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知れば知るほど面白い!自然と歴史がつまった宝島、甑島列島(鹿児島)

2021 5/05
目次

甑島列島とは

クルージングの船から見た甑大明神(撮影:ユーラシア旅行社)

甑島列島とは、東シナ海に浮かぶ鹿児島県薩摩川内市に属する有人島3島(上甑島・中甑島・下甑島)と多数の無人島からなる列島のこと。従来、「こしきじま」という呼称でしたが、薩摩川内市が国土地理院に申請し、2014年8月に「こしきしま」と呼称が変更。島の名前についている『甑』とは、竹や木で作られた蒸籠(せいろ)と同じく蒸す調理の際に用いる古代中国を発祥とする底に穴が開いた米などを蒸すための土器のこと。上甑島から中甑島へ移動する際の甑大明神大橋の東側にある甑の形をした巨石をご神体としたことが島の名前の由来です。
※甑島列島は、2004年(平成16年)10月12日に甑島郡内の8町村と九州本土の川内市が合併し「薩摩川内市」となりました。

甑島列島の場所とアクセス

甑島列島は、鹿児島の薩摩半島の西側付け根あたりにある薩摩川内市を流れる川内川河口から西に約26㎞~35㎞。串木野市からは西に約45㎞の沖合にあります。薩摩川内市の川内港または串木野市の串木野新港から、甑島商船が運航する高速船またはフェリーにて上甑島または下甑島へ渡ることができます。高速船やフェリーは、当日でも空きがあれば乗船可能ですが、事前予約していくことをお勧めします。
※船の運航スケジュールの最新情報は甑島商船公式サイトをご確認ください。

遠方から空路で移動してくる際の最寄り空港は、鹿児島空港です。鹿児島空港へは主要空港から日本航空(JAL)や全日空(NH)が就航しています。鹿児島空港から川内港または串木野新港までは、直通バスはありませんので、空港から川内駅(約1時間10分)まで運行されているバスで移動し、そこから川内港または串木野新港行きのシャトルバスへ乗り換える必要があります。
※川内駅は九州新幹線が停車しますので、九州域内から移動の場合、新幹線で向かうこともできます。
※時期や情勢によっては、減便の可能性がございます。航空機の運航スケジュールは、各航空会社のホームページをご確認ください。

車(レンタカー)で移動の場合、鹿児島空港から川内港までは、約1時間30分または串木野新港までは、約1時間10分。川内港には専用無料の駐車場(基本的に高速船利用者または利用者の送迎の場合のみ使用可)があります。串木野新港には公共の無料駐車場が近くにあります。フェリーのみ、車も乗船させることができます。

甑島島内では、路線バスも運行されていますが、フェリーの時間に合わせて運行され、本数も非常に少ないので、効率よく島を観光するにはレンタカーで巡る必要があります。レンタサイクルなどもありますが、甑島は平地が非常に少ないので、ホテルがある集落を巡るには便利ですが、遠出には不向きです。
効率よく短い日数で、甑島全体の観光を楽しみたい場合は、ツアーで訪れることもひとつの手段で、お勧めです。

高速船甑島と川内フェリーターミナル

2014年に就航した高速船甑島にあわせてオープンした川内フェリーターミナル。これらをデザインしたのは、JR九州の電車や駅、広告デザインなどで有名な水戸岡鋭治氏によるもの。水戸岡鋭治氏は、JR九州の豪華列車ななつ星in九州、西陣織シートの和テイストの800系新幹線つばめ、特急列車ソニック、大分駅(2015年改修)などのデザインを手掛けてきました。
川内港フェリーターミナルは、木材がふんだんに使われた内装で、天井のあかりとりから内部に降り注ぐ光で落ち着いた空間。高速船に乗る前は、早めに到着してターミナル建物や周辺の景色で過ごす時間も、甑島への旅の楽しみのひとつに。
高速船内もラウンジのような配置のテーブルとイスやシートクッションのオシャレなデザインで船内で過ごす時間もとても心地いい船旅になります。

カフェラウンジのような高速船甑島の内部(撮影:ユーラシア旅行社)

甑島列島の魅力とは

夜萩丸山公園から見た鹿島断崖(撮影:ユーラシア旅行社)

甑島の自然は、海と陸地、動植物や地層に至るまで貴重で興味深いものであふれています。その自然の貴重さは、1981年(昭和56年)には甑島列島が<甑島県立自然公園>に指定され、2009年(平成21年)には下甑島の甑島の白亜紀~古第三紀層である鹿島断崖が<日本の地質百選>、2012年(平成24年)には下甑島の鹿の子断層が<日本の地質構造100選>に選出されていることでわかります。甑島全体はジオミュージアムですね!

