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南米の王者ジャガー(動物、大型ネコ科)

2022 6/19
目次

ジャガーとは

パンタナール湿原のジャガー(撮影:ユーラシア旅行社)

哺乳綱食肉目ネコ科ヒョウ属に属するジャガーは、中南米一帯の森を中心に生息しています。体長は110-150cmでネコ科ではトラ、ライオンに次ぎ、ヒョウやチーターよりも大きいです。体の模様はヒョウに似ていますが、模様の中心に黒点があるので見分ける事が出来ます。中南米では、食物連鎖の頂点に立ち、力のシンボルとして古来より神格化されて崇拝の対象になってきました。

ジャガーの生態

川辺を歩くジャガー(撮影:ユーラシア旅行社)

基本は夜行性ですが、日中行動する事も少なくありません。主に密林の中で過ごしますが、湿地や川に出てくる事も多いです。また、水があまり好まない大型ネコ科にしては珍しく、泳ぎも得意です。行動は単独性で繁殖期のみオスとメスが一緒になり、その後2年前後かけてメスが子供を育てます。

頻繁に川に入るジャガー(撮影:ユーラシア旅行社)
泳ぎも得意なジャガー(撮影:ユーラシア旅行社)

食性は多様で森や湿地、川に住む様々な動物を食べます。陸上の哺乳類から爬虫類、川の魚類や両生類などなんでもです。特に餌に恵まれているブラジルのパンタナール湿原の個体は種の中でも最も大きくオスは120-140kgまで大きくなることも少なくありません。
狩りは獲物の近くまで忍び寄って奇襲をかける形が基本です。陸上の哺乳類から爬虫類、川の魚類や両生類などなんでも食べます。下部の世界一有名なジャガーの狩りのビデオでは、ワニのように水面を進み、陸上に上がってもその俊敏さを生かして獲物を仕留めるジャガーの特性が映し出されています。

ジャガー信仰

チャビン・デ・ワンタル遺跡(ペルー)のジャガーの彫刻(撮影:ユーラシア旅行社)

食物連鎖の頂点に立ち、人前には姿をそれ程現さない神秘的な存在のジャガーは、アステカ、マヤ、インカ等中南米の主要な古代文明においても篤く信仰されて来ました。その信仰の跡は、今日でも各地に残る神殿や壁画に見ることができます。

チチェンイッツァの神殿に刻まれたジャガーのレリーフ(撮影:ユーラシア旅行社)

ジャガー観察

ジャガーの看板(撮影:ユーラシア旅行社)

他の野生動物同様、ジャガーも人間による開発や居住地域の拡大、狩り等によって生息域は狭まっており、生息数も減少の一途を辿っています。元々日中の行動は限定的でかつ密林深くに生息している為、ジャガー観察はサバンナのライオンを見つけるのよりも遥かに困難です。

パンタナールの川辺でまどろむジャガー(撮影:ユーラシア旅行社)

ジャガーの主要生息域の一つであり、世界最大の湿原でもあるブラジルのパンタナール湿原地域は、いち早くジャガーの保護活動に取り組み、生体数が回復傾向にあります。近隣に多い牧場主の家畜がジャガーに襲われる被害に一定の補償をしつつ、ジャガー観察の観光客を呼ぶ事で牧場主に別の収入源も作り出す試みです。

パンタナールでボートに乗ってジャガーサファリ(撮影:ユーラシア旅行社)

パンタナール湿原は乾季と雨季がはっきりしており、乾季は湿原や川の水位が大きく下がって野生動物も水辺に出てきて観察しやすくなります。ジャガーも獲物を求めて日中川辺に出てくる事も多くなるので、観察しやすい季節です。(逆に雨季は動物が水辺に集まらない為、ジャガーの観察は困難です)

パンタナールの川辺を歩くジャガー(撮影:ユーラシア旅行社)
パンタナール湿原のジャガーと動物たち(撮影:ユーラシア旅行社)

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