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スペイン三大祭りのひとつ、パンプローナ・熱狂的な牛追い祭り「サン・フェルミン祭」

2021 7/09
目次

パンプローナの牛追い祭り、「サン・フェルミン祭」とは

牛追いの銅像(撮影:ユーラシア旅行社)

スペイン、ナバラ自治州の州都パンプローナは、ローマの武将ポンペイウスが自身の名前から「ポンペーロポリス(ポンペイウスの町)」と名付けたことに由来します。フランシスコ・ザビエルの生誕地としても知られていますが、文豪アーネスト・ヘミングウェイの名作「日はまた昇る」の舞台となったことをきっかけにパンプローナの名は世界中に広まりました。
そのヘミングウェイが熱中したサン・フェルミン祭は、ナバラ地方のキリスト教の布教に貢献したといわれる3世紀のカトリック司教で、パンプローナの守護聖人である聖フェルミンを称える12世紀の宗教儀式が起源とされています。毎年聖フェルミンの日である7月7日をメインとして6日の正午から14日の24時まで、9日間に渡り開催される伝統行事です。2020年、2021年は新型コロナウイルスの流行により中止となりましたが、牛追いの迫力を求めて例年100万人以上の観光客が訪れ、街中が熱狂の渦に包まれます。

★補足★
イベリア半島には牛が登場する守護聖人祭が多く、これはキリスト教の布教以前に存在した雄牛信仰の名残だと言われています。そして、スペイン人の闘牛には願掛け儀式のような要素が加わったそう。有能な闘牛士には英雄の名誉が与えられることもあり、スペイン人が夢中になった一因とされています。

パンプローナの場所と行き方、アクセス

パンプローナはスペイン北東部、フランスの国境に近くに位置しています。日本からパンプローナへの直行便は就航していないため、スペインの首都マドリード(約14時間30分)やバルセロナ(約15時間)で乗り継ぐ必要があります。マドリードとバルセロナからパンプローナまでの所要時間はほぼ同じくらいで、電車で約3時間、車で約5~6時間、飛行機で約1時間。パンプローナ空港からパンプローナの市内中心部までは約6㎞、車で約10分です。
※航空便の運行スケジュールは、各航空会社のホームページをご確認ください。

サン・フェルミン祭「エンシエロ」とは

サンフェルミン祭のエンシエロ(撮影:ユーラシア旅行社)
朝8時スタートを示す牛追いの看板(撮影:ユーラシア旅行社)

7月6日の正午に市役所から花火が打ち上げられ、サン・フェルミン祭はスタートします。バグパイプ楽団が音楽を奏でながら街中をパレードし、人々はお酒を飲み、歌い、踊ります。
翌日の7日から14日までの期間中、毎朝8時からお祭りのメインである「エンシエロ」が行われます。エンシエロはスペイン語で「囲い込み」という意味で、闘牛を闘牛場に移動させることですが、日本では「牛追い」で浸透しています。

飾られた聖人像(撮影:ユーラシア旅行社)

初めてこのお祭りを見る方は、観衆の凄まじい熱狂ぶりに驚くかもしれません。十数頭の猛牛が次々と放たれ、闘牛場を最終地点とする約1kmにわたるコースを時速30km近くのスピードで通りを走り抜けていきます。この数分間という短い時間ですが、人々はとても熱狂します。牛追いの様子は人が牛を追い込むというよりも、むしろ人と牛が一緒になって走っていると言う方が正しいかもしれません。闘牛場に追い込まれた牛は、午後には人気闘牛士と対決することになります。

バルコニーからの観戦がお勧めです。(撮影:ユーラシア旅行社)
スマートフォン用のショート動画(縦型)です。(撮影:ユーラシア旅行社)

パンプローナのオススメ観光地3選

サン・フェルミン祭の開催宣言の場、パンプローナ市庁舎

パンプローナ市庁舎(撮影:ユーラシア旅行社)

サン・フェルミン祭では、市庁舎のバルコニーで市長が開始を宣言します。市庁舎広場には人々が集まり、街中の景色は衣装の白と赤に染まります。市庁舎の隣には13世紀に建てられたゴシック様式のサン・サトゥルニーノ教会(別名をサン・セルニン教会)があります。2本の塔には鋸壁をもち、かつての防衛機能を垣間見ることができます。古い回廊には街の共同守護聖人であるカミーノの聖母を祀ったバロック様式の礼拝堂があります。

