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ケルト文化が息づくブルターニュ地方(フランス)

2022 8/25
目次

ブルターニュとは?

ブルターニュの旗

ブルターニュは、イギリス海峡と大西洋に挟まれたフランス最西端に位置しており、5世紀ごろにイギリスから移住したケルト人達によって開拓され、16世紀までブルターニュ公国という独立国家がありました。ブルターニュBRUTAGNEとは英語のブリタニ―BRITTANYのことで、イギリスの島グレート・ブリテン島GREAT BRIRTAIN(フランス語でグランド・ブルターニュGRANDE BRUTAGNE)に由来し、現在もケルト系のブルトン語が話されています。一般的にはフランスと言えばラテンの国と言われていますが、ブルターニュではケルトの息遣いを感じることができます。

ブルターニュ地方には1923年に作られた独自の旗があります。黒と白の横縞がありますが、黒の縞はブルトン語が話される昔の東部の5つの司教区を、白の縞はガロ語が話される西部の4つの司教区を示しています。旗の左上には清廉潔白の象徴である白い冬毛のオコジョの黒い尻尾を象徴したものがあり、「汚されるよりは死を」というブルターニュ人の精神を表すものとして紋章となりました。
また、「トリスケル」というシンボルもあります。大地、火、水を表す三つ巴の紋章です。

ブルターニュへの行き方、アクセス

日本からの直行便はないので、パリ又はヨーロッパ内の都市で乗り継いでブルターニュのナントへ。パリから高速鉄道TGVを利用する場合、2時間で到着です。
※航空機や列車の運行スケジュールは、各社のホームページをご確認ください。

ブルターニュの見どころ8選

ナント

ナントのレ・マシーン・ド・リル(撮影:ユーラシア旅行社)

ブルターニュ半島の南東部に位置し、大西洋への玄関口となっているナントは、アフリカ、南米、ヨーロッパを結ぶ三角貿易で栄えた港町で、10世紀から16世紀までブルターニュ公国の中心でした。 1980年代後半には漁業や造船業は衰退しますが、造船所が相次いで閉鎖された地区に「レ・マシーン・ド・リル」という文化施設を作るなど、文化都市としての再生が成功し、また温暖な気候ということもあり、フランス人が住んでみたいと憧れる街に成長しました。街の中心にある白亜のブルターニュ公城、ナントで最も由緒あるサン・ピエール・サン・ポール教会等の見どころがあります。

ブルターニュ大公城(撮影:ユーラシア旅行社)

カレナック

カレナック(撮影:ユーラシア旅行社)

紀元前5000~3000年の新石器時代の巨石群があります。カレナックという言葉はケルト語で丘や高台を意味するCAIRNまたはCARNからきています。メンヒル(立石)、ドルメン(支石墓)、チュミュリュス(墳丘墓)は圧巻です。メネックとケルマリオという2つの主要サイトだけでも3000近くの石が約4㎞にわたって並べられておりますが、巨石の謎はまだ解けていません。

カレナック(撮影:ユーラシア旅行社)

聖堂囲い地

聖堂囲い地ギミリオ(撮影:ユーラシア旅行社)

16世紀から18世紀にかけて建造された、壁で囲まれた構内に教会と納骨堂、キリストの磔像が立っています。敬虔なカトリック教徒が多いこの地方の強い信仰心を感じることができます。ギミリオ、ランポール・ギミリオ、サン・テゴネックが有名です。

聖堂囲い地サンテゴネック(撮影:ユーラシア旅行社)

カンペール

カンペール焼き(撮影:ユーラシア旅行社)

「カンペール焼き」という言葉を聞いたことがある方は多いかと思います。カンペールはブルトン語で「川の合流点」の意味で、その名の通りステール川とオデ川が交わる地点に位置しています。5世紀にブルターニュに来たケルト人が最初に作った街で、言語、音楽、服装、祭などに今もケルトの伝統が残っています。毎年7月に開催されるコルヌアイユ祭では、民族衣装を着た人々がケルトの歌や踊りを披露します。

街にはサン・コランタン大聖堂やカンペール美術館、県立ブルターニュ博物館、アンリオ・カンペール工房などのみどころがあります。カンペール焼きは、青や黄色の縁取りに花や蝶、人物などを描いたカラフルな陶器として有名です。アンリオ・カンペールは300年以上の歴史のあるカンペール焼きの老舗で、工房見学も可能です。

ロクロナン

ロクロナンの聖ロクロナン教会(撮影:ユーラシア旅行社)

