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古代マヤ文明最大級の都市ティカル遺跡(グアテマラ)

2023 10/06
目次

ティカル遺跡とその歴史とは

ティカル遺跡の中心グランプラザ(撮影:ユーラシア旅行社)

グアテマラ北部のペテン低地の密林に佇む古代マヤ文明最大級の都市遺跡ティカル。
紀元前から都市が形成され、紀元後2世紀頃に有力都市として徐々に台頭します。マヤ地域ではカラクムル(メキシコ)やカラコル(現ベリーズ)と激しい勢力争いを繰り広げ、さらにテオティワカンに征服されてその後も強い影響を受け続けが、特に6-7世紀にかけて今日まで残るピラミッド型神殿を中心とした壮大な建築群が築かれました。

グアテマラ国立考古学民俗学博物館所蔵ティカル遺跡の模型(右手前が1,2号神殿やグラン・プラザ)(撮影:ユーラシア旅行社)

しかし9世紀以降、ティカルを始めとするマヤ文明圏の都市群は徐々に人口が減り、勢力も衰え、都市も打ち捨てられて行きます。その理由は長く続く都市間の争いや天災、或いは土壌劣化による食糧難等諸説ありますが、その真相は謎に包まれたままになっています。11世紀頃にはティカルは人の姿も消え、完全に密林に覆われて歴史の表舞台から完全に姿を消します。

4号神殿頂上部より(撮影:ユーラシア旅行社)

ティカル遺跡への行き方、アクセス

ティカルはグアテマラ北部、空港もある都市フローレスから車で約1時間。フローレスからバスやタクシーで訪れる事ができます。ティカル遺跡周辺にもホテルがあるので、遺跡をじっくり見たり、朝日を観賞したい方は周辺ホテルでの宿泊がお勧めです。

ティカル遺跡のみどころ

グランプラザ

グランプラザ(撮影:ユーラシア旅行社)

ティカル遺跡の中心部。南北にはアクロポリスが、東西には1号神殿と2号神殿が建ち、古代ティカルのかつての栄華を今日に伝えます。

1号神殿

1号神殿(撮影:ユーラシア旅行社)

グランプラザの東側に建つ1号神殿は高さ47mを誇るティカルのランドマーク。8世紀半ば、ティカル最盛期の王ハサウ・チャン・カウィルの墓と考えられており、750年頃に建設されました。ピラミッドは9層からなり、マヤ低地の典型的な傾斜が急な建築様式で建てられています。頂上部にはジャガーの彫刻があった事から”偉大なるジャガーの神殿”とも呼ばれています。

2号神殿

グランプラザで1号神殿の真向かいに建つ神殿。高さは1号神殿より少し低い38mで建造は1号神殿より少し古い700年頃と考えられています。1号神殿に葬られた王ハサウ・チャン・カウィルの王妃が眠っているとされています。頂上部に仮面の彫刻があった事から、仮面の神殿とも呼ばれます。

3号神殿

3号神殿(撮影:ユーラシア旅行社)

グランプラザの西側の外れに位置する3号神殿はティカルの巨大建造物で最も後期に建設されたと考えられています。高さは55mを誇り、遺跡を歩いている最中や4号神殿からも密林の上に聳える姿を確認できます。頂上部の彫刻から、司祭の神殿とも呼ばれます。

4号神殿

4号神殿(撮影:ユーラシア旅行社)

ティカル遺跡の一番西側に位置する4号神殿は、ティカル最大のピラミッドであり、マヤ全体でも最大級の古代建築物です。8世紀半ば、1号神殿と同じ頃に建設され、高さは約70mにも及びます。4号神殿は背後に木製階段が造られており、主要神殿の中で唯一上部まで上る事が出来ます。東側には密林越しに前述の1-3号神殿を望む事が出来、天候が良ければ同じ方向に日の出も現れます。

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4号神殿頂上部で朝日を待つ(撮影:ユーラシア旅行社)
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4号神殿から望む朝日(晴天時撮影:ユーラシア旅行社)

ちなみに4号神殿上部は、スターウォーズシリーズの最初の作品『エピソード4』で、主人公が加入してシリーズ中、帝国と戦い続ける反乱軍の隠れ基地からの風景として登場します。

4号神殿から映画と同じ角度でポーズ(撮影:ユーラシア旅行社)
下の画像は映画で見張りが4号神殿から密林を望む場面

5号神殿

5号神殿(撮影:ユーラシア旅行社)

5号神殿は、グランプラザの南方向に位置する木々に囲まれた一角に佇んでいます。高さは57mにも及び、ティカルでも4号神殿に続いて2番目に高いピラミッド(神殿)です。建設は700年頃で正確な用途は分かっておりません。

6号神殿

6号神殿(撮影:ユーラシア旅行社)

ティカル遺跡の東南の外れに偶然発見された神殿。まだ発掘もあまり進んでいない為その全容を見る事は出来ませんが、地上に露出した頂上部は保存状態も良く、神聖文字が刻まれていることから『碑銘の神殿』と呼ばれています。

失われた世界

失われた世界の神殿(撮影:ユーラシア旅行社)

ティカルの南西部に位置するのが『失われた世界』と呼ばれるティカルの中でも最も古い建造物が並ぶ地区です。中央に建つこの神殿もティカルの他の神殿より数百年早い4世紀頃に建てられました。頂上部までの四面全てに階段があり、30mを越える高さの頂上は他の神殿とは異なり、平らなスペースが広がっています。

アクロポリス

北アクロポリス(撮影:ユーラシア旅行社)

ティカル遺跡中心部、何代にも渡って増改築が重ねられたアクロポリス群もティカルの歴史を静かに語り続けている遺構です。グランプラザの北側にある北アクロポリス、南側にある中央アクロポリス、さらに少し離れた南アクロポリスの3ヶ所にあります。

南アクロポリス(撮影:ユーラシア旅行社)

聖なる木セイバ

聖なる木(撮影:ユーラシア旅行社)

ティカル遺跡の入口近くに建つ巨木セイバ。このセイバの木は世界三大花木に数えられる木で高さ50mまで伸びます。マヤの時代から神聖視され、大事なイベントもこの木の下で行われる事がありました。

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