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アラビアのロレンスの世界、世界遺産ワディ・ラム保護区(ヨルダン)

2022 10/04
目次

ワディ・ラム保護区とは

ワディ・ラム保護区(撮影:ユーラシア旅行社)

中東のヨルダンにあるワディ・ラムは、別名「月の谷(ムーンバレー)」と呼ばれ、ユネスコの世界遺産にも登録されている自然保護地域です。サウジアラビアとの国境近くにあり、面積は742㎢で東京23区がすっぽりと入る大きさです。赤茶色の砂漠が広がり、自然が生み出した多くの奇岩や渓谷が点在し、古代の壁画もあり、ヨルダンの壮大な景色を楽しむことができます。映画の撮影場所としても使用されることも多く、「アラビアのロレンス」や「オデッセイ」(火星の表面に見立てて撮影)、「スター・ウォーズ」などのロケ地となったことでも有名です。現在、遊牧民族のベドウィンがワディ・ラムを管理していて、撮影場所や案内を頼むこともできます。

ワディラムの歴史はとても古く、約1万2000年に渡り人が暮らしていた形跡が残っています。5000年ほど前から砂漠化が進みましたが、かつてのワディ・ラムは多くの川が谷間を流れる渓谷で緑があふれていました。古代は地中海世界とアジアを繋ぐ交易路となり、この砂漠をラクダのキャラバンが行き交い宿場町として栄えていました。

ベドウィンとは?
中東の砂漠を中心に住み、羊やラクダの放牧を行い、生活を営んでいる遊牧民族。

ワディ・ラムの場所、行き方とアクセス

ワディ・ラムはヨルダン南部のアカバ県にあります。アカバから車を使用すると約1時間、アンマンから約4時間、ペトラから約2時間程で到着します。公共交通機関を使用する場合、アンマンから直接ワディ・ラムには行けない為、アンマンからジェットバス(JETT BUS)でアカバへ行き、アカバの地元のバス停から直行のバスが出ています。総じてアクセスがあまり良くない為、ツアーの利用もお勧めです。

ワディ・ラムのみどころ4選

壮大な赤い砂漠と奇岩

ワディ・ラムをジープで疾走!(撮影:ユーラシア旅行社)

ワディ・ラムでは、ラクダやジープに乗って広大な砂漠を散策することができます。ジープの荷台にのり、青空の下どこまでも続く赤い砂漠、無数の奇岩を見ると火星を彷彿とさせ、ワディ・ラムの壮大な景観を堪能できます。赤い岩や砂漠は、鉄分が含んだ雨水が岩などに染み込み、長い年月をかけて錆びついた為です。ドライバーさんは目印もない広大な砂漠を、地図など見ずに写真スポットや有名な観光地に案内してくれるので、驚きます。砂岩と花崗岩で出来た奇岩も見どころの一つです。自然に出来たきのこや象など様々な面白い形をした石や、途方もない年月をかけて風が岩をくり抜き出来た石橋がいくつもあります。石橋の高さは、高いところで地上から15mもあり、人が渡ることもできます。時間があれば、ガイドさんに頼んで石橋や砂漠をの上を実際に歩いてみるのも楽しいかもしれません。

自然に出来た石橋(撮影:ユーラシア旅行社)

スターウォーズシリーズの完結編(エピソード9)の有名な下記シーンもワディ・ラムで撮影されました。宇宙の惑星らしいワディ・ラムの風景がスターウォーズに馴染んでいます。

古代の岩絵

古代の岩絵(撮影:ユーラシア旅行社)

ワディ・ラムは砂漠と岩の壮大な景色だけでなく、古代ナバテア王国時代の壁画が残っており、約25,000の岩絵彫刻と約20,000の碑文が見つかっています。砂漠にそびえる巨大な岩山のハザリ渓谷は、かつて川が流れていたことが分かっており、出産する女性の姿やライオンの岩絵、人間の足跡も残っています。砂漠化する前にはライオンやダチョウなどの動物も暮らしていました。他にも、アラビア語の起源とされる文字や、ラクダのキャラバンの絵などが残っています。

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ロレンスの泉

ロレンスの泉(撮影:ユーラシア旅行社)

第一次世界大戦中、イギリス人将校ロレンスがベドウィンを率いてオスマン帝国からの独立闘争を描いた映画「アラビアのロレンス」はワディ・ラムが撮影場所として多く使用されました。ロレンスの自著本「7つの知恵の柱」に記載されている泉もここワディ・ラムにあり、山の中腹から水が湧きだしています。水が引かれている麓は、ラクダや人々の休憩所となっています。観光で訪れた際、ベドウィンの方にお茶を入れてもらい一休みすることが出来ます。

キャンプ

ワディ・ラムのキャンプ一例(撮影:ユーラシア旅行社)

ワディ・ラムでは沢山のアクティビティが体験でき、奇岩でロッククライミングや山歩き、ラクダ体験などを楽しむ人もいます。(ロッククライミングは、安全の為現地ガイドを必ずつけてください)
その中でも手軽で是非おすすめしたいのが、キャンプサイトでのテント宿泊です。ベドウィンテントで本物のベドウィンの様に宿泊する体験やドーム型など様々なテントがあります。ガラスやプラスチック製のドーム型のラグジュアリーキャンプでは、テント内に冷暖房、ベッドや洗面台、シャワーなどが完備されていて、レストランやWi-Fiもキャンプエリアで利用可能で快適に非日常体験が味わえます。夕食は、伝統的なベドウィンテントで食べるのもおすすめです。ヨルダンBBQ「ザルブ」や伝統的なデザートを楽しみ、晴れた夜は砂漠の美しい星空、朝は日の出を見て、心ゆくまでワディ・ラム楽しむことが出来ます。静寂の赤い砂漠の中、ドームテントで宿泊する体験はまるで、火星に宿泊しているような気分を味わえるかもしれません。

ワディ・ラムのキャンプ客室一例(撮影:ユーラシア旅行社)

観光注意点(服装、写真撮影、持ち物)

服装・・・ワディ・ラム観光の服装は、動きやすい服、またヨルダンはイスラム教の国であるため露出の多い服装はお控えください。(半袖、半ズボンなどは可能です。)ヨルダンの首都のアンマンは同時期の東京と大体同じ気温ですが、日差しが非常に強いので、サングラスや帽子などの日よけ対策をしっかりすることをお勧めします。日本と違い乾燥しているので、薄手の長袖、長ズボンでもあまり暑くなく日焼け止めとしても重宝します。また、砂漠の気候として朝晩は気温が下がるので、ウィンドブレーカーなどお持ちになることをおすすめします。
写真撮影・・・ワディ・ラムはカメラやビデオでも撮影可能です。但し、人物を撮影する際は許可をとってから撮影してください。特に女性は宗教上の理由で写真に写れないことがあるので、無断で写真撮影はお控えください。また、砂が舞う事があるので、レンズに入らないよう注意しましょう。
持ち物・・・砂漠ではお水が売っていない為多めに用意してください。また、砂埃や日よけ、防寒対策のためにスカーフやマスクがあると便利かと思います。カメラに細かい砂が入ってしまうと故障の原因になるので、必要な方はカメラカバーなどあるとよいかと思います。

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