伏見稲荷大社とは
伏見稲荷大社は、「お稲荷さん」とも称されている、全国に約30,000社あると言われる稲荷神社の総本宮です。その歴史は平安遷都よりも古く、和銅4年(711)の創建と伝わります。もとは農耕の神様として祀らていましたが、中世から近世にかけて「商売繁昌・家内安全の神」として広く信仰されるようになりました。
有名な「千本鳥居」の、鮮やかな朱色が美しい幻想的な光景は、近年では海外からの注目も強く、訪日外国人に人気の観光地といったランキングなどでは、毎年上位に選ばれています。
伏見稲荷大社の行き方、アクセス
●公共交通機関
◎電車
JR奈良線 稲荷駅下車 徒歩直ぐ (京都駅より5分)
京阪本線 伏見稲荷駅下車 徒歩5分
◎バス
南5系統 稲荷大社前下車 東へ徒歩7分
伏見稲荷大社の見どころ
千本鳥居
伏見稲荷大社の最大の見どころといえばやはり、神秘的でフォトジェニックな絶景に出会える「千本鳥居」でしょう。実は、稲荷山全体に鳥居は数え方もありますが約1万基あり、その数は現在でも増え続けています。そのうち「千本鳥居」と呼ばれているのは、本殿から2分ほど進んだ二又に分かれている約400mの道を指します。昼間は鳥居の合間からやわらかい光が差し込み、夜間は鳥居の途中に吊るされている灯ろうに幻想的な光が灯ります。
「鳥居」は「通り入る」の意味があり、神の聖地・聖域を表していると言われています。千本鳥居の誕生の由来は、江戸時代から明治時代に「鳥居を献ずることによって願いが通る(叶う)」という言われがあったことにより、参拝者の奉納により建てられたと言われています。願いが叶うたび、どんどん大きな鳥居を奉納するといった風習も生まれ、現在の千本鳥居ができたとされています。
おもかる石(重軽石)
千本鳥居の先の奥社奉拝所には「おもかる石」というパワースポットがあります。石で造られた2本の灯籠が並んでおり、それぞれの灯籠の上に石が置かれています。お賽銭の後、灯籠の前でお願い事をします。そして石を両手で持ち上げ、その重さが予想していたよりも軽いと、その願いは叶うと言われています。逆に予想していた重さよりも重いと、一層の努力が必要だと言われています。混雑状況にもよりますが、人気のスポットなので休日には10分ほどの行列ができている場合もあります。
稲荷大神のお使い きつね
「稲荷」には、諸説ありますが一般的には「稲成り」や「稲を荷なう」などの意味が由来しているといわれています。そのため、伏見稲荷大社の最も代表的な御利益として、「五穀豊穣」があります。
伏見稲荷大社では、狛犬の代わりに狛狐(こまぎつね)が境内の至る所に置かれています。これは、きつねは伏見稲荷大社の祭神・稲荷大神のお使いとされているからです。キツネは穀物の天敵であるネズミを食べてくれるため、五穀豊穣の神様のお使いと考えられています。また、尻尾の形が稲穂に似ていること、稲穂の色が似ていることなど様々な諸説があります。伏見稲荷大社の境内にいるほとんどの狐たちは、「稲穂・巻物・玉・鍵」の4種のいずれかを咥えています。諸説ありますが、これらはそれぞれ五穀豊穣の象徴、知恵の象徴、穀霊の象徴、米倉の鍵の象徴等が表されています。境内で出会うきつねたちが何を咥えているのか、確認してみるのも楽しいかもしれません。
また、伏見稲荷で見られる狐は白く、白狐(びゃっこ・はくこ)と呼ばれています。諸説ありますが、稲荷神社のきつねは神様と同じように見えない存在で、透明を表現する色として白がもちいられていると言われています。
白狐絵馬
神社でお馴染みの絵馬も、伏見稲荷大社では可愛らしい白い狐の顔の形になっています。裏面には願い事を、そして表面の狐の顔には参拝者それぞれが思い思いの表情を書き足します。個性豊かなユニークな表情で溢れる絵馬掛所は見ているだけでも楽しくなります。
稲荷山ハイキング
伏見稲荷大社は標高233mの霊山・ 稲荷山 にあります。混雑状況にもよりますが、スムーズにいくと山頂まで、片道約1時間、往復約2時間の所要時間と言われています。稲荷山の中腹地点「四つ辻」では、木々で遮られていた景色が開け、京都市街が一望できます。稲荷山屈指の展望スポットです。また、頂上までにはいくつかの茶屋があるので、甘菓子を味わいながら休憩を取ることもできます。