上甑島の山中にはヘゴ自生北限地帯があり、ここは1926年(大正15年)に<国の天然記念物>に指定されました。ヘゴとは熱帯・亜熱帯性のシダ植物の一種でヘゴ科の木生シダのことで、5億7500万年前から2億4700万年前の古生代後期に繁殖し,陸上で大森林を形成した植物で,化石でみつかることもあります。
甑島に生息するカラスバトは、1971年(昭和46年)に<国の天然記念物>に指定されました。また下甑島の鹿島断崖ではウミネコが繁殖し、ウミネコ繁殖地としては日本の最南端ともいわれています。

クルージングの時にウミネコが見られるかも(撮影:ユーラシア旅行社)

甑島3島のさまざまな場所で自生し、例年6月上旬から8月上旬(見頃は7月末~8月)にかけて開花するカノコユリ。開花の時期から夏の始まりを告げる花とも言われています。2004年の市町村合併以前の里村、上甑村、鹿島村、下甑村の4村すべてがカノコユリを村花にしていました。2004年に合併し誕生した薩摩川内市もカノコユリを市花に制定しています。江戸時代、日本を訪れていたシーボルトが、カノコユリをヨーロッパにもっていきヨーロッパに広め、オランダで品種改良され、日本に逆輸入されたのがカサブランカです。大正時代にはアメリカに輸出されていたという歴史もあります。

上甑島列島のお勧め観光5選

トンボロ(陸繋砂州)

甑島列島の上甑島北東に位置する遠見山の南に位置する里町。上記地図で赤丸の場所は、もともと海でしたが、長い長い年月をかけ沿岸流と波の作用で海底の砂礫が水面上にあらわれ、遠見山がある元々独立した島だった場所と上甑島が陸続きになりました。このような場所を『トンボロ(陸繋砂州)』といいます。トンボロ(陸繋砂州)上にある集落として里町は日本国内最大規模(砂州の全長は約1,400m、全幅は最狭部で250m、標高2.3m)で、函館(北海道)や串本(和歌山県)と並んで<日本三大トンボロ>に挙げられます。

長目の浜展望所

上甑島の絶景!!長目の浜(撮影:ユーラシア旅行社)

上甑島の山裾が、長い年月をかけ風や波によって崩れ、沿岸流や季節風で運ばれ、砂洲が発達して出来た長目の浜。長さ約4km、幅40~100mの長目の浜を一望できる展望所から長目の浜へ降りる階段もありますが、車で海鼠(なまこ)池と貝池の間まで行くことができ(駐車場有り)、そこからなら徒歩1分で長目の浜に行くことができます。

長目の浜によって外海と隔てられ、内陸に残った海鼠(なまこ)池、貝池、鍬崎池、少し離れた場所にある須口池の4つの池があり、それらを甑四湖といいます。そのなかでも貝池は、水面から約5~6mのところに、世界でも7か所でしか確認されていない30億年前からの古代バクテリアの層があり、学術的にも非常に貴重と注目されました。2015年(平成27年)3月、砂州上に発達した植物群は全国的にも少なく、性質の異なった三つの潟湖群は学術上貴重みなされ、長目の浜と海鼠池、貝池、鍬崎池の3湖沼、砂州上の植物群落が、「甑島長目の浜及び潟湖群の植物群落」の名称で、<国の天然記念物>に指定されました。

里の武家屋敷跡

里町の武家屋敷跡(撮影:ユーラシア旅行社)

里町の武家屋敷跡には、名前の通りの武家屋敷だけではなく里八幡神社や縄文遺跡発掘跡などもあります。ここから徒歩10分ほどの小高い丘の上にある亀城跡も、時間があれば訪れてみましょう。お城は全く残っていませんが、高台から里町を見下ろす絶景スポット。里町がトンボロの上にあることも、ここからの眺めでわかりますよ。

