奄美群島国立公園とは

鹿児島と沖縄のほぼ中間に位置し、奄美大島、加計呂麻島、請島、与路島、喜界島、徳之島、沖永良部島、与論島の有人島8、無人島48から奄美群島は構成されています。奄美群島は、地殻変動により大陸や日本本土から切り離され、それぞれの島ができる過程で独自の進化を遂げていった植物が自生し、奄美群島のみで見られる動物が生息するようになりました。日本最大級の亜熱帯照葉樹、琉球石灰岩のカルスト地形や海食崖などが見られる陸域だけではなく約220種のサンゴ類、海洋生物が生息する広い海域が国立公園に指定されています。奄美群島のなかで奄美大島と徳之島は、2021年に世界遺産「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」にも登録されました。
奄美群島国立公園への行き方、アクセス
鹿児島市の南約350㎞に奄美大島、さらに離れた約545kmに奄美群島の有人島で最南端の与論島があります。奄美群島の有人島のうち、奄美大島、徳之島、沖永良部島、与論島に空港があります。奄美群島最大の奄美大島へは国内のいくつかの都市(羽田、成田、伊丹、福岡、鹿児島、那覇)から直行便があります。直行便がない都市からは、直行便が飛ぶ空港へ向かい、乗り継いで行くことになります。
船でもアクセスすることができますが、沖縄本島の那覇港から約7時間30分、鹿児島港から奄美大島までは約11時間かかります。
奄美群島国立公園のみどころ5選
奄美大島の金作原(きんさくばる)ウォーキング

亜熱帯原生林の金作原では、恐竜が生きていた時代を彷彿させる手つかずの自然のなかをガイド同行で歩くことができます。そこでは、大きく発達した板根が見事なオキナワウラジロガシに力強い生命力を感じさせられ、5~10mもの高さを誇る圧巻の巨大シダ植物ヒカゲヘゴが頭上でひろげた葉は、傘のようにひらき、レースのような美しいシルエットを見せてくれます。

運が良ければ、ウォーキング中に国指定天然記念物の鳥や固有種のいきものに出逢えるかもしれません。
加計呂麻(かけろま)島の樹木
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長閑さ、静寂、自然を味わいたいなら、のんびりした時間が流れる加計呂麻島がおすすめです。天に勢いよく伸びる姿から生命力を感じる於斉(おさい)のガジュマル、樹齢数百年という長寿であっても、いまだ5月~6月に燃えるような赤い花を咲かせる諸鈍(しょどん)のデイゴの樹木は必見です。

徳之島の巨岩と巨大ソテツ

奄美群島が地殻変動により大陸や日本本土と離れたり陸続きになったりを繰り返した新生代の新第三紀(約2300万年から約260万年前)よりも古い6000万年以上前に地下で形成された巨大な花崗岩を陸上で見ることができるムシロ瀬。巨大な花崗岩の間を縫うように敷かれた遊歩道からは、美しい海の景色も堪能することができます。

幹ががっしりとした徳之島の巨大ソテツは、もともとは畑と畑の境界線、潮風に強いため暴風対策として植えられました。ソテツの樹齢は300年以上、長い年月をかけ約250mのソテツトンネルができあがりました。
沖永良部(おきのえらぶ)島の鍾乳洞とガジュマル

全長3,500mのうち600mが公開されている昇竜洞のなかには、約300,000もの鍾乳石があります。天井から壁面までびっしり鍾乳石に覆われた洞内の光景は圧巻です。

1898年、国頭小学校の卒業生によって植樹されたガジュマルの木は、枝葉を大きく広げ、生命力の強さと包容力を感じさせられます。知名度の高い巨木や老木が選出される新日本銘木百選の1つに選ばれ、「日本一のガジュマル」と呼ばれています。
与論島の死ぬまでに見たい絶景、百合ヶ浜

鹿児島県および奄美群島の最南端に位置する与論島。低く平らな低島で琉球石灰岩が隆起してできた島であり、サンゴ礁が砕けてできた美しい白砂浜、サンゴ礁に囲まれたラグーンなどを見ることができます。干潮時だけに現れる百合ヶ浜では、天候などの条件が合えば、この世のものとは思えない青と白のコントラストが美しい光景を見ることができます。