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スリランカのジェフリー・バワ建築を巡る旅

2022 3/07
目次

熱帯建築家ジェフリー・バワとは

スリランカ出身の建築家ジェフリー・バワ。彼は、裕福な家庭で育ち、イギリスのケンブリッジ大学、ミドル・テンプル法曹院等を卒業。はじめは弁護士の職に就くも、27歳から建築家への道に方向転換。学校に入りなおし建築の勉強をし、38歳から建築家デビューをした遅咲きの天才。「熱帯建築家」または「トロピカル建築家」とも言われ、世界の高級リゾートホテルの先駆者として非常に有名です。

スリランカは、古来から海上交易の拠点として独自の歴史や多様な文化が育まれ、遺跡や博物館、自然から街並みといった多彩な魅力をもつ観光地がありますが、スリランカを訪れたのなら、もうひとつ、絶対に見逃せないのがジェフリー・バワが設計した建築物。彼が設計したホテルがスリランカには多くありますが、ホテル以外の建物も建築好きも、そうではなくとも是非訪れていただきたい。

スリランカへの行き方

スリランカは、インドの南、ベンガル湾に浮かぶ雫のかたちをしたセイロン島がありますが、この全島がスリランカです。日本からスリランカまでの移動手段は、スリランカ航空による直行便が便利です。空の玄関口バンダラナイケ国際空港から、スリランカの最大都市でかつての首都だったコロンボまでは、車で約40分。(スリランカ航空の最新スケジュールについては、航空会社ホームページをご確認ください)
バワ建築の山間部にあるヘリタンスカンダラマホテルまでは、車で約3時間30分。コロンボからは、車で約4時間。地図で見ていただくとわかるように、セイロン島のちょうど真ん中にヘリタンスカンダラマホテルがあります。
その他、バワ建築のホテルは、島の南西に多く集まり、空港から車で約2時間ほど移動した海岸線にあります。

スリランカを訪れたら泊まりたい!バワ建築ホテル4選

ヘリタンス・カンダラマ

ヘリタンスアフンガッラ外観(撮影:ユーラシア旅行社)

岩山に溶け込むように、自然と融合したかのようなホテル。世界遺産シギリヤロックから近すぎず、遠すぎずの場所にあります。そのおかげで、喧騒から離れ、滞在中は自然を満喫できます。高原の避暑地に似た立地から、強い日差しも、爽やかな風によって中和され、周囲の森からマイナスイオンをめいいっぱい浴びることができる環境。
このホテルのインフィニティプールからは、スリランカの雄大なジャングルを見渡せ、プールと湖と空が一体化しているように見えます。海沿いに多く建つバワ建築ホテルでは見ることができないジャングルの絶景を見ながらのインフィニティプールに入ることができるのは、ここだけ!いくつかのバワホテルに泊まることを検討しているならここは絶対に外せません。

自然の岸壁がロビーにまで(撮影:ユーラシア旅行社)

ヘリタンス・カンダラマの特集記事はこちら

元祖インフィニティ∞プールはココ!ヘリタンス・アフンガッラ

元祖インフィニティプール!(撮影:ユーラシア旅行社)

いまや世界中で耳にする「インフィニティプール」。このインフィニティプールが世界で初めて造られたのは、ここヘリタンス・アフンガッラホテル。元祖インフィニティプールで体験するプールと空との一体感は、格別な気持ちになるでしょう。そしてプールサイドに置かれている椅子にも注目。この椅子もバワが設計したもの。まるでインフィニティ∞(無限)を彷彿させるかのようなデザイン。じつはこの椅子、見る角度によってなんと形が変わるのです!ここを訪れたなら、是非椅子を様々な角度から眺めてみてください。

インフィニティプールから見る夕陽(撮影:ユーラシア旅行社)

南国の癒し溢れる、ザ・ブルーウォーター

バワが最後に設計したホテルが、ここザ・ブルーウォーター。ヤシの木が敷地内に多く植えられ、南国の雰囲気が溢れているのが特徴。重厚な扉を開けると、直線的な回廊の先に青く美しいプールやきらめくインド洋が広がります。そこに至るまでの中庭に面した開放的な回廊は修道院ほど厳格なものではありませんが、穏やかな時間の流れを与えてくれます。
ロビーから流れる水がプールを通じて海に注ぎ込み、まるでホテルが周辺との自然に溶け込んでいるかのよう。南国風のヤシの木が映えるトロピカル建築ですが、建物内を流れる水が涼しげ気分を醸し出しています。ジェフリー・バワ建築ならではのリゾート感を楽しめるでしょう。

重厚な扉の奥に回廊の中庭がある(撮影;ユーラシア旅行社)

お伽世界と絶景が織りなすジェットウィング・ライトハウス

船の先端のような屋上テラス(撮影:ユーラシア旅行社)

古くから東方貿易の拠点として栄えた世界遺産の街ゴール近郊、ジェットウィング・ライトハウスは全体がゴールの街をヒントとして設計されたホテル。晩年のジェフリー・バワが特に好んでいたホテルと伝えられています。
敷地を上空から見ると、ゴール旧市街の要塞に立つ灯台(ライトハウス)の方へ向かっている船のような形をしています(ライトハウスというホテル名の由来)。
ジェットウィング・ライトハウスの魅力の一つはバワがホテル内にちりばめた数々の視覚効果。光の陰影の美しい中庭は日本庭園を彷彿とさせ、海と荒々しい岩場に面した吹き抜けの屋外ラウンジは自然との一体感を感じられる場所です。