カンペールから約16㎞に位置する村で、10世紀にこの地でキリスト教の布教活動をしたアイルランドの聖人ロナンを村名の由来に持ちます。ルネサンス期にロクロナンは織物の産地として名を馳せ、モーリシャスやインドのポンディシェリまで広く交易していました。海軍が用いた帆船の帆もこの村で生産されていました。

石造りの建物が並ぶ小さな村ですが、村の広場には豪華なルネサンス期の館が建ち並んでいます。 この村は毎年7月にパルドン祭が行われる村としても有名です。教会でのミサの後、聖人ロナンの聖遺物や旗を掲げて6㎞の道のりを行進します。

ロクロナンのパルドン祭(撮影:ユーラシア旅行社)

ポンタヴェン

ポンタヴェン、トレマロ礼拝堂(撮影:ユーラシア旅行社)

ポールゴーギャンの絵「黄色いキリスト」のモデルになったキリストの木像のあるトレマロ礼拝堂があることで有名です。ゴーギャンはタヒチに移住する前にポンタヴェンに住んでいました。彼の弟子達によってここに芸術村ができ、彼らの作品はポンタヴェン派と呼ばれるようになりました。ポンタヴェン博物館にはポンタヴェン派の作品を多数展示しています。

ポンタヴェン 「黄色いキリスト」のモデルになったキリストの木像(撮影:ユーラシア旅行社)

ラ岬

ラ岬(撮影:ユーラシア旅行社)

フランス最西端の岬です。「地の果て」という言葉がぴったりの、ごつごつとした岩がゴロゴロとある、荒々しい大西洋に突き出している岬です。この岬の先には、勿論肉眼で見ることはできませんが、アメリカ大陸があるので想像して見るのも良い思い出になるのではないでしょうか。

サン・マロ

サン・マロ(撮影:ユーラシア旅行社)

ブルターニュの北の海岸沿いにある海の男の街です。街の名前の由来は6世紀にウェールズから来た聖マロに由来しています。この街の港から多くの船乗りたちが出港し、数々の武勇伝を残しました。カナダ大陸を発見したジャック・カルティエのその一人です。第二次世界大戦中にドイツ軍によって街の大半が破壊されてしまいましたが、崩れ落ちた石を一つ一つ積み上げて歴史的建造物は全て見事に復元されました。現在は中世のそのままの面影を残す城塞都市の高級リゾート地として知られています。

旧市街をぐるりと囲む約2㎞の城壁は、12世紀~18世紀に建てられたもので、美しい海岸線を望む散歩道となっています。海風にあたりながら海と旧市街のどちらの眺めも堪能しながら歩くことが出来ます。塔の砦は歴史博物館となっており、ジャック・カルティエやサン・マロ出身の偉人の資料や海賊たちの石像が展示されています。

ジャック・カルティエ像(撮影:ユーラシア旅行社)

ブルターニュ地方の食事・グルメ・名物料理

ガレット

ガレット(撮影:ユーラシア旅行社)

ガレットはハムやチーズ等の塩味の具をのせた食事用の蕎麦粉のクレープのような郷土料理。ブルターニュでソバの栽培が始まったのは15世紀です。「ソバはやせた土地でも100日で育つ」と聞いたブルターニュ公国の女公アンヌ・ド・ブルターニュが、貧困に喘ぐ農民たちの食糧確保の為に自分の領地にソバ畑を作らせたと伝えられています。日本ではおしゃれな食べ物というイメージのあるソバ粉のクレープには、食糧危機を乗り越えるための策であったという歴史があるのです。

有塩バター

有塩バターもブルターニュの名産品。ブルターニュ地方は潮の満ち引きが大きく、「ゲランドの塩」で有名なように、良質な塩の産地です。有塩バターで作った塩バターキャラメルや塩バタービスケットも名産となっています。

クイニーアマン

日本のパン屋さんでもよく販売されているクイニーアマンは、1865年にブルターニュのドゥワルヌネーで誕生したとされる郷土菓子。ブルトン語でクイニーはバター、アマンはお菓子の意味で、特産の有塩バターを練りこんだパイのことです。

新鮮な魚介類

魚介類(イメージ)(撮影:ユーラシア旅行社)

ブルターニュは海に面しているので牡蠣をはじめ新鮮な魚介類を使った料理もおすすめです。海を眺めながら、海からお皿に直行したような新鮮なシーフードプラッターと塩バターを塗ったパンをご賞味下さい。

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