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飛鳥・藤原京ゆかりの観光スポットを巡る旅。奈良に残る壮大な宮都の遺跡と古墳群(明日香村・橿原市)

2022 3/07
目次

飛鳥京・藤原京とは?

【飛鳥京】飛鳥京(あすかきょう)は、6世紀末から7世紀末までのおよそ100年間、天皇の住まいである「宮」が置かれ日本国の首都として大いに栄えた、現在の奈良県高市郡明日香村一帯にあったとされる政治都市です。現在は当時の繁栄ぶりとは裏腹に、豊かな田園風景が一面に広がり、一帯には非常に多くの遺産や史跡が残っています。

春の藤原京跡(撮影:ユーラシア旅行社)

【藤原京】藤原京(ふじわらきょう)は、西暦694年から平城京に遷都されるまでの16年間、日本の首都として賑わいを見せた、日本史上初の中国の唐にならった本格的な都です。飛鳥京の西北部に位置し、現在の奈良県橿原市と明日香村にかかる地域に存在しました。今も発掘が進められ、当時の都の規模を示すような広大な敷地には、季節によって一面の花畑が広がります。

明日香村・橿原市について、行き方、アクセス

飛鳥京・藤原京にゆかりのある史跡や古墳時代後期の遺跡が数多く残っているのが、奈良県にある明日香村と橿原市です。

明日香村(奈良県高市郡)

明日香村(あすかむら)は、奈良県の中央部付近にある高市郡に位置する村で、古墳時代後期から飛鳥時代の宮殿跡や史跡が広く点在しています。飛鳥時代の“飛鳥(=飛ぶ鳥)”は明日香村の“明日香”の枕詞の関係にあり、万葉集にも登場する歴史ある地域です。

明日香村へのアクセスは、公共交通機関を利用する場合「近鉄吉野線・飛鳥駅」での下車がおすすめです。飛鳥駅へは、関西国際空港から特急を使って約2時間、名古屋駅からは新幹線を使って2時間弱の所要時間です。また、飛鳥駅から各観光スポットへは村営の周遊バスが運行されているので、駅からの交通手段がなくとも旅を楽しむ事ができます。

橿原市(奈良県)

橿原市(かしはらし)は、奈良県中央部にある県下第2の人口を誇る都市。大和三山(畝傍山・天香具山・耳成山)に囲まれた盆地に位置し、市内には藤原京跡や神武天皇陵など考古学的に価値の高い遺跡が残っています。

橿原市へのアクセスは、公共交通機関を利用する場合「近鉄・大和八木駅」、もしくは「近鉄・橿原神宮前駅」での下車がおすすめです。関西国際空港から電車で約2時間、名古屋駅からも特急に乗車し約2時間の所要時間です。

“明日香村”で訪れたい有名な観光スポットや史跡、見どころ

飛鳥京跡

飛鳥京跡(C)Saigen Jiro

飛鳥京跡(あすかきょうあと)は、6世紀末から7世紀後半までこの地に営まれた宮都の跡を中心とする、複数の遺跡群で構成された都市遺跡です。宮殿跡とされる「伝飛鳥板蓋宮跡(でんあすかいたぶきのみやあと)」を中心に、当時の朝廷の支配のための施設や、祭祀のための施設、外国からの使節を歓迎するための庭園遺跡「飛鳥京跡苑池(あすかきょうあとえんち)」などが、当時の繁栄を思わせる広大な土地に広がっています。

飛鳥寺(安居院)

飛鳥寺(C)Saigen Jiro

飛鳥寺(安居院)は、蘇我氏の氏寺として6世紀末から7世紀初頭にかけて造営された日本最初の仏教寺院です。『日本書紀』によると、用明天皇2年(西暦587年)に蘇我馬子により建立の発願がなされ、一時は国家の寺としての役割を果たしたともいわれています。また平城京遷都時には、都の移転とともに現在の奈良市にある「元興寺」に移されました。現在は1826年に再建された本堂や、日本最古の仏像ともいわれる重要文化財「銅像釈迦如来坐像」を見ることができます。

岡寺(龍蓋寺)

岡寺(C)663highland(CC BY-SA 3.0)

岡寺(龍蓋寺)は、日本の法相宗の祖である義淵僧正により7世紀末ごろに創建されたと伝えられる歴史ある寺院です。別名の“龍蓋寺”は、悪い龍を境内にある池に封印し、石で蓋をして厄災を取り除いた伝説から名付けられ、現在も「日本最初のやくよけ霊場」として参拝客で賑わっています。

石舞台古墳

石舞台古墳(撮影:ユーラシア旅行社)

石舞台古墳(いしぶたいこふん)は、古墳時代後期に建てられたとされる古墳で、巨大な石が積みあげられた外観が特徴的です。推定では蘇我馬子の墳墓とされており、1952年には、国の特別史跡にも指定されました。また、石舞台古墳には石室が設けられており、総重量約2,300トンの石に囲まれた内部では、石と石の間から漏れ出した神秘的な光の中で、石室の排水施設などを見学することができます。

