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イエスが十字架を背負って歩いた悲しみの道〜ヴィア・ドロローサ〜(イスラエル)

2022 6/28
目次

ヴィア・ドロローサとは

ヴィア・ドロローサの看板(撮影:ユーラシア旅行社)

イスラエルのエルサレム旧市街にあるヴィア・ドロローサ(悲しみの道)は、処刑宣告を受けたイエスが、十字架を担がされてゴルゴダの丘まで歩んだ道です。
道中にはその時に起こった出来事を示す留(ステーションと呼ばれる)があり、ピラト総督の邸宅からはじまり、ゴルゴダの丘にある終着点の聖墳墓教会まで全部で14ヶ所あります。巡礼者や観光客たちは、イエスが十字架を背負って歩いた全長約1kmの道を、1留ごとに立ち止まりながら、自分たちの足で歩きます。

エルサレムへの行き方、アクセス

ヴィア・ドロローサのあるエルサレムへは日本からの直行便はありません。イスラエルの空の玄関口・テルアビブのベングリオン国際空港からエルサレムまでの距離は約50km、鉄道かバスにて移動が可能です。

ヴィア・ドロローサの見どころ

ヴィア・ドロローサの見どころである各14留(ステーション)を紹介します。

第1留〜第9留

〜死刑判決を受けて十字架を担がされて歩き、3度目に倒れるまで〜

第1留 イエス、ピラト総督の邸宅で死刑判決を受ける

ヴィア・ドロローサの出発点。ここからイエスの苦難の道が始まります。現在はアラブ人小学校の校庭になっておりますが、当時はここにアントニオ要塞があったとされています。

第2留 イエス、十字架を背負わされ刑場ゴルゴダの丘へ向かって歩き始める

現在は鞭打ちの教会があります。ここでイエスは茨の冠をかぶせられ、ローマ兵たちに鞭で打たれたとされます。教会内のステンドグラスにはその様子が描かれています。また、天井にある茨の冠のモザイク画も見どころです。

第2留鞭打ちの教会(撮影:ユーラシア旅行社)

第2留から3留へ向かう途中、エッケ・ホモ・アーチを通り抜けます。
ピラト総督が群衆に「見よ、この人を(エッケ・ホモ)」とイエスを引き出した場所とされています。門は、ローマ帝国のハドリアヌス皇帝により、エルサレム征服を記念して135年に建造されたものです。近くにはエッケ・ホモ教会もあります。

第3留 イエス、十字架の重みに耐えかね最初に倒れる

ヴィア・ドロローサを進み、左へ振り返ると教会の入り口があります。現在はアルメニア・カトリック小聖堂があります。教会入口の上部には、十字架の重みに耐えかねて躓くイエスが描かれています。

第3留と第4留(撮影:ユーラシア旅行社)

第4留 母マリアが十字架を背負ったイエスに出会う

第3留のすぐ隣にあり、現在はアルメニア人が建てた苦悩の母マリアの教会があります。教会入口の上部には、母マリアがイエスを見つめる様子が描かれています。教会は閉鎖されており、中へ入ることができません。
ここから先は土産物屋が立ち並ぶスークを通り抜けていきます。スカーフや定番のマグネットやTシャツ、キーホルダーなどを売る土産物屋が並びます。ここがヴィア・ドロローサであることを忘れてしまうくらい賑やかです。

第5留 キレネ人シモンがイエスに替わって十字架を背負う

第4留から聖墳墓教会へ向かってスークを少し歩くと、右手の角にあります。現在はキレネのシモン礼拝堂があります。礼拝堂の外壁にはイエスが手をついたとされる跡のついた石が残っています。ここからの第5〜8留は、さらに狭い道を進んでいきます。聖墳墓教会へ向かって緩やかな石畳の階段を登っていきます。

第6留 女性ヴェロニカがイエスの顔を拭く

現在はヴェロニカ教会があります。ここは恐らくヴェロニカの家が建っていたとされる場所で、ギリシャ正教会が管理しています。ヴェロニカがイエスの顔を拭いたとされる絹のハンカチ(通称ヴェロニカのベール)は非公開ですが、現在はヴァチカンのサン・ピエトロ大聖堂に保存されています。

第7留 イエス、2度めに倒れる

十字架を持って道行きをする信者(撮影:ユーラシア旅行社)

緩やかな細い石段を登り、スークと交差するところにあります。ここにはイエスの時代、城門があったとされています。ここでイエスの罪に対する罪状が読み上げられたことから裁きの門ともいわれています。

第8留 イエス、悲しむ女性たちを慰める

「わたしのために泣くな。自分と子供たちのために泣け。」とイエスが悲しむ女性たちに語った場所とされています。ここは第7留の裁きの門を出た所で、当時は城外にあたりました。現在は聖ハラランボス・ギリシャ正教会の一部で、外壁には記念の十字架が刻まれた石がはめ込まれています。