建築技術に魅せられる、パンプローナ大聖堂

パンプローナ大聖堂(撮影:ユーラシア旅行社)
パンプローナ大聖堂内部(撮影:ユーラシア旅行社)

12世紀のロマネスク様式の建物を基礎として1397年に建設が始まり、1501年に完成しました。主祭壇にはサンタ・マリア・ラ・レアル聖母の像が飾られており、ナバラ王国の王たちはこの聖母の像の前で誓いを立てたといわれています。14~15世紀のゴシック式ですが、正面のファザードはベントゥラ・ロドリゲスが手掛けたスペイン有数のネオクラシック様式のため、一見新しい建物かと勘違いしますが中に入ると純粋なゴシック様式で厳かな雰囲気が漂います。美しい中庭回廊に魅せられることでしょう。

サンタ・マリア・ラ・レアル聖母の像(撮影:ユーラシア旅行社)

先史時代からの歴史が刻まれるナバラ博物館

ナバラ博物館はパンプローナの旧市街、アルガ川近くに位置しています。先史時代から今日に至るまでのナバラの遺産が展示されています。先史時代の考古学遺品や古代ローマの遺品、ロマネスク芸術やイスラム芸術のほか、ゴシックやルネサンス様式の作品、17世紀~18世紀の絵画コレクション、19世紀のナバラ出身の芸術家たちの絵画など様々な遺品や作品があります。

パンプローナは牛追い祭りだけではなく食も熱い!

ヘミングウェイが通ったカスティージョ広場のカフェ・イルーニャ(撮影:ユーラシア旅行社)

パンプローナは牛追い祭りのイメージが先行していますが、日本人の口に合う食事が多いのも魅力のひとつなのです。中でも、訪れたいのはバル街。エスタフェタ通りに行くと歩道の左右にバルが並んでいます。滞在中、バル巡りをしてお気に入りの店を見つけるのも醍醐味。
また、カスティーリョ広場のカフェ・イルーニャはヘミングウェイが通ったことでも知られており、等身大の像がカウンターの端で迎えてくれます。

カフェ・イルーニャのピンチョス(撮影:ユーラシア旅行社)

ナバラはフランスとの国境近くに位置し、サンティアゴ・デ・コンポステーラ巡礼フランスの道の一つの出発点としても知られ、巡礼者によるワイン需要もあったことから、実はワインの歴史も深いのです。比較的安価に楽しめるナバラワインを嗜みながら好みのタパスを選び、時間を忘れてゆっくり過ごしてみてはいかがでしょうか。

バルが並ぶエスタフェタ通り(撮影:ユーラシア旅行社)

【番外編】スペイン三大祭り

スペインには三大祭りといわれる有名な祭りが存在しています。そのうちの一つは今回ご紹介したパンプローナの牛追い祭り「サン・フェルミン祭り」ですが、他の二つの祭りは何かご存知でしょうか?

セビリアの春祭り

セビリアの春祭りにて(撮影:ユーラシア旅行社)

毎年4月にアンダルシア州のセビリアで行われる春祭り(フェリア・デ・アブリル)です。もともと、19世紀に開かれていた畜産市に由来しており、カセッタと呼ばれるテントが街の通りに並びます。当時はこのカセッタは売り手と買い手が商談する場でしたが、現在に至るまでに商売の場からお祭りの場に変わっていきました。セビリアの春祭りに訪れるとまず目に留まるのが女性たちの華やかな衣装。アンダルシアの彩り豊かな伝統衣装に身を包み、フラメンコを踊ります。

セビリアの春祭りのカセッタ(テント)内でフラメンコ(撮影:ユーラシア旅行社)

バレンシアの火祭り

バレンシアの火祭りにて(撮影:ユーラシア旅行社)

もうひとつの祭りはバレンシアの火祭りです。この火祭りは毎年3月19日のサン・ホセ(聖ヨセフ)の祝日に合わせて開催されます。中世、冬が明けた3月にバレンシアの大工職人が古道具や手作りの木屑など持ち寄り焚火をし、聖ヨセフに捧げて加護を祈ったことが始まりとされています。後に一般市民も参加するようになり、現在では毎年バラエティに富んだファジャ(張子人形)が各地区で作られ、700以上の人形があちらこちらで飾られるようになりました。このお祭りは3世紀に渡り受け継がれており、2016年に世界無形文化遺産に登録されています。火祭り本番の3月19日22時、ファジャに爆竹が巻き付けられ、点火すると一斉に燃え上がります。この燃えゆく人形に人々は新たな1年のための願いを託すそうです。

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