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日本三大霊場のひとつ“恐山”は,背筋凍りそうでいて,じつは熱い!?(青森)

2022 6/08
目次

恐山とは

恐山とは、青森県の下北半島の中央部に位置する活火山のことで、カルデラ湖である宇曽利湖、その周りに8峰の外輪山(釜臥山、大尽山、小尽山、北国山、屏風山、剣の山、地蔵山、鶏頭山)の総称です。霊場やイタコで有名なお寺は、正式名『恐山菩提寺』といいます。ここは日本三大霊場のひとつであり、あの世とこの世をつなぐ場所ともいわれています。

恐山菩提寺の創健者は、天台宗の慈覚大師円仁。唐に留学中にみた夢枕のお告げに従って、帰国後に仏道を広げるための霊山を探し歩き、行きついたのが日本最北端の地・恐山でした。

湖の周りに8つの外輪山といった地形は、“八葉の蓮華”のようであり、草木が生えず、岩の隙間から吹き出す蒸気、青く澄んだ湖と湖畔の白浜の対局した光景は、まるで地獄と天国。西暦862年、大師様はお堂を建立し、夢枕のお告げ通り地蔵尊を1体彫り、祀りました。

恐山菩提寺
恐山菩提寺(撮影:ユーラシア旅行社)

恐山へのアクセスは?

恐山へのアクセスは、個人でいくとなるとレンタカーが便利で、観光時間もしっかり確保できオススメ。
公共交通機関を利用する場合、JR大湊線(野辺地駅~大湊駅)に乗車し、終点大湊駅のひとつ手前〔下北駅〕で下車。もしくは季節限定で本数が少ないのですが、青い森鉄道線(青森県の第三セクター)が、下北駅まで乗り入れる列車もあります。
下北駅では、列車の到着を待っている恐山行の公共バス(またはタクシー)に乗り換えます。

個人で交通機関の手配や乗り継ぎなどが難しそうだな、と思われる人は、恐山観光が含まれるパッケージツアーで行くというのもひとつの手段。

公共交通機関を利用する人は、訪問前に時刻表等の確認を忘れずに。列車やバスは、本数が少ないので、戻りのバス発車時間によっては現地での滞在時間がタイトになります。また、恐山観光後の予定(宿泊地への移動、新幹線、飛行機などの時間)に支障がでないかなど事前確認しておくことをお勧めします。

恐山は怖くない?!

“日本三大霊場のひとつ”、“死者の魂を口寄せするイタコ”など、怪奇ミステリーな言葉やフレーズからどんな怖いところだろうと想像していくと、恐山菩提寺の総門前には巨大駐車場や売店が!総門から山門へ、まっすぐに伸びる綺麗な参道は、「本尊安置地蔵殿」へ続いています。さらに敷地内をまわれる遊歩道があり、遊歩道にそっていけば地獄と極楽をみていくことができます。お地蔵さまと風車、荒涼とした大地と輝く湖など不謹慎ですが、なんともフォトジェニックな光景。

お地蔵様の背後には、立派な山門(撮影:ユーラシア旅行社)

お地蔵様に祀られる風車は、亡くなった小さなお子さんへの供物です。触ったり、抜いたりはご法度です

六道(人道・天道・地獄道・餓鬼道・畜生道・修羅道)から救済してくれる六地蔵尊
(撮影:ユーラシア旅行社)

「本尊安置地蔵殿」の背後には、緑が生い茂る小山があり、生命感あふれる光景が広がっています。しかし、地蔵殿に向かって左(方位でいうとやや南西)へと進むと、草木が生えていない大地に小石がゴロゴロ、あちこちに石が積みあがった小山、吹き出す蒸気という光景が広がります。遊歩道の名称は“地獄めぐり”。賽の河原、血の池地獄などを巡っていきます。

撮影:ユーラシア旅行社
撮影:ユーラシア旅行社

地獄のなかの極楽? 秘湯 恐山温泉

恐山を訪れる人のなかには、目的として♨温泉♨という人もいます。そうなんです、恐山は秘湯にあたる温泉があるのです。入山料を支払ってはいる恐山菩提寺境内にある温泉入浴自体は、無料!しかし脱衣所、洗い場などの設備は一切ありません。タオルは持参必須(入山前の売店でタオルの販売あり)。かろうじてかけ湯の洗面器があるぐらいです。湯温が熱いし硫黄泉なので、短時間浸かれば、ぽっかぽか。男湯・女湯・混浴があります。

独立した脱衣所や洗い場はありません。タオルなどは持参必須。マナーとして、かけ湯は必ずして入りましょう。そして入浴後、服に硫黄臭がうつります。一張羅は着ていかないことをオススメします。
その他、注意事項の張り紙がしてありますので、必ず読んでから入浴することが重要です(時間にゆとりをもっていたほうがいいですね)。

建物に入るとすぐ目の前に温泉が(撮影:ユーラシア旅行社)

ただし、公共交通機関や団体ツアーで訪れた場合、滞在時間に制約があり、のんびり入浴すると境内観光が駆け足になったり、全部をじっくり巡ることができなかったりすることもあるので注意。のんびり観光とのんびり温泉を楽しみたい方は、個人でレンタカー利用で訪れるのがおすすめ。もしくは行く前に交通機関の時刻表をチェックし、はやい時間に到着してリターンのバスまでの間に余裕があるよう念入りな計画をたてて行きましょう。

恐山菩提寺には、宿坊があるので宿泊するプランでいけば、時間を気にすることはありません。宿坊の大浴場なら、脱衣所、洗い場の設備もあります。

撮影:ユーラシア旅行社

極楽と地獄をあわせもつのが、恐山

地獄めぐりのなかで、通常ルートから逸れ、坂道をあがった境内を一望できる場所からの眺め
(撮影:ユーラシア旅行社)

恐山には、地獄めぐりで見るような荒涼とした場所、水子供養の美しくも儚い光景などがありますが、極楽浄土のような宇曽利湖、湖畔の白浜など美しい光景もあります。また秋になると周辺の山が紅く染まり、自然美を愛でることができます。

紅葉の時期の恐山(撮影:ユーラシア旅行社)

開山期間は、通常毎年5月1日~10月末日。冬季は閉山しますので、訪れる計画時には、この点を気を付けてください。

恐山の解説動画(撮影:ユーラシア旅行社)

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