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世界でも最も古い大都市の一つアレッポ(シリア)

2023 2/10

シリア第二の都市アレッポは、四千年以上の歴史を持ち、地球上でも大都市として機能し続ける最古の都市の一つに数えられます。そのアレッポが2011年から10年以上続く事になるシリア内戦の激戦地となり、さらに2023年2月6日に起きたトルコ・シリア地震で壊滅的な被害を被りました。
この記事では内戦が終了し、アレッポの街も復興し、ツアーで再びこの歴史に満ちた栄光のアレッポを訪れられる日が来るのを祈り、アレッポの歴史と地震、内戦前のアレッポの姿を紹介します。

目次

アレッポとは?その歴史と成り立ち

2010年頃のアレッポの街並み(撮影:ユーラシア旅行社)

アレッポの都市としての痕跡は7000年近く遡る事ができますが、古文書にも登場する重要な都市の地位に上ったのは5000年前から4000年前の間です。メソポタミア地方と黒海、アジアと地中海を結ぶ交易の十字路に位置するアレッポは戦略的要地で都市はその後も成長を続けます。ヒッタイト、マケドニア、ローマ、イスラム教徒、モンゴル帝国、オスマン帝国など何度も地域の支配者が入れ替わる中でもアレッポは一定の自治を保ち、都市としての重要性を失うことはありませんでした。

シルクロードもアレッポを経由し、商業的にも大きく栄え、現代に残る広大なスーク(商店街)も誕生しました。途中1138年には人類の歴史に残る大地震に見舞われて街が大きな被害を被り、その後も戦災や天災に悩まされながらも何度でも力強く蘇って来ました。現代では人口は200万人にも及びます。

歴史上ひと時の栄華を極めた都市は世界中に数多く存在しますが、4000年以上もの間繁栄し続けてきた都市はほとんどなく、アレッポは稀有なる存在と言えます。そしてこれからも続く長い歴史の中でまた力強く蘇る日が必ず来る事でしょう。

2010年頃のアレッポの街並み(撮影:ユーラシア旅行社)

アレッポの場所

シリア北部に位置するアレッポは主要な道の十字路に位置しており、車でシリアや近隣諸国からもアクセスしやすいです。また、国際空港もあります。
※シリアのインフラは内戦で大きな被害が出ています。

アレッポのみどころ

アレッポのシタデル(城塞)

2010年頃のアレッポの城塞(撮影:ユーラシア旅行社)

何千年にも渡ってアレッポの街中心部の丘の上からその歴史を見つめ続けて来たシタデル(城塞)。軍事的要衝地らしく、4000年前から軍事施設が建てられ、何度にも渡って増改築を重ねながら今日に至っています。21世紀まで残った城塞の大部分は、中世に十字軍やモンゴルと戦ったイスラム教徒勢力が造営した姿でした。籠城戦にも用いられたシタデル(城塞)の内部は街のようになっており、アイユーブ朝の宮殿やハマム(浴場)、モスクも残っていました。

2008年頃のアレッポの城塞頂上部(撮影:ユーラシア旅行社)

アレッポのスーク(商店街)

2007年頃のアレッポのスーク(撮影:ユーラシア旅行社)

シタデルのすぐ前に広がっている世界最大の屋根に覆われた歴史的市場、アレッポのスーク(商店街)です。シルクロードを渡ってきたシルク、アラビア方面から来たスパイスや香料、シリア地域の農産品や毛織物、名物の石鹸など所狭しと店と商品が並ぶスークとその活気はアレッポの象徴でした。残念ながら内戦で大きな被害を被りましたが、アレッポの顔でもあるスーク復活への地元民の熱い想いが少しずつスークの灯を再び灯らせて来ました。

2010年頃のアレッポのスーク(c)Dosseman(CC BY-SA 4.0)

アレッポの石鹸
中世から製造していたとも言われるアレッポを代表する名産品。原料はオリーブが中心でオリーブ石鹸とも呼ばれます。美容効果が非常に高いとされ、世界的にも人気を博しています。なお、実際に日本でも株式会社アレッポの石鹸社がシリア産の石鹸を取り扱っておりますので、ご興味ある方は同社のサイトもご覧ください。

アレッポの石鹸(c)Bernardpascal(CC BY-SA 2.0)

アレッポのグラン・モスク

2008年頃のグラン・モスク(撮影:ユーラシア旅行社)

アレッポの信仰の中心グラン・モスク(大モスク)はスークのすぐ横に建っていました。元は8世紀頃にイスラム教勢力(ウマイヤド朝)が初めてアレッポに到達した時に建てられ、中世に拡張工事がなされて現代に至りました。スーク同様に内戦の戦火によって機能不全に陥りましたが、アレッポ市民の心の拠りどころであるこのモスクもそう遠くない未来により一層美しく、強く蘇る事でしょう。

2008年頃のグラン・モスク(撮影:ユーラシア旅行社)
アレッポは含みませんが、内戦前のシリアの姿が見られる映像(撮影:ユーラシア旅行社)

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※シリアのツアーは休止中です。

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