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美しいイスラーム建築とバザールの街ブハラ(ウズベキスタン)

2022 3/07
目次

ブハラとは

学問の街ブハラを象徴する神学校、ミル・アラブ・メドレセ(撮影:ユーラシア旅行社)

ウズベキスタンのブハラは、サマルカンドと並んで、中央アジアを代表する古都の一つです。両都市はいずれも、乾燥した気候の地域にありながらも、近くを流れるザラフシャン川の恩恵を受けたオアシス都市として、紀元前にさかのぼる古代から栄えてきました。サマルカンドはティムール朝の首都だったことで有名ですが、ブハラもまた、中央アジア初のイスラーム王朝であるサーマーン朝や、ティムール朝滅亡後にできたブハラ・ハン国といった国の首都として、地域の中心であり続けました。

また、ブハラはイスラーム世界における学問の中心として栄えた都市で、その文化的影響は遠くヨーロッパにまで及んでいます。例えば、ブハラ近郊に生まれ、ブハラで学んだイスラームを代表する大学者であるイブン・シーナーは、アヴィケンナというラテン名でダンテの神曲に登場します。学問の一大中心地だった痕跡は、一部は学校として今日も運営されている、美しいイスラーム建築のマドラサ(神学校)からも感じることができます。

世界遺産にも登録されているブハラ歴史地区には、人びとで賑わうバザールや美しいイスラーム建築が集中しているため、街歩きを楽しむのに最適です。ここでは、歴史地区を中心に、ブハラの見どころをご紹介します。

ブハラへの行き方、アクセス

ウズベキスタンの空の玄関であるタシケントからブハラへの移動は、高速列車を使う陸路と、国内線を使う空路があります。
高速列車利用の場合、タシケントで一泊して、翌日、毎朝7:30頃に運行の高速列車アフラシャブ号でブハラに向かうのが便利です。タシケント〜ブハラ間は所要約3時間50分。ブハラの駅は旧市街から15kmほど離れているため、到着後はバスまたはタクシーで移動となります。
また、タシケント空港からブハラ空港へは一日一・二便の国内線が運行しています。この場合、所要約1時間10分。ブハラ空港は旧市街から6kmほど離れているため、到着後はバスまたはタクシーで移動となります。
※飛行機や鉄道の運行時間は、必ず各会社のホームページをご確認ください。

ブハラの訪れたい見どころ6選

アルク

アルク(撮影:ユーラシア旅行社)

ブハラを支配してきた、ハン(君主)の居城だった場所です。重厚な城壁が広大な敷地を囲む威容は、圧政で有名だった歴代ハンによる支配の時代を忍ばせるに足る迫力です。アルクの前には広場がありますが、ここでは支配に反抗する者たちが公開処刑されたと伝えられています。
4ヘクタールに及ぶ城壁内の広大な敷地には、かつてはそのまま一つの街としての機能を有し、官公庁や職人たちの工房、造幣局などが立ち並んでいました。1920年のソ連軍による爆撃で大規模な破壊を受けましたが、かつての金曜モスクやハンの住居だった場所などが現存し、現在はその内部が当時の生活の様子を伝える博物館として公開されています。

アルク正面(撮影:ユーラシア旅行社)
アルク内・金曜モスクの柱の装飾(撮影:ユーラシア旅行社)

バザール・タキ

バザールに並ぶ美しい工芸品(撮影:ユーラシア旅行社)

オアシス都市ブハラに相応しい、買い物する人びとで賑わうバザールで、ドーム型の屋根が連なった独特の外観が目印です。色とりどりのスザニ(刺繍生地)や木彫りの書見台などの工芸品が並び、お土産を買う場所としても最適。特におすすめなのが、ブハラでも幸福の象徴とされるコウノトリをかたどった、職人の手作りはさみ。装飾が美しいだけでなく、切れ味も抜群で、実用性も兼ね備えているのです。

ブハラ名産・コウノトリのはさみ(撮影:ユーラシア旅行社)

カラーン・ミナレットとカラーン・モスク

カラーン・ミナレットとカラーン・モスク(撮影:ユーラシア旅行社)

高さ46メートルとブハラで最も高く、街のシンボルとしてそびえ立っているのがカラーン・ミナレット。そして、隣の巨大な建築がカラーン・モスクです。ミナレットとはイスラーム教においてお祈りの時間を呼びかける塔を意味し、礼拝の場であるモスクとセットで建設されます。
タジク語で「大きい=カラーン」を意味するその名に負けず、このモスクは一万人もの信者が同時に礼拝できる規模を誇ります。これはサマルカンドのビビハニム・モスクと並び、中央アジア最大級。その前に立てば、イスラームの文化センターだったブハラを体感できます。また、ミナレットはブハラのどこにいても見えるので、街歩きの時の目印としても活躍します。

夜はライトアップが美しい。左はミル・アラブ・メドレセ(撮影:ユーラシア旅行社)

チャルミナル

チャルミナル(撮影:ユーラシア旅行社)

「4つのミナレット」という名前の通り、美しい青タイルで装飾された4本のミナレットが特徴の建築で、元はマドラサの門番小屋として建てられたもの。均整の取れた外観は、カラーン・モスクなどの巨大建築とはまた違う魅力があります。上の写真をよく見ると、一番右のミナレットの上にコウノトリの巣が。実はこれは、コウノトリがかつてここに大きな巣を作っていたことを記念したレプリカです。

イスマイル・サマニ廟

イスマイル・サマニ廟(撮影:ユーラシア旅行社)

ブハラを都としたサーマーン朝の祖イスマイール・サーマーニが父親のために建てた霊廟で、9世紀末から10世紀にかけて建設されたもの。中央アジアに現存する最古のイスラーム建築として有名で、そのユニークな構造は世界中の建築家の注目を集めています。表面の緻密な装飾は、レンガの積み上げによって織りなされたもの。太陽の差す向きによって光と影のバランスが変わるため、時間によって違う姿を見せてくれます。
イスマイール・サーマーニはブハラに多く暮らすタジク人から建国の英雄として慕われており、その威光の片鱗は、隣国タジキスタンの通貨「ソモニ」が、彼の名にちなんだものであることにも見ることができます。

シトライ・モヒ・ホサ

シトライ・モヒ・ホサ入口(撮影:ユーラシア旅行社)

ブハラの市街から北に約4kmの郊外にある、ブハラ・ハン国最後の君主だったアリム・ハンが建設した夏の宮殿。ロシアのサンクトペテルブルクに留学し、ヨーロッパの文化に触れていた君主アリム・ハンは、当時最高の職人を集め、ヨーロッパと中央アジアの様式を折衷したユニークな宮殿を建設しました。シャンデリアに明かりを灯すため、中央アジアで初となる発電機を設置するなど、ハンが贅を尽くした装飾の数々は、「月と星の宮殿」を意味するその名に負けない美しさで、今も訪れる人びとの目を喜ばせています。

シトライ・モヒ・ホサ内部の装飾(撮影:ユーラシア旅行社)
シトライ・モヒ・ホサ内部の装飾(撮影:ユーラシア旅行社)
シトライ・モヒ・ホサ ハーレムとプール(撮影:ユーラシア旅行社)

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