圧巻の階段ホール(撮影:ユーラシア旅行社)

ハイライトは、ロビーからラウンジと海を見渡す劇的な景色。
ホテルのエントランスからラキ・セナナヤケが彫刻を手がけた独特の螺旋階段を上がり、ロビーフロアへ到着。その時、視界に飛び込んでくるラウンジに置かれた一対の椅子は光と影の絶妙コントラストが素晴らしいです。

この絶景を一日中眺めていたい(撮影:ユーラシア旅行社)

ホテルだけじゃない、バワゆかりの建築6選

バワの個性が光る!「ナンバー11」

建物外観だけでもバワデザインの素晴らしさを感じられます(撮影:ユーラシア旅行社)

コロンボ市内にある自宅兼事務所。住所の番地から「ナンバー11」と呼ばれています。玄関に置かれたロールスロイスとベンツは実際にバワが使用していた車。当時の生活を垣間見ます。

全体的にスタイリッシュでありながら、木を取り入れた落ち着いたデザインが特徴的。寝室やダイニング、書斎、廊下にはバワがデザインした家具や収集したアンティークなどが配されています。すべての家具、内装、調度品にバワの個性が光っています。バワをよく知るためには絶対に訪れたい場所。事前予約ガイドツアー(英語)のみで見学が可能。

コロンボに来たら絶対に行きたい!
パラダイス・ロードの「ザ・ギャラリー・カフェ」

樹木もオシャレな空間に溶け込んでいる(撮影:ユーラシア旅行社)

バワのオフィスだった建物を改装してできたギャラリー・カフェ。アジアンテイストが色濃い内装のカフェ・レストランでは美味しいケーキや食事を楽しめます。
水が張る回廊、開放的な中庭テラスなど、スリランカの暑さを忘れさせてくれる、どこかほっとする「涼」を感じさせる造りや、ところどころに飾られたオシャレな絵画にも注目。併設ショップにある可愛らしくておしゃれなスリランカ雑貨や陶器などは、お土産におすすめです。

建物内部そのものがアート!(撮影:ユーラシア旅行社)

バワの理想郷、求めるものが注ぎ込まれた「ルヌガンガ」

シナモンヒル(撮影:ユーラシア旅行社)

コロンボにあるバワの邸宅「ナンバー11」が日常を忙しくすごす仕事場なら、ルヌガンガは休息の場。憩いにあふれた庭、内装や家具、一棟一棟の建物の造りはジェフリー・バワの理想郷を実現化したものと言われます。特に広大な敷地につづく庭園は注目。ヨーロッパの森に迷い込んだかのような水辺に癒される空間。建物やインテリアだけではなく、敷地全体がバワによってトータルコーディネートされています。

ルヌガンガが実施する内部見学ツアーで敷地内を見ることができます。内部見学ツアーは時間が決まっていますので、事前に公式サイト(http://www.lunuganga.com/index.php)で確認して訪れましょう。そして、ここはなんと宿泊することも可能!部屋数はわずか6室のみ!さらにすべての部屋がバワによる異なるデザインが施されています。もちろん宿泊者は、滞在中いつでも自由に敷地内を散策することができますので、バワ建築ホテル宿泊+バワの世界観、バワが眺めた景色を200%満喫したい方は、ルヌガンガ宿泊を強くお勧めします。

どこを見てもバワを感じる(撮影:ユーラシア旅行社)

ちょっとコロンボで立ち寄り寺院「シーマ・マラカヤ」

コロンボにあるシーマ・マラカヤ寺院(撮影:ユーラシア旅行社)

コロンボの中心地、ベイラ湖上に建つシーマ・マラカヤ(寺院)はジェフリー・バワが手がけた数少ない宗教建築の一つ。建物や内装デザインにはスリランカの伝統的仏教寺院とは異なった要素が多く取り込まれたデザインは革新的で、独特です。寺院の壁面が風を通す格子状になっているのは、蒸し暑いスリランカにあって祈りの場で心地よく過ごすための工夫。格子がつくり出す光と陰影が神聖な雰囲気を醸し出しています。バワならではのスタイリッシュさとアジアっぽさが共存。少し風変わりな作品という点でも是非訪れてみたい場所ですね。

スリランカと日本の友好を垣間見る「国会議事堂」

国会議事堂(車窓より)撮影:ユーラシア旅行社

スリランカの新首都スリ・ジャヤワルダナプラ・コッテに建つ国会議事堂は、1982年に完成、施工は日本の三井建設。人造湖の中央に立ち、バワのホテルで頻繁に見られる「水と自然と建築物のコンビネーション」がここでも見ることができます。湖に面した道路は日本の協力により建造されたスリランカ・日本友好道路。ヘリタンス・カンダラマに行く道中に、車窓から見ることができますのでお見逃しなく!

忘れてはならない、バワとは異なる天才!
兄ベイビスの理想郷「ブリーフ」

バワ建築のファンにとって見逃せないのが、バワの兄ベヴィスが設計した「ブリーフガーデン」。兄ベヴィスの専門は景観全体をデザインするランドスケープ・アーキテクト。ブリーフガーデンの庭園にはジェフリー・バワとは異なる感性や美意識が感じられます。敷地内のところどころにエロチズムが反映されているのも独特。ブリーフガーデンへは、大型バスや中型バスでは行けない秘密の庭といっても過言ではないような場所にありますので、事前に下調べをしていくか、場所に詳しいドライバーさんを手配することをお勧めします。

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