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緑豊かな山バスクで美味しく癒される(スペイン・フランス)

2021 7/14
目次

山バスク(山側バスク)とは

サン・ジャン・ピエ・ド・ポール(撮影:ユーラシア旅行社)


豊かな自然、穏やかな気候、美しい海、そして美食を求めて世界中の人々がバカンスを楽しみに訪れるバスク地方。その魅力は海沿い(=海バスク)だけではありません。海沿いの町から内陸へ20~30分ほど車を走らせれば、ピレネー山脈の西端にあたる山岳地帯に入ります。
そこには、洒落た雰囲気が漂う海バスクとは異なる、山バスクならではの長閑で素朴な村落の風景があります。そしてこの山麓の村々こそ、美食のバスクに繋がる豊かな食材が生まれるところなのです。

山バスク(山側バスク)への行き方は?

海バスクの町を拠点に公共交通機関を利用して山バスクの村を訪問することができます。バイヨンヌからサン・ジャン・ピエ・ド・ポールへは列車、エスペレットへはバスでアクセスが可能です。サン・ジャン・ド・リュズからアイノアとラ・リューヌ山登山列車の乗車駅まではバスが運行しています。ただし、山バスクの村それぞれを繋ぐ場合、バスや列車といった公共交通機関では効率よく巡ることができず、1日1村の訪問くらいしかできません。旅の予算に余裕がある場合は、タクシーや専用車をチャーターすることで、1日に複数の村を巡ることができます。

市場に並ぶバスクの食材(写真:バスク観光ガイド 大山由美さん)

山バスク(山側バスク)で絶対行くべきおススメスポット5選

サン・ジャン・ピエ・ド・ポール(SAINT-JEAN-PIED-DE-PORT/フランス)

巡礼路の宿場町サン・ジャン・ピエ・ド・ポール(撮影:ユーラシア旅行社)

サンティアゴ・コンポステーラ巡礼路の宿場町であるサン・ジャン・ピエ・ド・ポール。街の中心を走る石畳の緩やかな坂道沿いには、巡礼路であることを示す貝殻の印が至る所に見られます。フランスから出発する巡礼路の主要な4つのルートのうち、パリ・トゥールの道、ウェズレーの道、ル・ピュイの道の3つのルートが合流し、ピレネー山脈越えのスタート地点として人気があります。
サン・ジャン・ピエ・ド・ポールへは、フレンチバスクの首都といわれるバイヨンヌから電車で行くことができ、駅から町の中心地までは歩いてすぐの場所にあり、旅行者にとってアクセスしやすい山バスクの町です。

エスプレット(Espelette/フランス)

白壁に赤い窓枠がかわいいエスプレットのバスク風の家(撮影:ユーラシア旅行社)

村の名前である『エスプレット』とは、フランスではそのまま「フレンチバスク地方で採れる唐辛子」を意味するほど、唐辛子で有名な村です。山バスク特有の民家建築と言えば、白壁に赤い窓枠と赤屋根の家屋ですが、エスプレットではそこに「唐辛子ディスプレイ」が加わわります。真っ白な壁に鮮やかな緋色の唐辛子が吊るされている光景はとても印象的。エスプレットの唐辛子は見た目ほど辛味が強くなくマイルドな味わいが特徴。そのまま野菜として料理に使ったり、粗挽きにしたものを煮込み料理の味付けとして使ったりと、エスプレットの唐辛子はバスク料理には欠かせない逸品です。

壁にかけて天日干しされている唐辛子(撮影:ユーラシア旅行社)

アイノア(Ainhoa/フランス)

イチュリア外観(撮影:ユーラシア旅行社)

ピレネー山麓の緑豊かな森に囲まれたこの村は、サンティアゴ巡礼路の宿場町であり、スペイン側のナバーラとの交易中継地として、17世紀におこった30年戦争による壊滅的な被害を受けるまで栄えました。現在は人口700人弱、30分程度の短い立ち寄りでも歩けてしまう小さな村ですが、是非ともゆっくり滞在して味わいたいとっておきの場所があります。村の散策を楽しんだ後、17世紀に建てられたバスク伝統様式の家屋を改築したレストラン「イチュリア(Ithurria)」での食事をお楽しみください。出される料理はどれも温かみがあり、ホスピタリティも抜群。ここはミシュランで星を獲得した知る人ぞ知る有名レストラン。地元の新鮮な素材を活かしたイチュリアの絶品バスク料理を味わうためにアイノアを訪れる人も多いとか。実はこちら、ホテル「イチュリア」の中にあるレストラン。時間にゆとりがあれば、ここに宿泊してゆっくり滞在することをお勧めします。ミシュランの星付きレストランで絶品の夕食を堪能した後は、可愛い山小屋風の客室に宿泊、山バスクの村でのんびりとした、幸せな時間を過ごすことができます。

バスクの旬の食材をたっぷり使ったイチュリアの前菜(撮影:ユーラシア旅行社)

サン・テティエンヌ・ド・バイゴリ(Saint-Étienne-de-Baïgorry/フランス)

サン・テティエンヌ・ド・バイゴリ(撮影:ユーラシア旅行社)

