ヒンバ族とは
赤土色の肌が有名なヒンバ族は、ナミビア北部のカオコランド地方(クネネ州)に住む民族。人口は2~5万人と推定され、一族単位で村を形成し、牛やヤギを放牧して生活しています。ルーツは牧畜採集生活をするバントゥー系ヘレロ族。もともとはヘレロ族と同じ民族でしたが、ドイツの植民地時代に西洋的な生活を選んだ人々はヘレロ族、伝統的な暮らしを選んだ人々はヒンバ族と区別されるようになりました。世界一美しい民族とも呼ばれています。
ヒンバ族の村への行き方
日本からナミビアまでの直行便は飛んでいませんので、エチオピア航空(エチオピア・アディスアベバ乗継ぎ)、カタール航空(ドーハ乗り継ぎ)、南アフリカ航空またはキャセイパシフィック(南アフリカ共和国・ヨハネスブルク乗継ぎ)でナミビアへ向かいます。
※航空機の運航スケジュールは、各航空会社のホームページをご確認ください。
ナミビアの首都ウィントフークのホセア・クアコ国際空港からは、車で北へ約360kmの位置にあるオージョ(オウチョ)という玄関口の町を目指します。空港からオージョ(オウチョ)までの所要時間は、約4時間(途中休憩込み)。オージョ(オウチョ)またはエトーシャ国立公園から車で約2時間移動し、カマンシャブに到着します。カマンシャブ近郊には、オジカンデロ村をはじめ、ヒンバ族の村がいくつかあります。
ヒンバ族の特徴
村の暮らし
「村=一族」という考え方を持っており、村の周りを柵で囲って暮らしています。住居は、モパニの木に泥や牛糞を塗り固めて造られた円柱型の建物。一夫多妻制で、家畜を沢山持っている男性ほど財力があり、最大5人までの妻をもつことができます。男性が家畜の世話(日中は放牧で男性不在のことがほとんど)、女性は家事や水汲み、薪拾い、子供の世話をします。ヒンバ族の女性は、平均6~7人の子供を産みますので、村には子供がたくさん!
赤土色の肌
女性は生涯にわたり水浴びをせず、「オカ」を塗ることで肌を清潔に保っています。「オカ」とは、赤土と牛脂を混ぜたもので、初潮を迎えると全身に塗るようになります。乾燥の予防や寒さ対策、ほかにも日焼けや虫よけの効果もあります。また香木を焚き、身体を清めます。
髪型
肌と同じ赤褐色の髪の毛が目を引きます。地毛にエクステを編み込み、その上に赤い石と粘土質の土、牛糞を混ぜることでいくつもの毛束が作られます。毛先の辺りには、ふさふさした牛の尾の毛がついています。最後に頭のてっぺんになめした羊の皮をつけたら完成!この髪型は既婚女性のみができる髪型であり、3か月に1回のペースで作りなおします。
アクセサリー
ヒンバ族は男性も女性も首輪、ベルト、ブレスレットなど多くのアクセサリーを身につけています。豪華な装飾品をまとえるのは既婚女性のみとされていて、動物の角をはじめ木の実や木のつるでつくったアクセサリーを身に付けています。足首からふくらはぎを覆っている装飾品には縦にラインが入れられており、ラインの数でその女性が産んだ子供の人数が分かるようになっています。
言語
アフリカ大陸のコンゴとソマリアを結ぶ線の南側に同一系統の言語を話すバントゥー語系民族が600以上暮らし、バントゥー系ヘレロ族のヒンバ族は、ヘレロ語を母語としています。ヘレロ族が使うヘレロ語とは発音や語彙が多少違いますが、共通言語であると認識されています。
ヒンバ族の村周辺の観光地
エトーシャ国立公園
ナミビア北部にあるナミビア最大の動物保護区(1907年に国立公園に認定)で、日本の四国と同じくらいの広さがあります。100種類以上の動物や300種類以上の鳥類、100種類以上の爬虫類がいるとされ、園内をサファリドライブで散策することができます。エトーシャ・パン (エトーシャ=大きい、パン=泉の意)という塩水の低湿地帯が、国立公園の約1/4を占めています 。
アフリカゾウ、シマウマ(マウンテンとプレーン)、アンゴラキリン、ヌー、ライオン,ジャッカル、ブチハイエナ、クドゥ、インパラ(貴重な固有種ブラックfフェイスインパラ)、スプリングボック、オリックス(乾燥に強い)、ダチョウ,フラミンゴ,ホロホロ鳥、白サイ、絶滅が危惧されるクロサイ、野生動物は、雨季にはたくさんできる水場(ウォーターホール)、乾季には枯渇しない水場(ウォーターホール)周辺に集まります。