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いつかは行きたい、夏の東北三大祭り(青森ねぶた祭・秋田竿燈まつり・仙台七夕まつり)

2022 3/07
目次

東北三大祭りとは

青森ねぶた祭(撮影:ユーラシア旅行社)

夏には、日本各地で夏祭りが開催されますが、その中でも、暑い夏を華やかに演出する日本を代表する夏祭りといえば、東北三大祭りです。東北三大祭りは、1つ目が、毎年300万人もの方が訪れる豪華絢爛、青森ねぶた祭。2つ目が、迫力満点、秋田竿燈まつり。そして3つ目が、手作りの笹飾りが魅力の仙台七夕まつりです。一度は行ってみたいと憧れをお持ちの方や、毎年の楽しみにしているかたもいらっしゃるのではないでしょうか。この三つのお祭りは同時期に開催されるため、三県周遊して一つの旅で三つ見学する事が可能になっています。

東北三大祭りの紹介

青森ねぶた祭り

青森ねぶた祭(撮影:ユーラシア旅行社)

青森ねぶた祭は、毎年8月2日から7日にかけて、青森市の中心部で開催されるお祭りです。七夕祭りの灯籠流しの変形であろうといわれていますが、その起源は定かではなく、奈良時代に中国から伝わった「七夕祭」の灯籠流しと、古来より津軽にあった習俗と精霊送り、人形、虫送り等の行事が一体化し、紙、竹、そしてローソクが普及すると灯籠となり、それが変化してねぶたになったという説があります。また、他にも坂上田村麻呂が蝦夷征伐の際に敵を油断させるために笛や太鼓を使ったことが始まりという説など諸説あります。「ねぶた」という名称は、「ねむりながし」の眠りが「ねぶた」に転訛したものであると考えられています。

かつてねぶた祭りは、明治新政府から任命された青森県令に就任した菱田重喜が、地方の旧習は悪習だと、ねぶたを始めとした盆踊りなどまかりならんと、明治六年に禁止令を出して一時期危機に陥りました。その後開催債まで9年を要し、他にも戦争の影響で中止となったこともありましたが、地元の人の強い想いが祭りの伝統を引き継いでいき、近年は青森を代表する行事として県外からも厚い支持を得て、ますます重要で盛大なお祭りになっています。

ねぶたと言われる山車は時を経て少しずつ巨大化し、現在は横幅9m、奥行き7m、高さ5mの規格に沿って作られ、重さは代車を含めて4tを超えます。武者や歌舞伎役者などがかたどられた大灯籠と、ハネトと呼ばれる踊り手とが「ラッセーラ」の掛け声とともに通りを練り歩き、8月6日には、そのねぶたの中で優れているものに対して、大賞や、各賞が贈られます。そのねぶたの審査方法は、8月2日から5日のうち2日以上運行した大型ねぶたを審査対象とし、毎日審査をしています。審査は、ねぶた又は芸術に造詣の深い「審査委員」と、一般公募の青森市民などによる「一般審査員」で青森ねぶた祭の伝統性を重視しつつ、審査員の感性をもとに総合的に評価し採点しています。そのほかにも、8月2日、3日には、大型のねぶたに加え、お子様も楽しめる、子どもねぶたが運行し、最終日にはねぶたの海上運行とともに花火が上がり、祭りが締めくくられます。この風景は、日本の夜景遺産にも、歴史文化夜景遺産として登録されています。

また、近年は海外や国内他県にもねぶたを派遣しており、フランスのニースのカーニバルをはじめ、イタリアや、ハワイのさくらまつり、ブラジルのサンパウロ日本人移民70年祭、中国の北京、沖縄や横浜など、青森ねぶたは、国内外の様々なお祭りで日本の顔として活躍しています。

迫力あるねぶた(撮影:ユーラシア旅行社)

秋田竿燈まつり

秋田竿燈まつり(撮影:ユーラシア旅行社)

秋田竿燈まつりは、毎年8月3日から6日まで秋田市の竿燈大通りで開催される、1日平均50万人近くが訪れるお祭りです。かつてこの地域で七夕に行われていた、真夏の病魔や邪気を払う、「ねぶり流し」がその起源と言われており、元々、藩政以前から秋田市周辺に伝えられているねぶり流しは、笹竹に願い事を書いた短冊を飾り、町中を練り歩き、最後に川に流す、といったものでした。

寛政元年(1789)津村淙庵の紀行文「雪の降る道」では、旧暦の7月6日に行われたねぶりながしが紹介され、このときにはすでに秋田独自の風俗として伝えられており、長い竿を十文字に構え、そこに灯火を数多く付けて、太鼓を打ちながら町を練り歩く、と竿燈まつりの原型となるものが記録されています。

