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デロス同盟の盟主、聖なるデロス(ディロス)島(ギリシャ)

2023 2/20
目次

デロス島とは

デロス島の遺跡(撮影:ユーラシア旅行社)

エーゲ海の景勝地、キクラデス諸島の中心に位置するデロス島は、本格的な古代ギリシャ文明が興る前より人が居住して集落を形成していました。その後ギリシャ本土からギリシャ人とその神話がデロス島に到着すると、島は重要な神であったアポロンとアルテミスの双子の出生地として信仰されるようになりました。多くの人が巡礼に訪れるようになり、島は、エーゲ海の中でも最も重要な島にまで上り詰めます。

紀元前5世紀に入り、古代ギリシャの各ポリスが団結してサラミスの海戦やプラタイアの戦いでペルシャ帝国を撃退する事に成功しますが、再度の来襲に備える為に、アテネを中心としたデロス同盟が結成されました。最盛期には200以上のポリス(都市国家)が参加し、デロス島で重要な会議が重ねられました。やがてデロス同盟内でアテネの専横色が強まり、スパルタを中心としたペロポネソス同盟との戦争に突入すると、アテネとデロス同盟は敗れて解散させられます。

その後のデロス島は引き続き聖地であると共に、エーゲ海の中心に位置する立地から商業港としても栄えましたが、古代ローマの時代に入って徐々に衰退して行き、8世紀頃には完全に打ち捨てられます。

野花が彩る初夏の遺跡(撮影:ユーラシア旅行社)

レトがアポロンとアルテミスを産んだデロス島

マーカントニオ・フランチェスキーニ『アポロンとアルテミスを産むレト』(ウィーン/リヒテンシュタイン美術館所蔵)

レトはギリシャ神話の女神。ゼウスの子を宿すと、ゼウスの妻ヘラが激しい嫉妬から命を狙ったり、出産する場所を制限したりと追われ、ようやく辿り着いたデロス島の木の下で双子のアルテミス(狩りや月の女神)とアポロン(音楽や芸術などの神)を難産の末に産み落とします。アポロンとアルテミスは古代ギリシャの数多い神の中でも特に篤く信仰されるようになり、デロス島は出生の地として聖地化されました。

デロス島への行き方、アクセス

エーゲ海を代表するリゾートの一つで多くの定期航路があり、アテネや外国からのフライトもある国際空港があるミコノス島の目と鼻の先に浮かぶデロス島には、ミコノス島からフェリーで20-30分で行くことができます。但し本数が決して多くないため(特に冬季)、必ず戻る船の時間を確認した上でデロス島の観光に入りましょう。デロス島は現在無人島なので、泊まる事はできません。

デロス島観光のみどころ

ライオン像

ライオン像(撮影:ユーラシア旅行社)

デロス島のシンボルでもある大理石のライオン像は、元々アポロン神殿への参道沿いに12体並んでいました。現在はレプリカが5体元の場所に建ち、オリジナルは島内の考古学博物館に展示されています。この参道はエジプトのルクソールにあるカルナック神殿のスフィンクス参道にインスピレーションを得たと言われています。

ライオン像(撮影:ユーラシア旅行社)

アゴラ

アゴラ(撮影:ユーラシア旅行社)

アポロンの聖域として宗教的に重要だったデロス島ですが、キクラデス諸島の中心にも位置して海上貿易の重要な拠点でもあった為、商業的な重要性も増しました。地中海各地から貿易船が訪れるようになり、島内にいくつか造られたアゴラ(市場)で商取引が交わされていました。

アポロン神殿

アポロン神殿跡(撮影:ユーラシア旅行社)

デロス島の主神アポロンに捧げられた大神殿があった聖域。デロス同盟が創設された前5世紀前半に造営され、多くの巡礼者を迎えたと想像されますが、実際にはデロス同盟の金庫がアテネに移された事もあって神殿の装飾は未完に終わりました。その後ギリシャ/ローマ間の戦争時に破壊され、基部だけが今日に残されています。

住宅街とディオニソスの家

住宅街跡(撮影:ユーラシア旅行社)

現在は無人島のデロス島は、古代の最盛期には人口が3万人にも及んでいたと言われています。主に商取引に十儒する人々を中心に住宅街が形成され、今日でも間取り、さらに一部の家では装飾も見ることができます。

ディオニソス邸(撮影:ユーラシア旅行社)

古代劇場

古代劇場(撮影:ユーラシア旅行社)

遺跡の南側に位置する古代劇場。古代ギリシャらしく、丘を背に客席を配し、最大5000-6000の観客を収容できたと推測されています。音楽や芸術の神であったアポロンに捧げられた演劇が多数上演されていたことでしょう。

キュントス山

キュントス山(撮影:ユーラシア旅行社)

デロス島の最高峰キュントス山は海抜僅か112mの高さしかありませんが、遺跡の上に聳えるきれいな稜線を持つこの山はその海抜以上の存在感を持ち、聖域として崇められて来ました。現在も山頂に向かう階段を辿って頂上部に行くことができます。(日陰が全くなく、思った以上に時間を要する場合がありますのでご注意ください。)

ドルフィンの家

ドルフィンの家の名の由来となったモザイク(撮影:ユーラシア旅行社)

キュントス山の麓近くにある邸宅跡。今日でもブランドロゴとして通用しそうな洗練されたイルカのモザイクが名の由来です。

イシス神殿

イシス神殿(撮影:ユーラシア旅行社)

エジプトの豊穣の女神として知られるイシス神は、ギリシャでも四季の女神デメテルと同一視されるようになり、広く信仰されていました。デロス島のこの神殿もイシスに捧げられたという記録が残っており、前面の柱が当時の姿を今日に伝えています。

聖なる湖

聖なる湖(撮影:ユーラシア旅行社)

ギリシャ神話の中でレトがアポロンとアルテミスの双子を産み落とした場所がこの聖なる湖です。古代より信仰の対象となっており、現在も都市遺跡の中でも緑が覆う場所として守られ続けています。(かつては水を湛えた本当の湖でしたが、20世紀初頭にマラリア対策で干されました。)

デロス考古学博物館

考古学博物館内部(撮影:ユーラシア旅行社)

宗教的にも商業的にも栄えたデロス島は千年近くに渡って繫栄し続けた後に打ち棄てられました。その後近代に入って発掘が始まると貴重な彫像や古代の遺物が多数発見され、その多くが島内にある考古学博物館で展示されています。ライオン像のオリジナルも収蔵されているので、お見逃しなく。

ライオン像のオリジナル(撮影:ユーラシア旅行社)
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