ヴェネツィアのゴンドラとは
ヴェネタ潟を埋め立てた118の小さな島、150の運河、400以上の橋で出来ているヴェネツィアの町。狭い土地に古い建物がひしめき合っていて、車が入れないので移動は徒歩か船のみ。黒く細長い船体が特徴のゴンドラは、迷路のように入り組んだ小さな運河を進むので、地元の人の生活の一部を垣間見ることもでき雰囲気抜群!水の都ヴェネツィアでのゴンドラは1000年近い歴史があると言われています。16世紀の最盛期には10,000以上もあったそうですが、モーターボートが普及した現在は400艘ほど。今でも運河を進むゴンドラはヴェネツィアの風物詩として人気を誇っています。
ゴンドラのルートと料金の目安は?
ゴンドラのルート
ドゥカーレ宮殿近くに数か所のゴンドラステーションがあるので、乗り場を見つけたら料金やルートを確認して乗船しましょう。一般的なルートは、ヴェネツィア本島南部のグランカナル沿いからスタートし、「ドゥカーレ宮殿」やそこに架けられた「ため息橋」、グランカナルの「リアルト橋」などを通って元の場所に戻る、約30分のルート。ゴンドラが通る狭い運河は観光客で賑わう表通りとは別世界。町の喧騒はどこかに消え、聞こえるのはチャプン、チャプンという水の音とギイ、ギイという櫓を漕ぐ音。ゆらりゆらりと揺れながら大運河から小運河へ移動していくと、ベランダに飾られた花、開店準備をするレストランスタッフ、隣の家にロープを渡して干された洗濯物など、ほっこりするような光景が目に飛び込んできます。曲がり角や他のゴンドラとのすれ違いはゴンドリエーレの腕が試される場面。ギリギリの狭い運河をするりと抜けると拍手と歓声で盛り上がります。
ゴンドリエーレとは?
ゴンドリエーレとは、ゴンドラの漕ぎ手のこと。重たいゴンドラを思いのままに進ませることができますが、ただの力持ちではありません。もともとゴンドリエーレという職業は、世襲制のため、誰でもなれる職業ではありませんでした。現在は、厳しい資格試験が導入され、試験に受かればゴンドリエーレに就けるようになりました。試験内容は、ヴェネツィアの歴史、地理、外国語、一般教養などの多岐にわたるもので、簡単には合格できないことからも憧れの職業のひとつ。長年、男性の仕事とされてきましたが、2009年には初の女性ゴンドリエーラ(ゴンドリエーレは男性名詞)が登場し、一大ニュースとなりました。白黒のボーダーTシャツに赤や黒のリボンを結んだ麦わら帽子をかぶったゴンドリエーレ。明るく陽気な笑顔が歴史ある運河の町とよく似合います。
ゴンドラ・セレナーデでロマンチックな雰囲気を
ゴンドラ・セレナーデとは、ゴンドラでの運河観光をカンツォーネの演奏付きで楽しめること。同乗した楽師が奏でるアコーディオンの音に合わせて歌うゴンドリエーレ。優しい低音のメロディーが運河の町に響き渡ります。ゴンドラの心地よい揺れを感じながら夢のようなひとときを楽しめます。