現在の秋田竿燈まつりでは、大若、中若、小若、幼若と4つの大きさの竿燈を見ることができます。それぞれ24〜46個の提灯をぶら下げた、竿の長さ5m〜12m、 重さ5〜50kgもの竿燈を、力4分、技6分と言われる、絶妙なバランスで、大通りを移動しながら、手のひら、額、肩、腰などに移し替える伝統の技で担ぎます。倒れたり激しく揺れたりする提灯に、ろうそくの炎が燃え移らないのは、1つ1つの提灯の底に空気が通る隙間があり、提灯が大きく揺れると、この隙間から風が入ることで、ろうそくの火が消える構造になっているからです。また、竿燈の提灯に使われたろうそくは、安産のお守りとして知られており、ろうそくの長さが短ければ短いほどお産の時間が短くなり、安産にご利益があると言い伝えられています。

最後に、竿燈大通りにある街灯は、竿燈の提灯がモチーフになっており、まつりが行われる竿燈大通りでは、竿燈を上げるのに邪魔にならないよう電線が地下に埋設されており、竿燈まつりのことを考えた街づくりがなされています。

秋田竿燈まつり(撮影:ユーラシア旅行社)

仙台七夕まつり

画像提供:仙台七夕まつり協賛会

仙台七夕まつりは、毎年8月6日から8日にかけて、仙台市中心部で開催され、例年200万人以上が訪れる人気イベントです。お祭りの起源は定かではありませんが、仙台藩祖伊達政宗は七夕に関する和歌を8首詠んでおり、このことから、伊達政宗の時代には存在していたと考えられています。前述の青森ねぶた祭りや、秋田の竿燈まつりの神を送る行事と違い、七夕まつりは田の神を迎える行事であり、昔から周期的に襲われる、冷害や凶作を乗り越えようと、豊作・豊穣を田の神に祈るまつりです。戦争その他外部要因によって、規模が縮小された時期もありましたが、地元の方々の協力により復活し、規模を拡大、発展させ現在に至ります。現在ではお祭りの期間中、飾りだけでなく、各種イベントや飾りの製作体験コーナー、仙台グルメが集合した七夕食堂も人気を集め、日本一のスケールを誇る七夕まつりとなり、毎年全国各地から訪れる観光客を楽しませてくれています。

仙台七夕まつりは、前述の青森ねぶた祭りや、秋田の竿燈まつりの神を送る行事と違い、田の神を迎える行事であり、昔から周期的に襲われる、大量の死者を出す冷害という悲惨な歴史を乗り越えようと、豊作の保障と保護を田の神に祈るまつりです。

現在の仙台七夕まつりの見どころは、何と言っても、毎年手作りされる豪華絢爛な笹飾りです。趣向を凝らした約3000本もの竹飾りと、10mもある吹き流し、くす玉の七夕飾りで商店街が埋めつくされ、華やかに美を競いあい、仙台の夏を華麗に演出します。これらはまつり前の8月4日早朝、長さ10メートル以上の巨大な竹を山から切り出し、小枝をはらい、飾りつけの準備を行います。飾りは商店街の各店が数カ月前から手作りで準備し、一本の価格は数十万~数百万円するといわれています。 吹流しは、5本1セットで飾られ、また、飾りの内容は当日まで秘密にされます。8月6日の朝8時頃から飾り付けが行われ、その豪華さを競い合い、商店街ごとに飾り付け審査が行われ、8月6日午後には金、銀、銅の各賞が発表され、飾りの根本に金、銀、銅の各賞のプレートがつけられます。晴天のもと幾重にも重なり、風になびく繊細な和紙飾りはまさに夏の風物詩です。一方、雨にはとても弱いため、雨が降り始めると各店の方が飾りを濡らさないよう、大慌てで飾りにビニール袋をかけます。

最後に、色とりどりの笹飾りと共に、仙台七夕まつりに欠かせない、七つ飾りといわれる小物についてご紹介いたします。商売繁盛、無病息災など様々な願いを込めて、仙台では七つ飾りが飾られています。

短冊… 学問や書道の上達

紙衣… 病気や災難の厄除け、裁縫の上達

折鶴… 家内安全と健康長寿

巾着… 商売繁盛

投網… 豊漁・豊作

屑篭… 清潔と倹約

吹き流し… 織姫の織糸

とそれぞれ願いが込められています。ぜひ、一つ一つ探してみるのはいかがでしょうか。

画像提供:仙台七夕まつり協賛会

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