第9留 イエス、3度めに倒れる

第7留のあるスークと交差するところまで戻り、西へ向かう脇の階段を上ると奥に第9留があります。現在、聖墳墓コプト教会の入り口にあたります。ローマ時代の円柱があり、ここでイエスが3度目に倒れたとされています。教会前にはアーチがあり、その中央にコプト教会の十字架がかけられています。第9留の手前のあたりからは聖墳墓教会のドームを望むことができ、写真スポットにもなっています。

第10留〜第14留

〜ヴィア・ドロローサの終点、聖墳墓教会(ゴルゴダの丘)へ〜

聖墳墓教会(撮影:ユーラシア旅行社)

第9留よりさらに西へ進むと、いよいよヴィア・ドロローサの終点、10〜14留のある聖墳墓教会があります。ゴルゴダの丘でイエスが磔刑に処された場所には現在、聖墳墓教会が建っています。聖墳墓教会は世界中から多くの信者が祈りを捧げに訪れるヴィア・ドロローサ最大の見どころです。

313年にキリスト教を公認宗教として認めたローマ皇帝コンスタンティヌスの母ヘレナが326年に聖地巡礼し、その際にこの場所がゴルゴダの丘であり、イエスの死と復活の場所として発見されました。336年に最初の教会が建てられ、その後、増改築を繰り返し、現在の建物は19世紀のものです。

聖墳墓教会はギリシャ正教を中心に、ローマ・カトリック、エチオピア正教、コプト教、アルメニア正教、シリア正教の6つの宗派が管理しています。教会に入ると、正面には磔刑後に亡くなったイエスの体を置いて聖油で清められたとされる塗油の石版があります。石版には実際に触れることができ、ここでは信者がひざまずいて石版にキスをしたりお祈りしている様子がよく見受けられます。一心に祈りを捧げる人々の様子に触れ、この場所がキリスト教徒にとっていかに重要な場所なのかを実感することができます。

聖墳墓教会塗油板(撮影:ユーラシア旅行社)

第10留 イエス、衣を脱がされる

教会に入り、右手の階段をのぼり2階へあがると第10留があります。現在はローマ・カトリック小聖堂です。

第11留 イエス、十字架に付けられる

祭壇にはイエスが十字架の上で広げた両手と足に釘を打たれた姿が描かれています。

第12留 イエス、十字架上で息を引き取る

十字架が建てられていたと言われる祭壇(撮影:ユーラシア旅行社)

こちらはギリシャ正教会の祭壇です。祭壇下にある銀のしるしで囲われた岩は、磔になったイエスの十字架が立てられ、イエスが息を引き取ったところとされています。十字架が立っていた所にはくぼみがあり、プレートの穴から手で触れることができるようになっています。いつも長い行列ができていて、中々触れることができない岩です。

第13留 十字架降下、聖母マリアが亡骸を受け取る

第11留と第12留の間にあり、十字架から降ろされるイエスの遺体を受け止めたとされるマリアの悲しみの像があります。

第14留 イエスの墓

イエスの墓(撮影:ユーラシア旅行社)

磔刑後、イエスが墓に納められたとされる場所です。大きなドーム屋根の下に四角い建物のお墓は通常、長い行列は必至で内部は見学できないことも多いです。内部は前室と後室に分かれていて奥に小さな祭壇が設けられています。新約聖書によるとイエスは磔刑後、ここに安置されましたが、その後復活し、昇天したため、ここに亡骸はありません。けれどもここを訪れる巡礼者は絶えず、この場所は他とは違う独特な雰囲気を感じずにはいられません。

ヴィア・ドロローサで注意するべきこと

イエスが歩いたとされる全長約1kmに及ぶヴィア・ドロローサの道は、多くの巡礼者や観光客で、人で渋滞していることが多く、道も迷路のように入り組んでいて分かりにくいので、迷わないように注意が必要です。道はまっすぐな一本道ではありません。聖墳墓教会へ向かってなだらかな上り坂になっており、一部スーク(土産屋通り)を抜け、緩やかな階段をのぼります。また、ヴィア・ドロローサの道は石畳のため、雨の日は滑りやすいので特に注意が必要です。

道に迷った時は、ヴィア・ドロローサの看板が通りに書いてあるか確認してみてください。各留には壁にローマ数字で番号が書いてありますが、注意深く見ていないと、見落としてしまうかもしれません。解説を聞きながら現地ガイドと一緒に巡るのもおすすめです。
※なお、紹介した各教会・礼拝堂は急遽ミサが行われ中に入ることができない場合もあります。

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