パムッカレとは
パムッカレとはトルコ語で「綿の城」の意。石灰棚が連なる特異な姿からその名が付けられました。パムッカレの頂上部に位置するヒエラポリスは複数の温泉が湧く地熱地帯で、その温泉の石灰華(石灰質沈殿物)が長い年月に渡ってパムッカレの斜面を流れ落ちていく事で世にも稀な石灰棚が誕生しました。現代ではヒエラポリスとともに世界遺産に指定されており、トルコを代表する観光地の一つとして人気を博しています。
ヒエラポリスとは
紀元前7世紀頃、アナトリア高原(トルコ)で信仰されていた地母神キュベレーを祀る神殿の建設を契機に、古代ギリシャ人たちが信仰の聖地として街を建設しました。元々地熱地帯で温泉も湧いた日エラポリスは、ギリシャからローマに続く時代に湯治の場としても人気を博しました。近くに滞在していた使徒パウロの影響でかなり初期に教会が建設され、帝国大視察の中途で訪れたハドリアヌス帝は劇場を建設して足跡を残しました。キリスト教時代に入った後も栄えていたヒエラポリスですが、大きな地震に見舞われ続け、古代の街は崩れてやがて地中に埋まっていきました。
パムッカレ・ヒエラポリスへの行き方、アクセス
航空便もホテルも周辺のみどころも多い西側のイズミールや南側のアンタルヤからは車で約3時間に位置し、エフェソス、トロイ、カッパドキア等アナトリアの名所を巡る途中で立ち寄るのが一般的です。
また、パムッカレの南方約10kmに位置する起点の街デニズリには空港があり、イスタンブールから複数便が飛んでいるのでイスタンブールを朝出て夕方に戻る日帰りも可能です。
パムッカレとヒエラポリスののみどころ
パムッカレの石灰棚を歩く
パムッカレと言えば石灰棚。かつては石灰棚の温泉にゆっくり浸かる風景がよく写真にもなっていましたが、現在は入浴が禁止されています。石灰棚を流れる湯量が少なくなってしまっているのと景観保護という二つの理由によるものです。しかし、薄く湯が張ったあたりで足湯はできますので、タオル持参で試してみるのも良いでしょう。
また、入浴が禁止された為に石灰棚周辺で長時間滞留する人も少なくなったため、人が映り込まない石灰棚の絶景写真は撮影しやすくなったとも言えます。滑りやすいので足元は十分注意の上、石灰棚散歩をお楽しみください。
ヒエラポリス遺跡を歩く
石灰棚の頂上部に広がるヒエラポリス遺跡。残念ながら数度に渡る大地震によってその遺構の多くが失われてしまいましたが、奥の丘に聳える古代劇場を始め、神殿と温泉の町としてかつて栄えた当時の栄華の残照が旅人を迎えてくれます。
パムッカレの石灰棚の湯量は減少してしまいましたが、ヒエラポリスの中の「エンシェント・プール(古代のプール)」は現在も営業中。古代には温泉保養地として各地から多くの人が集まったヒエラポリスの名残を今日に伝えてくれる場所です。古代の遺物がそのままプールの中に転がったりしている筋金入りの歴史的プールです。もし時間があれば、こちらもお楽しみください。