緑の中に川のせせらぎが聞こえる静かな村、サン・テティエンヌ・ド・バイゴリ―。今も現役で村人の生活を支える17世紀に架けられた石造りの橋から、キラキラと光る川面とその向こうに広がるトランペタ山を眺めていると、穏やかですがすがしい気持ちになります。賑やかなバルストリートも洒落たお店もないけれど、観光客に向けて開かれた街にはない、バスクの人々が送る素のままの日常を感じることができます。

ラ・リューヌ(La Rhune/フランス・スペイン)

木製のトロッコ車両が可愛らしいラ・リューヌ登山鉄道(撮影:ユーラシア旅行社)

ピレネー山脈最西端、フランスとスペインの国境をまたぐラ・リューヌ山。1924年に開通した登山鉄道が、冬の期間を除く3月下旬から11月初旬の間、訪れる人々を麓から山頂まで運びます。フランス側の麓にあるサン・イグナス峠(Col St Ignace)駅から出発する、木組みの可愛らしい車両は観光客でいつも大賑わい。山頂付近の駅まで片道4.2km、約35分の乗車中、オープンエアーの車窓から入ってくる爽やかな山の空気を味わい、バスク地方特有のポチェックという小型の馬や山羊がのんびりと草を食む様子を見ることができます。標高は905メートルと決して高くはない山ですが、山頂からの見晴らしは抜群。フランス、スペイン両バスクのパノラマ、ビスケー湾の水平線、遥か彼方まで続くピレネーの尾根の絶景を堪能することができます。

ラ・リューヌ山頂からのパノラマ(撮影:ユーラシア旅行社)

旬を逃さず楽しみたい絶品 山バスク食材5選

数々のミシュラン星付きレストラン、毎夜賑わうバルに並ぶピンチョス。バスクの美味しい食は、山バスクが産む豊かな食材なくして語ることはできません。山バスクが誇る食をご紹介します。

涙のグリーンピース(旬:春~初夏 3月終わり~6月初め頃)

プチプチした食感とトウモロコシのような甘みが特徴(写真:バスク観光ガイド 大山由美さん)

一粒一粒、人の手で鞘から取り出し、袋詰めされて市場に並ぶ涙のグリンピース。普通のグリンピースよりも小さめで、涙のような形状をしている粒が特徴。値段は一袋(150g)約15ユーロとややお高め。「畑のキャビア」と賞されるほどの美味しさで、バスクの高級レストランの食材にもよく使われる食材です。レストランで調理されたものも当然美味しいですが、採れたてのものをさっと茹でて、バージンオリーブオイルと粗塩でシンプルに味付けして食べるのもお勧め。プチっとした食感とほのかな甘みがたまりません。

涙のグリーンピース(写真:バスク観光ガイド 大山由美さん)

ホワイトアスパラガス(旬:3月終わり~6月初め頃)

市場に並ぶホワイトアスパラガス(撮影:ユーラシア旅行社)

スペイン側のナバーラ州が産地のホワイトアスパラガス。素材そのものの味が深く豊かなので、ソテーにしたり、オーブンで焼いたり、シンプルな調理と味付けで十分に楽しめます。採れたてのホワイトアスパラガスの美味しさは格別。茹でたものにマヨネーズをつけて丸かじりもお勧めです。日本の筍にも似た風味の、バスクの春を代表する味覚です。

バスクの春を代表する味覚(写真:バスク観光ガイド 大山由美さん)

アーティチョーク(旬:冬~春)

アーティチョーク(写真:バスク観光ガイド 大山由美さん)

見た目は大きくて、市場の野菜売り場でも存在感を放つアーティチョーク。しかし、食べられるのは蕾のがくの根本と芯の部分だけ、と僅か。お味が、ほくほくしてゆり根や里芋のよう。肝臓に良いとされ、二日酔いにもよく効くのでバル巡りの際のお酒のつまみにお勧めです。

ギンディージャス・デ・イバラ(旬:夏)

ギンディージャスの畑(写真:バスク観光ガイド 大山由美さん)

スペイン側のイバラという地域で主に生産されている青唐辛子。辛くない唐辛子で、バスク地域であれば、どのバルに行っても必ずある「ヒルダ」というピンチョに使われる食材。瓶詰に加工されている酢漬けのものは年中手に入り、サラダや豆料理の付け合わせなど、様々な料理に使われます。旬の時期に出回るフレッシュなものは、油でさっと炒めて塩をふれば、ワインと相性抜群のおつまみに!

ピンチョヒルダ(写真:バスク観光ガイド 大山由美さん)

イディアサバルチーズ

イディアサバルチーズ(写真:バスク観光ガイド 大山由美さん)

紀元前2200年頃から、この地域で牧羊されてきた、バスクの固有種であるラチャ種とカランサナ種の羊の生乳だけを使用して作るチーズです。セミハードタイプで、臭みやクセが少なく、ミルキーで穏やかな味わいです。イディアサバルを名乗るには最低でも2か月間の熟成が必要で、熟成期間が長くなるほど味にコクが深くなり、羊乳の甘みの中にピリッとした辛味が出てきます。日本に輸入されているイディアサバルチーズは保存がきく燻製タイプが多く、家庭の台所で熟成していたチーズが、台所の煙に燻されたことで偶然誕生したそうです。

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