現地ガイドと歩くしまなび

ガイドブックには載っていない里町を案内、というコンセプトの基で歩いて歴史ゆかりの場所を巡っていきます。いまでも地元の人たちが暮らす日常の中に、甑島の歴史や文化があり、地元出身のガイドさんが案内することで、普通では通り過ぎてしまうところにキラリと光る見どころを教えてもらう楽しさは、まるで宝探しのよう。地元ガイドさんから教えてもらうガイドブックにはない甑島の魅力や知識は、とっても勉強になりますのでオススメです。

断崖・奇岩クルージング(観光船かのこ)

西回りクルージングで見る鹿島断崖(撮影:ユーラシア旅行社)

有名な鹿島断崖を陸地から見ることができる展望所はありますが、やはりクルーズで数キロメートルに及ぶ断崖、それも下から見上げて、その高さを実感することはクルーズでなければ味わえません。また、甑島3島をつなぐ大橋を俯瞰して見ることができるのもクルーズの醍醐味。九州本土から甑島に渡るときの高速船やフェリーでも見ることはできますが、それよりも近くで見ることができます。
断崖・奇岩クルージングは、東回りと西回りの2コースあります。鹿島断崖を望むコースは、西回りです。

東回りクルージングで見る断崖、赤クエ(撮影:ユーラシア旅行社)

観光船かのこが出港する港は、『中甑港』ですが、中甑島ではなく上甑島にあります。
クルージングは、天候、波や風の影響で欠航や行くことができるコースに制限が生じることがあります。

中甑島のお勧め観光

中甑島唯一の集落、平良

かつては池だった平良港(撮影:ユーラシア旅行社)

平良集落の見どころは、集落のすぐ近くにある平良港。一見すると、普通の内港にしか見えないのですが、じつはここが港となったのは江戸時代からのこと。もとから港だったのではなく、集落の近くにあった大きな池だったところを、3年の月日をかけて外海とつなぐ工事を行いました。細い通路から、この内側の港に入れば、悪天候でも外海の荒波や風の影響を受けにくいため、船の避難所として活躍しました。

帽子山展望所と木の口展望所

中甑島には、2か所の展望所があります。中甑島の東側にある帽子山展望所からは、眼下に平良集落を見ることができ、天気が良ければ天草半島を見ることができます。中甑島の西側にある木の口展望所からは、甑大橋を眺めることができます。

下甑島のお勧め観光6選

手打の武家屋敷跡

手打海岸(手打湾)から1本内側にはいった集落のなかに手打の武家屋敷跡があります。武家集落の町並みは武家屋敷通りという東西約700ⅿ続いています。玉石を綺麗に積み上げた玉石塀が長い通りに延々続く光景は、とても絵になります。また、武家屋敷や玉石塀のみではなく、通りの中心あたりには、歴史民俗資料館もありますので、下甑島の歴史を垣間見に立ち寄るのもよいでしょう。通りの東端、手打漁港の近くに海上取締まりや異国船の監視をしていた津口番所の門が復元されています。上甑島の武家屋敷近くでは、番所跡に看板があるのみですが、ここでは立派な門構えが見ることができ、多くの船が行き交い、防衛にあたっていた場所であることを実感することができるでしょう。

瀬尾観音三滝

キャンプ場の奥に進んでいくと、現れるのが瀬尾観音三滝。水量豊かな水が木々の中を流れ落ちる姿や周辺の木々から、清々しくなり、穏やかな気持ちになります。三滝と名前がついているように、この滝は3段の滝。しかし、下からでは1段しか見ることができないので、滝つぼ横の階段を約130段上がっていくと、上2段の滝を見ることができます。

釣掛崎展望所(灯台)

東シナ海を望める釣掛崎展望所(撮影:ユーラシア旅行社)

釣掛崎展望所までの道は、狭く急勾配のアップダウンがあります。そうしてたどり着いた展望所では、東シナ海が一望する絶景が!天気がよければ、ここからトカラ列島を見ることができます。また眼下の海では、タカエビ(薩摩甘えび)が捕れます。展望所近くの崖斜面にはカノコユリが自生していますので、夏になるとカノコユリが咲き誇り、さらなる絶景が広がります。

鳥の巣山展望所

鳥の巣展望所からは甑大橋の絶景!(撮影:ユーラシア旅行社)

かつては、中甑島と下甑島との間を流れる藺牟田(いむた)瀬戸のビューポイントでしたが、2020年に完成した甑大橋の絶景ビュースポットにもなりました。ここにもカノコユリが自生していますので、夏になるとカノコユリと甑大橋とのWビュースポットになります。

