家。実はシギショアラでも現存する最も古い建築の一つ。内部は時代を経て改装されており、今現在はレストランとして食事をする事ができます。壁にはヴラド三世(串刺し公)のポートレート、そして銅像も見られます。

ヴラド三世(串刺し公)の生家内部(撮影:ユーラシア旅行社)

時計塔

シギショアラの歴史を見つめて来た時計塔(撮影:ユーラシア旅行社)

高さ64メートルにも及ぶシギショアラのランドマークでもある時計塔。元々は城塞の一部として街の防衛の要として建てられました。その姿は街のどこから眺めても確認できるとさえ言われています。現在は内部が博物館になっており、上まで登ればシギショアラの大パノラマを眺める事が出来ます。

歴史地区の町並み

世界遺産シギショアラの町並み(撮影:ユーラシア旅行社)

12世紀頃からドイツのザクセン人の植民によって形成されたシギショアラの町並みはドイツのそれを思い起こさせます。城塞都市として中世を通してあたり一帯で一番重要な都市としての地位を保ち、発展を続けました。

ドラキュラ城とも呼ばれるブラン城(ブラショフ)

ドラキュラ城とも呼ばれるブラン城(撮影:ユーラシア旅行社)

ブラショフの郊外に建つ13世紀建造の城。狼がいそうな森に囲まれて佇むブラン城は、まるでドラキュラの小説や映画からそのまま飛び出してきたかのような外観です。近代以降はドラキュラ伯爵の城のモデルとも持て囃されましたが、実際にヴラド三世がここに住んでいたという史実はないようです。ただ領内には位置していたので、まるっきり無関係という訳ではなく、今もドラキュラ伯爵の城の面影を求めて多くの人がこの城にも足を運んでいます。

ブラン城のお土産物屋さんにて(撮影:ユーラシア旅行社)

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