デルフィ(デルフォイ)とは
ギリシャ中部、パルナッソス山(標高2,457m)の山腹に位置するデルフィ(デルフォイ)は古代ギリシャにおける最重要聖地の一つで芸術の神アポロンが信仰されていました。アポロンが祀られた聖域では、トランス状態になった巫女が神の思し召しを口走り、それを読み解く神託はギリシャ神話の中でも実際のギリシャ世界にも大きな影響を及ぼしました。
デルフィへの行き方、アクセス
アテネから長距離バスで約3時間でデルフィに到着します。ギリシャのみどころはデルフィ以外にもアクセスが良くない所が多い為、複数の遺跡を周遊する場合は、ツアーの利用がお勧めです。
デルフィのみどころ
アポロンの聖域
神託が行われていたデルフィの至聖所。かつては巨大なドーリア式のアポロン神殿が建っており、その中で巫女が神託を受けていました。地表の割れ目から上がるガスや麻薬のような草花等を通してトランス状態に陥った巫女が叫ぶ言葉を翻訳する形で神託は告げられました。
古代劇場
古代オリンピックと並んでギリシャの重要な祭典であった4年に一度のピュティア大祭のメイン会場でもあった古代劇場。アポロンの聖域のすぐ上方に建ち、聖域と下方の渓谷の絶景が目の前に広がっています。最大収容人員は約4500人にも及んだと言われています。
宝物庫
アポロンの聖域に至る聖なる道には、アポロンの神託とご加護によって戦争の勝利や国家発展等を達成できた諸ポリスからの奉納品が収められた宝物庫が所狭しと並んでいました。特にアテネの宝物庫は一等地に大きく建ち、その国力掲揚にも貢献していました。
競技場
遺跡の上部に位置する競技場(スタディオン)。当初アポロンに捧げる芸術(音楽や演劇等)の祭典であったピュティア大祭はその後体育系競技も増え、デルフィでも各ポリスによる陸上競技が争われました。
アテネの聖域
遺跡の下方には、女神アテナに捧げられた聖域が広がっています。中心部にはトロスと呼ばれる円形の神殿風建築が建っており、デルフィを代表する古代建築に数えられます。
博物館
デルフィ遺跡から発掘された古代の展示が並んでいます。特に古代彫刻の至宝とも呼ばれる「御者像」、オイディプスの悲劇にも纏わるスフィンクス像等保存状態も良い傑作を見学する事が出来ます。
オンファロス
オンファロスは、ゼウスが二頭の鷲を東西に向けて空に放ち、一周して出会った場所を示す石でした。元々はアポロンの聖域に飾られ、現在はオリジナルが博物館に展示されています。