ポストイナ鍾乳洞とは
スロベニア南西部のカルスト台地地下部に広がるヨーロッパ最大級の鍾乳洞であるポストイナ鍾乳洞。19世紀に内部が探検され、内部を訪れた者はその美しい鍾乳石に魅了されました。当時のハプスブルグ王家の一族や有力者たちも訪れ、ポストイナ鍾乳洞は世界でも最も早く観光地化された洞窟となりました。1872年には内部観光用のトロッコ列車も敷設されました(日本で新橋横浜間の列車開通と同年)。
長年に渡るピウカ川の浸食によって形成されたポストイナ鍾乳洞は全長24km、深度は110mに達します。夏でも常にひんやりとした空気が流れ、今でも世界中から数多くの人々が訪れ続けます。
ポストイナ鍾乳洞への行き方、アクセス
ポストイナ鍾乳洞は、スロベニアの首都リュブリャナから約50km、車やバスで約1時間で到着できます。
また、イタリアのトリエステ、クロアチアのリエカからもそれ程遠くなく、訪れる事も可能です。
ポストイナ鍾乳洞のみどころ
ポストイナ鍾乳洞は順路が決まっていて、最初にトロッコ列車に乗って3.7km進み、その後徒歩で1.5km歩きます。全体で約90分の観光になります。
トロッコ列車乗車
洞窟に入ってすぐに名物のトロッコ列車の乗車駅があります。ここで乗車し、いざ鍾乳洞探検の旅へ。実は結構スピードが出るのでしっかり掴まって鍾乳洞の絶景を楽しみましょう。
途中ライトアップされた幻想的な鍾乳石がいくつも見られ、後半にはムラノガラスのシャンデリアが飾られたダンスホールと呼ばれる広間を通過します。
トロッコ列車の迫力は、動画で是非お楽しみください。
徒歩での鍾乳洞観光
トロッコ列車を降りたら、ポストイナ鍾乳洞の最も深い一帯に入ります。地球の歴史が形作ってきた芸術的な鍾乳石がこの辺りでも見られます。特に”ブリリアント”と呼ばれている白い鍾乳石は必見です。
ロシア人達が作ったロシア橋もあります。第一次世界大戦時の捕虜と言われているので、観光地としての歴史を感じさせます。
終点はコンサートホールと呼ばれる広大な空間。最大1万人入れると言われています。
ポストイナ鍾乳洞の多様な生態系
実はポストイナ鍾乳洞は生物がそれなりに生息していて、固有種の数も多い事で知られています。中でも両目がないホライモリは、17世紀から存在を知られており、ベイビードラゴンと呼ばれていました。最大10年何も食べなくても生きていける驚異の生命力を持っており、今ではポストイナのシンボル的存在です。