石舞台古墳入口(撮影:ユーラシア旅行社)

高松塚古墳

高松塚古墳(撮影:ユーラシア旅行社)

高松塚古墳(たかまつづかこふん)は、古墳による埋葬文化の終末期、藤原京時代に築造された円墳です。1972年に石室内部で、四神や男女の群像などの極彩色の壁画が発見されたことで一躍注目されるようになり、2020年に壁画の修復作業が完了しました。

キトラ古墳

キトラ古墳(C)8-hachiro(CC BY-SA 4.0)

キトラ古墳は明日香村の南西部、阿部山に築かれた古墳で、高松塚古墳と同じく石室で壁画が発見されたことで有名です。一説では“キトラ”の名は、四神の亀虎(亀=玄武、虎=白虎)の読みが由来とされ、石室では四神や天文図などの壁画が発見されました。古墳の周辺には「キトラ古墳壁画体験館 四神の館」があり、出土した副葬品や壁画のレプリカの展示、さらに期間限定で壁画の一般公開もされています。

奈良文化財研究所・飛鳥資料館

奈良文化財研究所・飛鳥資料館(C)Terumasa(CC BY-SA 3.0)

飛鳥資料館は、奈良文化財研究所の展示施設として1975年に開設された、飛鳥の地の歴史を体感できる資料館です。常設展示では、様々な遺跡の模型やその出土品、石造物が展示されており、日本国の源流ともなる飛鳥の文化と歴史について学ぶことができます。さらに遺跡の発掘調査の様子や方法なども紹介されており、飛鳥という地について丸ごと学べる資料館となっています。また資料館の庭園にも、様々な飛鳥の石造物が展示され、四季折々の風景とともに楽しむことができます。

甘樫丘展望台

甘樫丘展望台(撮影:ユーラシア旅行社)

甘樫丘展望台(あまかしのおかてんぼうだい)は、明日香村にある標高約148mの展望台です。日本書紀にも残るこちらの甘樫丘からは、雄大に佇む大和三山や、一帯に広がる明日香村や橿原市を一望することができます。のどかで広大な展望台からの風景は、古代の飛鳥京や藤原京の繁栄を思わせます。

橿原市”で訪れたい有名な観光スポットや史跡、見どころ

藤原宮跡

藤原京朱雀門跡(C)663highland(CC BY-SA 2.5)

藤原京跡は、橿原市にある藤原京の宮都があったとされる地域です。当時、およそ東西5.3km、南北4.8kmの規模でこの地に政治・文化の中心都市があったとされ、朱雀門跡などを見ることができます。また藤原京跡には、季節によって様々な美しい花畑が広がり、春には菜の花、夏にはキバナコスモスやハス、秋にはコスモスと、一面に広がる色とりどりの花の絨毯を楽しむことができます。

奈良文化財研究所・藤原京跡資料室

藤原京跡資料室がある施設(C)663highland(CC BY-SA 2.5)

藤原京跡のそばにある藤原京跡資料室は、JAならけん橿原東部経済センターの2階に開室されている、藤原京跡の発掘・出土に関する展示室です。展示物には柱や瓦といった出土品に始まり、藤原宮の解説パネルや、約6m×7mもの大きさの藤原京の1,000分の1模型などがあり、藤原京跡と合わせて必見の展示室です。

奈良県立橿原考古学研究所附属博物館

橿原考古学研究所附属博物館(C)Terumasa(CC BY-SA 3.0)

奈良県立橿原考古学研究所附属博物館は、奈良県内全土に点在する遺跡から集められた出土品や資料が、時代ごとにわかりやすく展示されている博物館です。旧石器時代から室町時代までの非常に多くの資料が常設されており、大和の歴史を深く学ぶことができます。展示室では、ボランティアの方々による展示解説もあり、そのほか展覧会も開催されています。

神武天皇陵(畝傍山東北陵)

神武天皇陵(C)Saigen Jiro

神武天皇陵(じんむてんのうりょう)は、日本の初代天皇・神武天皇の御陵とされる円丘です。周囲は約100m、高さ約5.5mの植え込みがあり、その周りには幅約16mの周濠をめぐらせています。日本国の創始者ともいえる神武天皇の陵墓は、藤原京や飛鳥京の宮都跡と合わせて橿原市で訪れておきたい場所です。

橿原神宮

橿原神宮(撮影:ユーラシア旅行社)

橿原神宮(かしはらじんぐう)は、初代天皇・神武天皇とその皇后を祀るため、1890年に明治天皇により創建された神社です。もともと神武天皇の宮があったとされる場所に建てられており、国づくりの始まりの地ともいえるスポットです。設計は数々の神社仏閣などに携わる建築家・伊藤忠太によるもので、本殿や一部が国の重要文化財となっています。

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