メディナ駅とハラマイン高速鉄道とは
メッカと並ぶイスラム教二大聖地のひとつメディナは古来よりアラビア半島からレバント地方(現在のシリア、ヨルダン、レバノンなど)を結ぶ交易路の中継都市として商業的にも重要な位置にありました。それゆえオスマントルコ帝国が領内に鉄道を敷設する際にダマスカス(現シリア)からメディナに至るルートが選ばれたのも自然な成り行きでした。その時敷設されたヒジャーズ鉄道は第一次世界大戦時にアラビアのローレンス率いるアラブ軍によって破壊されました。映画化されているのでご覧になった事ある方もいらっしゃると思います。(尚、メディナのヒジャーズ鉄道駅は町中心に近く、現在も博物館として開いています。)
ヒジャーズ鉄道は戦後修復される事もなく打ち捨てられましたが、その約100年後にハラマイン高速鉄道が登場し、メッカとメディナを結びます。2009年から工事が始まり、2018年の開通に合わせて新しいメディナ駅が完成しました。
ハラマイン高速鉄道メディナ駅ご紹介!
駅入口
2018年に完成したハラマイン鉄道のメディナ駅は、最新鋭の駅でさながら空港のよう。外観や内装のデザインには、メディナのランドマークである預言者のモスク、さらにやしの木のモチーフも取り入れ、建物そのものが見どころになっています。
手荷物検査場
駅に入ってお店が並ぶエリアからホームに向かうときに荷物検査があります。このあたりも空港を髣髴させます。
待合エリア
荷物検査や改札を抜けると、空港の出発ロビーのような広大な待合エリアに入ります。所々にお洒落なディスプレイのお店も見られます。
ビジネスクラスラウンジ
ハラマイン鉄道は、ツークラス制でエコノミークラスとビジネスクラスがあります。ビジネスクラスにはラウンジもあります。
ビジネスクラスのラウンジも空港にあるものそのもので、飲み物や軽食が並ぶ台と椅子・テーブルが並んでいます。
ホームと車両
出発時刻が近づいたら、待合エリアからエスカレーターで下ってホームへ。
ハラマイン高速鉄道の車両は、スペインの高速鉄道AVEで活躍しているタルゴ車両が用いられています。
エコノミークラスの座席にも各席にモニターが付いていてゆとりもあります。イスラム教徒であれば、二大聖地のメディナからメッカまで約2時間30分、また観光客が利用するジェッダの空港までは約2時間弱で到着します。ちなみに料金はメディナ/メッカ間でエコノミーが約6,000円、ビジネスクラスが倍の約12,000円ですが、需要によって変動しますので、ご注意ください。