夜萩丸山公園

駐車場から約130段の階段をあがり、尾根を沿って進んでいくと、鹿島断崖の絶景ビュースポットにたどり着きます。水面からの高さ約200ⅿの断崖と青い海が遠くまで広がる光景を対岸の崖上からみられる場所。また甑大橋を西側から眺めるポイントにもなりますので、鳥の巣山展望所とは異なる姿の甑大橋も見ることができます。

甑ミュージアム(恐竜化石等準備室)

甑島の地層や化石について学べる甑ミュージアム(撮影:ユーラシア旅行社)

甑ミュージアムは、薩摩川内市鹿島支所の建物内の一角にあります。甑島では、8000~7000万年前(白亜紀後期)の下甑島の姫浦層群の地層から、2008年初めて恐竜の化石が発掘されました。その後も日本で初めてでありアジアで2例目といわれるケラトプス類(植物食の角竜顎恐竜のなかでも角が特徴)の上顎の歯、上甑島からはハドロサウルス類大腿骨など次々と化石が発掘されています。

甑列3島をつなぐ大橋

甑大明神大橋(上甑島⇔中島)

甑大明神大橋(撮影:ユーラシア旅行社)

1993年(平成5年)3月、鹿の子大橋と同時にオープンした全長420mの甑大明神大橋。甑大明神大橋の途中に設けられた展望スペースからは、甑島のご神体である甑大明神の大岩を真横から見ることができます。甑大明神大橋は、上甑島と中島(上甑島と中甑島の間にある無人島)をつないでいます。

鹿の子大橋(中島⇔中甑島)

船から見た鹿の子大橋(撮影:ユーラシア旅行社)

1993年(平成5年)3月、甑大明神大橋と同時にオープンした全長240mのアーチ橋。鹿の子大橋は、中島(上甑島と中甑島の間にある無人島)と中甑島をつないでいます。橋の名前の由来は、橋の周辺がカノコユリの自生地だからです。鹿の子大橋のアーチを写真で撮りたい場合は、中甑島に渡ってすぐの場所にある鹿の子大橋展望所に立ち寄るか、断崖・奇岩クルージングのとき、甑島への海上交通であるフェリーや高速船など船上からとなります。

甑大橋(中甑島⇔下甑島)

全長1,533mの甑大橋(撮影:ユーラシア旅行社)

2020年(令和2年)8月29日に開通したのが、中甑島と下甑島をつなぐ甑大橋。甑大橋の開通によって、甑島3島が陸路で移動が可能となりました!全長1533mの甑大橋は、鹿児島県で一番長い橋となりました。工事が着手された2011年10月から約9年の歳月で、甑島3島がひとつに結ばれました!

甑島列島のお勧めグルメとお土産

甑島に来たらキビナゴは外せない(撮影:ユーラシア旅行社)

甑島周辺の海では、アジ、サバ、ブリ、カツオ、マグロなどの回遊魚からキビナゴ、バショウカジキ、シマアジ、アワビなどの水産資源が豊富。魚の養殖も島の近くで行っており、甑島周辺海域では、本マグロの稚魚が取れるという利点からニッスイが甑島の地元企業と本マグロ養殖を、天然養殖としてカンパチ、シマアジ、餌付け漁業でブリも獲れます。キビナゴは一年中食せますので、刺身や鉄板焼き、漬け丼など様々な調理法の味を楽しんでみてください。春になるとタカエビ(薩摩甘エビ)がシーズンとなりますので、甑島滞在中に獲れたて新鮮なタカエビの刺身も外せません。

お土産に喜ばれる甑島の海産物(撮影:ユーラシア旅行社)

こうした海産物を現地で食べずには帰れません!またお土産として贈っても喜ばれることでしょう。高速船やフェリーターミナルの売店でも売られていますので、本土に帰るときに購入するのもひとつですが、事前に島の販売所などで購入してクール便で宅配するのもお勧めです。
そのほか、上甑島と下甑島それぞれで代表する焼酎の酒造があります。お酒が好きな人は、甑島の焼酎を味わわずには帰れません。同じ酒造でも、種類によって味が異なりますので、滞在中いろいろな種類を飲み比べをしてみてください。
甑島の特産品を材料にした木立アロエの甘酢や大豆バター、海の産物アオサ、ウニみそ、下甑島で取水される海洋深層水でできた塩などなど、自宅に帰ってからも手軽に調理して甑島の味を楽しめる食のお土産も充実してます。

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