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パドヴァのスクロヴェーニ礼拝堂と世界遺産『14世紀フレスコ群』、見所5選!(イタリア)

2023 1/06
目次

パドヴァとは

パドヴァの街並み(撮影:ユーラシア旅行社)

ヴェネツィアのお隣にあり、ヴェネト州の中心に位置しているパドヴァは、古くから文化と経済の中心地であり、交通の要所としても栄えてきました。紀元前9世紀頃にはすでに町としての機能を有しており、ローマ帝国時代には重要な拠点となっていました。また、12世紀~14世紀にかけてが最も栄えた時代で、パドヴァ大学やラジョーネ宮など、現在も見ることができる素晴らしい建造物は、この時代に多く建てられています。商業や学業の街として非常に活気があり、柱廊の連なる旧市街や世界遺産など、非常に見どころの多い街です。

パドヴァへの行き方・アクセス

パドヴァには鉄道駅があり、駅から歩いて直ぐのところに市街地があるため、アクセスが容易です。パドヴァへはいくつかの行き方がありますが、最も近い大都市のヴェネツィアからだと、サンタ・ルチア駅からトレニタリア(鉄道)のレジョナーレ・ヴェローチェ(RV)を使い、約30分で行くことができます。また、フィレンツェからの場合は、赤の車体が可愛らしい特急フレッチャロッサに乗って約1時間半で、ミラノからの場合は、1時間に1本間隔で運行しているフレッチャロッサで約2時間で、いずれも変化する車窓からの風景を楽しみながら、パドヴァを訪れることができます。
※鉄道スケジュールは公式サイトで最新の情報をご確認下さい。

パドヴァ観光の見どころ5選

ヴェネツィアからの日帰り観光が定番のパドヴァですが、実は隠れた見どころがたくさんあり、日帰りではもったいない! 訪問される際はぜひ何泊かして、時間に余裕をもった観光を楽しんでください。ここではパドヴァに来たら是非見ておきたい、見どころをご紹介いたします。
2021年7月には、従来世界遺産に登録されていたパドヴァの植物園に加え、『14世紀フレスコ群』が新たに世界文化遺産に登録されました。

スクロヴェーニ礼拝堂

スクロヴェーニ礼拝堂(撮影:ユーラシア旅行社)

パドヴァで最も有名な観光名所といえば、地元の富裕な高利貸しであったエンリコ・スクロヴェーニによって建てられた「スクロヴェーニ礼拝堂」です。貸金業で成功したスクロヴェーニ家が、カトリックの教えによる罪の浄化を目的とし、14世紀に建設しました。内部はルネサンス絵画のさきがけとなったジョットと、その弟子が描いた素晴らしいフレスコ画に覆われて必見です。

スクロヴェーニ礼拝堂入口側(撮影:ユーラシア旅行社)

ジョットの作品はイタリア各地の美術館にも残されていますが、その中でも最高傑作との呼び声が高いのが、パドヴァのスクロヴェーニ礼拝堂の壁画なのです。”ジョット・ブルー”と呼ばれる鮮やかな青色を天井や背景に用い、聖母マリアとキリストの生涯の物語を描いた連作は美術史に残る傑作です。

スクロヴェーニ礼拝堂祭壇側(撮影:ユーラシア旅行社)

下の作品はキリストの生涯の連作の中でも有名な『ユダの接吻』という作品です。ユダの接吻を機にキリストがローマ兵に捕縛されようとする場面を描いていますが、遠近法や人物の表情を通してこの場面の緊迫感が伝わってくるかのようです。

ジョット『ユダの接吻』(スクロヴェーニ礼拝堂壁画)

ジョット・ディ・ボンドーネ(1267頃-1337)
ジョット・ディ・ボンドーネは、ゴシックの大家であったチマブエに師事し、やがて人物に表情や図面に立体的な空間を創出し、ルネサンスの幕開けを飾る巨匠の地位まで上り詰めました。『イタリア絵画の父』と呼ばれ、特に初期の傑作が見られるアッシジ、そして晩年の傑作が見られるパドヴァは絵画史の一頂点を担っていると言っても過言ではありません。

ラジョーネ宮

ラジョーネ宮(撮影:ユーラシア旅行社)

パドヴァの街の中心にあるのが、このラジョーネ宮(パラッツォ・デッラ・ラジョーネ)です。

12世紀以降、街の裁判所として使われてきた「サローネ(大広間)」の通称を持つラジョーネ宮は、古くから人々の生活、政治、経済の中心を担ってきた、正にこのパドヴァのシンボルなのです。ラジョーネ宮を見ずしてパドヴァを語るなかれ!ぜひ、訪れてみて下さい。巨大な広間は台形のような独特な形をしていて、空間を覆うフレスコ画は圧巻の一言です。また、バルコニーを覆う美しい柱廊下なども必見です。

サンタントニオ聖堂

サンタントニオ聖堂(撮影:ユーラシア旅行社)

次にご紹介するのは、パドヴァの守護聖人である聖アントニオが祀られているサンタントニオ聖堂です。

リスボン出身でフランチェスコ修道会の僧だったアントニオが亡くなった13世紀に建築が始まり、16世紀に完成しました。8本の丸い屋根(クーポラ)が特徴的な外観をしており、聖堂内には豪華な装飾が施されています。また、聖堂内では聖アントニオの舌や声帯、棺に納められていた聖遺物なども、見学することができます。

聖堂正面の広場・プラート・デッラ・ヴァッレには、パドヴァにゆかりのあるガリレオ・ガリレイや、フランチェスコ・ペトラルカ、ダンテ、ジョットなどの彫刻が78体も、公園の堀に沿うように建てられていて、見るものを圧倒する荘厳な光景を創り出しています。

パドヴァ大学

パドヴァ大学の中庭(C)Sailko(CC BY-SA 3.0)

かの有名なガリレオ・ガリレイが、教鞭をとっていたことで知られる大学。パドヴァ大学はボローニャ大学に次いでイタリアで2番目に古く、なんとその原形が築かれたのは13世紀の頃と、800年以上もの歴史を有する名門大学なのです。その設立には、ボローニャ大学の教授や学生らの有志が関わっており、宗教や民族の壁を持たず、自由な思想で学問を追求していこうと、哲学・医学部と法学部の2部構成からスタートしました。現在は規模も大きくなっており、約6万人もの学生が在学しています。観光の目玉は何といっても16世紀に開かれ、現代医学の発展に多大な影響を与えたと言われている、世界初の「人体解剖室」でしょう。当時のままの形で残されている解剖学教室には、美しい彫刻などが残されていて、見どころ満載です!

世界遺産・オルトボタニコ(植物園)

オルトボタニコ(C)Semolo75

1545年に造園された世界初・ヨーロッパ最古の植物園で、1997年にユネスコの世界遺産に登録されました。もともとはパドヴァ大学の付属施設として、薬学研究のために作られた園です。海洋貿易で栄えたヴェネツィアという特異性を生かし、国外からの植物も多く持ち込まれたため、熱帯植物や椰子の木などが多く、イタリアで初めてジャガイモやヒマワリ、ライラックなどが栽培された場所でもあります。ゲーテはこの植物園からインスピレーションを得たとも言われているんですよ!

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