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ドン・ペリニヨン、人物とシャンパンの故郷エペルネを訪ねて(フランス)

2022 12/23
目次

ドン・ペリニヨン(人物)とは

モエ・エ・シャンドン社前のドン・ペリニヨン像(撮影:ユーラシア旅行社)

“太陽王”ルイ14世がパリで最盛期を築いていた頃、そこから東方に100km強離れたシャンパーニュ地方のエペルネ郊外に位置するオーヴィレール村でベネディクト派の修道僧になったのが後にドンと呼ばれるようになるピエール・ペリニョン(1638-1715)です。聖書にも度々登場するワインはキリスト教の修道院生活においても欠かせないものであり、ピエールは修道院でワイン造りを担う事になりました。
ピエールはワイン造りを突き詰めて行き、試飲を重ねながら進化させて行きました。ワインのブレンドに工夫を凝らして味を高め、独自の圧搾機を発明し、さらに割れる事がない厚いガラスの瓶に風味を損ねないコルク栓を使った保存法も生み出すなど、今日まで脈々と受け継がれて来たシャンパーニュ地方のワイン造りを確立させました。
ピエールが生産したのは主に普通のワインでしたが、その味は評判を呼び、シャンパーニュ地方の名を高めました。また、ピエールが生みだした生産技術はピエールの死後100年を過ぎて確立されるシャンパーニュ地方のシャンパン生産の礎となり、かくしてドンの冠号を付けて呼ばれるようになりました。

ドン・ペリニヨン(シャンパン)とは

モエ・エ・シャンドン社のドン・ペリニヨン展示(撮影:ユーラシア旅行社)

ピエール・ペリニヨン自身がシャンパンを生み出したという説もありますが、実際にはピエールの功績に敬意を表し、”ドン”という称号も加えて生まれたのがシャンパンのドン・ペリニヨンです。フランスのシャンパーニュ地方で生産された発泡性ワインにのみ称号が許されるシャンパンの中でも最上級のドン・ペリニヨンは、ヴィンテージワイン(同一年に収穫された葡萄で醸造)として世界的にその名を知られており、日本でもそのボトルはステータスになっています。標準的なドン・ペリニヨンの白であれば、4万円前後、ピンクのロゼだと5-6万円でしょうか。(価格は為替、需要等によって大きく変動します)
現在はモエ・エ・シャンドン社がドン・ペリニヨンの製造を引き継いでいます。

最高級の”ピン・ドン”ことドン・ペリニヨンのロゼ(撮影:ユーラシア旅行社)

モエ・エ・シャンドン社の歴史

モエ・エ・シャンドン社のナポレオン訪問記録絵画(撮影:ユーラシア旅行社)

1743年設立。フランスのシャンパーニュ地方のエペルネに本社を置く世界最大級のシャンパンメーカー。主力のシャンパン『アンぺリアル』は日本のスーパーやデパートにも並んでおり、ドン・ペリニヨンはその高級ブランドに当たります。創業者のクロード・モエがシャンパーニュでのワイン生産を始め、以後ナポレオン一世やヴィクトリア女王等の大物にも好まれ、シャンパンブランドを代表する企業に成長します。1200ヘクタール(東京ドーム250個分以上)の広大な葡萄畑を持ち、現在も世界のシャンパンをリードし続けます。

エペルネとオーヴィリエールの行き方

エペルネへは、パリの東駅から鉄道で約1時間30分で行く事が出来ます。
また、TGVの駅やホテルが多いランスからも鉄道で約40分で訪れる事が出来ます。
オーヴィリエールはエペルネのすぐ北の郊外に位置しています。

エペルネで訪れたいモエ・エ・シャンドン本社

モエ・エ・シャンドン本社(撮影:ユーラシア旅行社)

1743年の創業年が刻まれたモエ・エ・シャンドン本社は今も創業の地エペルネに位置し、世界へ向けてシャンパンを出荷し続けています。生産を担うのと同時にモエ・エ・シャンドンの歴史と現在を伝える事にも重きを置いており、ガイド付きツアー(2022年現在英仏語のみ)で見学する事が可能です。以下見学できるセクションをご紹介します。

ギャラリー

モエ・エ・シャンドン本社のギャラリー(撮影:ユーラシア旅行社)

ギャラリーは歴史を伝える映像室やモエ・エ・シャンドン社のシャンパン製品、様々なヴィンテージのものが並んでいます。ディスプレイにも意匠が凝らされており、見ているだけでも楽しいギャラリーです。(試飲は後程です。)

もちろんドン・ペリニヨンも(撮影:ユーラシア旅行社)
創業年や生産風景が描かれたステンドグラス(撮影:ユーラシア旅行社)

カーヴ

モエ・エ・シャンドン本社のカーヴ(撮影:ユーラシア旅行社)

モエ・エ・シャンドン本社のカーヴに入れます。その総延長は28kmにも及び、年間を通して10-12度に保たれています。シャンパンは他の発泡性ワインよりも熟成期間が長く、このカーヴはシャンパンの旨味を引き出す中核的施設です。迷路のように入り組んだカーヴの随所で時を待つシャンパンの姿をご堪能ください。
尚、カーヴと後述するオランジュリー(迎賓館)は、『シャンパーニュの丘陵、メゾンとカーヴ』の一部として世界遺産登録されています。

モエ・エ・シャンドン本社のカーヴ(撮影:ユーラシア旅行社)

試飲(テイスティング)

モエ・エ・シャンドン本社の試飲(撮影:ユーラシア旅行社)

カーヴのツアー後にお待ちかねの試飲です。事前に選ぶコースによって試飲できるシャンパンは異なります。標準的にはモエ・エ・シャンドンの人気銘柄アンペリアルです。ソムリエがサーブしてくれます。畑を眺め、歴史を辿り、カーヴを巡った後にその場所で飲むシャンパンは格別です。

オランジュリー(迎賓館)

モエ・エ・シャンドン本社の迎賓館(撮影:ユーラシア旅行社)

モエ・エ・シャンドン社が世界中から多くのゲストを迎え続けてきたオランジュリー(迎賓館)もまた世界遺産に登録されている建物で外観も必見です。予約を取るのが難しく、価格も張りますが、内部はレストランとして食事も提供しています。モエ・エ・シャンドンの数種類のシャンパンと共に味わうコース料理を提供しています。

迎賓館の料理一例(撮影:ユーラシア旅行社)

オーヴィリエール村の修道院

ピエール・ペリニヨンの墓(撮影:ユーラシア旅行社)

エペルネの郊外に位置するオーヴィリエール村には、ピエール・ペリニヨンが修道僧として所属していたオーヴィリエール修道院が残っており、こちらも世界遺産『シャンパーニュの丘陵、メゾンとカーヴ』の一部に登録されています。祭壇の前には、ピエールの墓があり、墓碑にその名と功績が刻まれています。

オーヴィリエール修道院の祭壇(撮影:ユーラシア旅行社)

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