メテオラ修道院群とは
首都アテネからおよそ350km北に進むと見えてくる、そびえ立つ岩山。高さ20~400mにも及ぶその岩山の上に築かれたのがメテオラ修道院群です。「メテオラ」とは「空中に浮く」という意味があり、岩山の上に佇む修道院が空中に浮かんでいるような光景から名付けられました。1988年に世界自然遺産と文化遺産の両方の価値を備えた複合遺産として登録され、ギリシャの中でも人気の観光地となっています。
メテオラ修道院への行き方、アクセス
メテオラ観光の際には麓のカランバカという町が拠点となります。日本からまず空路でアテネやテッサロニキに入り、電車または比較的本数の多いバスでカランバカを目指します。
【アテネ~カランバカ】
バスの場合は、リオンシン・ターミナルからトリカラ行きで約4時間半、その後トリカラでカランバカ行きのバスに乗り換え約45分で到着します。電車の場合は一日1本※ですが、ギリシャ国鉄のアテネ駅からカランバカ駅まで約5時間の直通運転が便利です。
【テッサロニキ~カランバカ】
トリカラ経由カランバカ行きのバスで約3時間半が目安です。
【カランバカ~メテオラ】
個人で訪れる場合、各修道院は距離があるため、カランバカから出発する観光ツアー(英語の案内)に参加するか、自由に回りたい方はタクシーを手配して観光するのがおすすめです。
いくつかの修道院を訪問するには、カランバカで宿泊して2日間がおすすめです。
※バスや電車の運航スケジュールの最新情報は各運航会社のホームページをご確認ください。
・KTEL(ギリシャの都市間バスサービス)のチケットサイト
・ギリシャ国鉄のホームページ
メテオラの歴史
6000万年前、ピンドス山脈から流れるピニオス川が長い年月をかけて谷を削り、硬い砂岩と礫岩の堆積層だけが残った結果、現在の岩山群の地形が生まれました。そして、9世紀ごろから俗世を離れて孤独に神へ祈りを捧げる「隠修士」と呼ばれる修道士たちが岩山の割れ目や洞窟に住み始めるようになり、日曜毎に小教会堂に集まって礼拝を行っていました。その後、11世紀ごろになると岩の上に修道所が建てられるようになり、14世紀後半にはセルビア人の侵入から身を守るために共同生活を始めるようになりました。1388年に聖アタナシオスらにより大メテオラ修道院が建立され、最盛期の15世紀~16世紀になると24もの修道院が建ち並びましたが、だんだんと修道士の数は減り、現在は6つの修道院が残るのみとなっています。
メテオラのおすすめ観光スポット3選
大メテオラ修道院(メタモルフォシス修道院)
修道院群最古にして最大の大メテオラ修道院。正式名称はメタモルフォシス(救世主の変容)修道院ですが、メテオラ全体の修道院を統轄するようになり、大メテオラ修道院(メガロ・メテオロン)と呼ばれるようになりました。岩山群の中でも最大の岩山の上に位置しています。
また、すぐ近くにあるヴァルラーム修道院も眺めることができます。
5つの修道院を望める展望台
修道院の近くに行くと、その岩山の巨大さに圧倒されますが、展望台から望むと陸地から切り離された岩山の上に建つ修道院の幻想的な姿を見ることができます。ルサヌ修道院の近くの展望台では、アギオス・ニコラオス修道院、ルサヌ修道院、大メテオラ修道院、ヴァルラーム修道院、そして反対側にアギア・トリアダ修道院を望むことができ、季節によっては緑に囲まれた姿や、雪が降り積もる景色もご覧頂けます。
聖ステファノ修道院
聖ステファノ修道院は1367年に建立されましたが、1961年に女子修道院となりました。他の修道院に行くためには少なくとも100段以上の階段を登らなくてはなりませんが、聖ステファノ修道院は唯一可動式陸橋がかかっており、階段を登るのがつらい方でも容易に訪れることが可能です。
メテオラ観光時の注意点
メテオラでは修道院見学の際、タンクトップや短パンなどの露出のある服装、また、女性は体のラインが出るズボンも禁止となっています。しかし、修道院を訪れるために階段を登らなくてはならないので、動きやすい服装で観光することをおすすめします。各修道院の入り口に巻きスカートの貸し出しがありますので、入場する際にズボンの上から巻きスカートを着用すれば入場可能です。
また、メテオラの地域は標高が高いため、夏でも朝晩は15℃前後まで冷え込むこともあります。ただ、日中は30℃まで上がるので、調整しやすいようカーディガンなどの上着をご用意ください。冬になると気温は氷点下まで下がり積雪もありますので、防寒具はもちろん、滑りにくい靴で訪問すると良いでしょう。